妊娠、出産にまつわるデータ集:第5回 妊娠、出産時のトラブル

妊娠、出産にまつわるデータ集:第5回 
妊娠、出産時のトラブル

妊娠・出産インフォ

<今回の掲載データ>
■出産時に重度の悪阻(つわり)・切迫早産・帝王切開などによる入院・手術などのトラブル発生率
■悪阻で通院、入院した割合

公益財団法人「母子衛生研究会」によると、一般的な安産の条件とは、(1)娩出力(母体が胎児を押し出す力)、(2)生まれてくる赤ちゃんの状態、(3)産道の状態、これらすべてが整っていることを指すといいます。反対に、これらのいずれかの段階で状態が整わない場合、ママとお腹の赤ちゃんの安全を最優先に、薬を投与したり、帝王切開などの外科手術を行ったり、適切な処置をとることになります。


25歳~39歳の妊婦の約3割が入院・手術などのトラブルを経験

2013年、ライフネット生命は3年未満に出産を経験した25~39歳の先輩ママ1,000人に、「妊娠出産時のお金に関する調査」を実施。その中で、先輩ママのみなさんに、「直近の出産時に重度の悪阻(つわり)・切迫早産・帝王切開などによる入院・手術などのトラブルがあったか」について尋ねました(図1)。

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この調査によると、先輩ママのうち約3割(30.2%)が、妊娠、出産時に何らかのトラブルによって入院、手術を経験していることがわかりました。また、ママの年齢が上がるにつれて、トラブルを経験している割合も大きく、30代後半(35~39歳)の先輩ママでは、約3割半(36.1%)と他の年代よりも高い割合になっています。近年、ライフスタイルの変化とともに高齢出産のママが増えてきています。そういった観点からも、妊娠、出産時のトラブルについての理解が今後ますます重要になってくるでしょう。


重度の「悪阻(つわり)」で通院、入院した人も約4割

3人に1人以上のママが経験するといってもいい妊娠、出産時のトラブル。実際にはどんなものがあるのでしょうか?

ママが妊娠して、最初に遭遇するトラブルとして代表的なものは、<重度の悪阻(つわり、おそ)>。妊娠するとほとんどの人が、主に食欲の減少、ムカムカとした吐き気、嘔吐などの症状が出る悪阻を体験します。これは自然現象であり、通常は妊娠16週を過ぎた頃から自然と症状が落ち着いていきます。

しかし、なかには吐き気や嘔吐を繰り返し、水さえ飲めなくなるママもいます。そうなると身体中の水分がなくなり、血液中の電解質のバランスを失って脱水症状となるので、入院しての治療が必要になります。ここまでの状態になることを「重度妊娠悪阻(じゅうどにんしんおそ)」と呼び、妊婦さんの100人に1人が経験すると言われています。

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妊娠・出産&製品口コミ情報サイト「Combi Town(コンビタウン)」が2012年11月に、出産経験のある同サイト会員のママ838名を対象に行った調査の中で、「つわりで医療機関にかかったり、入院したことはありますか?」という質問を行いました(図2)。その結果、入院した人は25名(3%)、入院はしなくても妊婦健診の際も含めて医師に相談した人は385人(37%)と、多くの人が悪阻に苦しみ、医師に症状を訴えているということがうかがえます。

時には、出産まで続くこともあるという悪阻。「悪阻は病気ではない」と認識される傾向もありますが、重度妊娠悪阻の症状を放置してしまうと、非常に危険な状態になる可能性もあります。悪阻があまりにひどいという場合は早めに判断して病院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

考えられる治療法は、安静療法、食事療法、点滴療法など。経過をみながら、症状が落ち着くのを待つことになります。


全妊娠の5%が「早産」

次に、<早産><切迫早産>についてお伝えします。

妊娠37週~妊娠41週の出産のことを正期産と呼びますが、それより前の出産を早産といいます。全妊娠の約5%が早産で、その原因は細菌の感染や母親の体質によるものが多いといわれていますが、切迫早産とはその一歩手前の状態になることをいいます。具体的には、子宮収縮が頻繁に起こり、子宮口が開いて赤ちゃんが出てきそうになったり、破水してしまったりすること。子宮口があまり開いていない場合は、通常通院による治療になりますが、子宮口の開きが進行している場合は、入院して子宮収縮抑制剤の点滴治療が必要になります。

早産の場合、生まれてきた赤ちゃんは、新生児集中治療室(NICU)での治療が必要になったり、後の健康状態に重大な影響を及ぼす「低出生体重児」になるリスクが高まったりします。
(低出生体重児に関しては、第1回「『小さく産んで大きく育てる』は間違い? 低出生体重児のリスク」に詳しく掲載しています。 http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-1212.html

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ママは早産を予防するためにも、できるかぎり無理のない妊娠生活を心がけたいもの。重いものを持たない、体を冷やさないというのは基本ですが、それらは早産の前兆となる「お腹の張り」を助長するから。お腹の張りが1日2~3回程度で横になってすぐ改善する程度だったら経過をみていても構いませんが、頻度が増えたり、いつまでも続いたりするようなら、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。

<妊娠糖尿病>になることも、妊娠時のトラブルのひとつです。これは、妊娠をきっかけに血糖値が正常よりも高めな状態、つまり「糖代謝異常」になってしまうことをいいます。その原因は、妊娠によるホルモンバランスの変化や、お腹の赤ちゃんにエネルギー源であるブドウ糖を優先的に送ることにより、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効き目が抑えられてしまうためです。

ママの血糖値が乱れることによって、最も影響を受けるのはお腹の赤ちゃん。身体や脳の発育にも関係し、最悪の場合、胎児や新生児が亡くなってしまう要因にもなってしまいます。また、妊娠前から血糖値が乱れていると妊娠糖尿病にかかるリスクが高まります。急な血糖値上昇の原因となる、甘いものの食べ過ぎや、空腹状態を長時間続けることなど食生活にはふだんから気を配っていきたいところです。

その他出産時のトラブルとしては、<帝王切開>も。当コラムの第3回「いまや5 人に1人が経験『帝王切開』出産の今」をぜひ参考になさってください。(http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-1709.html)

初めての妊娠で、「これから何が起こるのか不安…」と思っているプレママも多いでしょう。実態を理解することで、万が一のときにも柔軟に対応できるようにしておきたいものですね。
でもトラブルが起こらなことが一番。小さなことでも気になること、気がかりなことは、通っている産婦人科の先生に相談しましょう。また「これくらいは大丈夫」で無理をしてしまうこともあるので、体調の変化にも十分気をつけてくださいね。

 

【引用元】
・先輩ママに聞く、妊娠・出産時のお金に関する調査-ライフネット生命
https://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2013/4770.html#anchor3
・お悩みアンケート~妊娠・出産編「つわり」-コンビタウン
http://www.combibaby.com/c/1950/

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