妊娠、出産にまつわるデータ集:第9回 不妊症の割合

妊娠、出産にまつわるデータ集:第9回 
不妊症の割合

妊娠・出産インフォ

<今回の掲載データ>
■不妊を心配したことのある夫婦の割合
■不妊治療を経験した夫婦の割合
■特定不妊治療助成事業における助成対象件数

赤ちゃんをつくろうと努力しても、何らかの理由でそれがかなわない不妊症。晩婚化・晩産化も進むなか、不妊症は現在どのような状況にあるのでしょうか?

 

夫婦の3割が不妊症を心配したことあり

「不妊症」とは、「定期的な性生活を送り、とくに避妊などをしていないにもかかわらず、2年以上妊娠しない場合」を指します。排卵日前後に性行為を行った場合、妊娠した人の89%が6周期(約半年)までに、99%が12周期(約1年)までに妊娠したという研究結果もあり、一般社団法人・日本生殖医学会は、妊娠を望むカップルが1年を経過した時点で妊娠していない場合、不妊症の検査を受けることを勧めています。

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国立社会保障・人口問題研究所は、2010年6月に行った「第14回出生動向基本調査」(2014年12月時点で最新)において、初婚同士の夫婦を対象に不妊についての心配と治療経験を調査しました。同調査によれば、不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は31.1%。第13回調査(2005年)から5.3ポイント増加しました。(図1)子どものいない夫婦に限ってみれば、そのうち52.2%の夫婦が不妊について心配した経験があるという結果に。こちらも前回から7.5ポイント増加しています。

実際に不妊症の検査や治療を経験するカップルも増加

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同調査では、不妊を心配したことがある夫婦31.1%のうち、実際に不妊症の検査や治療経験のある夫婦の割合は17.9%と、半数以上になることもわかりました。また、この割合は調査を重ねるたびに増加する傾向にあるようです。たとえば、不妊の検査や治療経験がある(治療中を含む)割合を総数でみた場合、2002年の調査では12.7%、2005年は13.4%、2010年は16.4%と増えています(図2)。ちなみに、同様のことを結婚持続期間別にみた場合、結婚後0~4年の夫婦は、2002年10.8%、2005年11.9%、2010年14.4%。結婚後15~19年の夫婦は、2002年から順に12.1%、12.8%、16.5%となっています。結婚して間もない夫婦から、ある程度時間がたった夫婦まで、婚姻期間には関係なく、不妊の悩みについて具体的な行動をとるカップルが増えてきていることがうかがえます。

特定不妊治療の助成を受けた人は年間10万人超

不妊に対して心配したり、検査や治療を行ったりする夫婦が増えているのはなぜなのでしょうか?

そこには、排卵障害や子宮内膜症などの女性側の要因、精子の異常やストレスによるED(勃起障害)などの男性側の要因をはじめ、さまざまな問題が影響していると考えられます。なかでも、社会的な要因として注目されているのが、晩婚化とそれに伴う晩産化の影響です。 

日本では、2010年に女性の平均初婚年齢が28.8歳、第一子出生時の母親の平均年齢が29.9歳となりました。30年前の1980年は、これらの数字はそれぞれ25.2歳と26.4歳。一般的に最も女性が妊娠しやすい年齢は20歳前後と言われていますが、現実問題としてこの時期は学生でいる人が多く、ずれが生じています。さらに、女性のキャリア形成などの側面からも「子どもをもちたい」と思う時期が20歳よりずっと後になってしまうことも多いので、子宝に恵まれないカップルが目立つようになってきたといえるでしょう。最近では「2人目不妊」という言葉も。これは第1子を産んだ年齢が遅いため、第2子を妊娠することが難しくなっているという現実があります。

実際、不妊治療のなかでも、「人工受精」や「体外受精」などの治療を受ける人が増加しています。そのうち、体外受精は“特定不妊治療”と認定され、それ以外に治療法がない場合には公的な援助を得ることができます。医療機関の指定や夫婦合わせての年収が730万円まで、などの制限はあるものの、1回15万円(初年度は年3回、2年度目以降は年2回まで。通算5年)の給付を受けられる制度です。

厚生労働省が発表した2011年度の特定不妊治療の助成状況は、のべ112,642件。実人員数が68,261人、1人あたりの平均助成件数は1.65回となりました。直近の支給実績においても、2004年の17,657件から年々増加し、2010年には96,458件と、調査開始から5倍以上になっています(図3)。

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現代の日本で、不妊の可能性を検討すること、そのためにクリニックを受診することは決して特別なことではないといえるでしょう。そんな現状を受けて、不妊に悩むカップルを対象にした「不妊専門相談センター」が設立されるなど、気軽に相談できる機会も増えています。少しでも気になることがあれば、尻込みせず、恥ずかしがらずに積極的に行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

【引用元】
・一般社団法人・日本生殖医学会
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa06.html
・第14回出生動向基本調査―国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/doukou14.pdf
・不妊をめぐる現状―厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdf
・不妊専門相談センター事業の概要―厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken03/

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