妊娠、出産にまつわるデータ集:第11回  立会い出産の割合

妊娠、出産にまつわるデータ集:第11回 
立会い出産の割合

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<今回の掲載データ>
■立会い出産の割合
■立会いがなかった理由

身近な人がお産に付き添う「立会い出産」。現在、どれくらいの割合で行われているのでしょうか?

 

「夫」が立会った出産は約50%

厚生労働省の支援する研究の一つとして発表された「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査」(2013年3月発行)。このなかで、立会い出産の実態が明らかになっています。

同調査は、2011年8~12月の間に、1ヶ月検診に来院した母親4,020名を対象にしたもの。44都道府県11地方の大学病院、診療所、助産所などで行われましたが、「出産に立会った人」について尋ねたところ、「夫」53%、「親」12%、「その他」5%、「誰もいない」41%(複数回答あり)という結果に。帝王切開ではない経腟分娩(腟を通って赤ちゃんが出てくる分娩)に限ってみると、それぞれ59%、12%、5%、36%となりました(図1:クリックで大きく表示されます)。

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半数以上の人が、夫の立会いのもと出産。それよりもやや少ない4割の人が誰の立会いもなく出産していることがわかります。帝王切開での分娩の場合、病院によっては立会いが認められないケースもあります。そのため、全体で見たときより、経腟分娩のほうが夫の立会いが増え、立会いのない人の割合が減るということもあるようです。

 

夫の立会いで出産の痛みがやわらぐ?

その前に行われた2006年調査の、経腟分娩だった場合を見てみると、やはり「夫」の立会いがいちばん多く39%。5年後の調査で約2割増え、59%になっていることがわかります。また、「誰もいない」と答えた人は前回調査の56%から36%に大きく減少しており、立会い出産を行う人が増えてきていることがわかります。

経腟分娩で夫に立会ってもらった女性は、夫以外の人が立会った場合、立会いのなかった場合などに比べると、「輸血やカロリー補給のための点滴処置の割合が少ない」「(夫がいることで)お産の痛みがやわらぐ割合が高い」「産後1時間以内に子どもとスキンシップがとれ、授乳することができる割合が高い」といった傾向があることがわかっているそうです。

これらの理由については、お産の経過に異常がなく立会い分娩が可能になり、経腟分娩の割合が多くなった可能性もあるため、単純に立会い分娩による効果と解釈することはできないかもしれません。また、帝王切開の場合、麻酔がさめるまで時間が必要だったり、出産後の縫合に時間が必要なことも関係してきます。しかし、夫の立会いが産婦に精神的安定をもたらすことで、産婦が出産に対して積極的かつ前向きになり、その結果、産婦が途中から帝王切開への切り替えを希望することが減少し、経腟分娩が増加する側面もあると考えられています。

夫が立会えば出産のリスクが減る、望ましい結果が得られるなどと断言することはできませんが、出産の痛みは苦しいけれど、励ましてくれる人がいることで痛みがやわらぎ、がんばれるという体験はあるようです。

 

立会い出産しなかった理由の1位は「産婦が希望せず」

立会い出産は増えていると先ほど述べましたが、立会いのなかった出産も少なくありません。その理由にはどんなことが考えられるのでしょうか?

経腟分娩で立会いがなかった理由として、以下のような回答がありました。「産婦が希望せず」50%、「その人が多忙」14%、「その人が希望せず」11%、「医療側の理由」10%(図2:クリックで大きく表示されます)。

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出産をする女性の半数と、夫など立会う人の1割が、立会い出産を希望していないというわけです。夫が付き添うことを産婦が「恥ずかしい」と思ったり、夫自身が「出産に立会うのが怖い」と思ったり。また、実際に夫が立会った経験のある女性からは、「立会おうという気持ちはうれしかったけど、失神して病院に迷惑をかけた」「立会った夫が役に立ったかというと、いまいちよくわからない」という声もあり、立会い出産に対する、夫婦やご本人の考え方、感じ方により違いがあるようです。

「医療側の理由」というのは、病院側が認めていないというものですが、2006年調査の21.2%という数字と比較すると、およそ半分に減っていることがわかります。とくに、大学病院と一般病院で改善されているそうで、高次医療を行うことが多い医療機関でも、なるべく出産する人たちの希望を受け入れようと努力しているようです。

日本での立会い出産の歴史は50年ほど。それより前は自宅で出産する人が多かったことを考えると、新しい命の誕生をその瞬間から、家族みんなで共有することは珍しいことではありませんでした。どんな出産をし、どんなふうに赤ちゃんと対面するのか。パパとママで話し合い、いちばんよいと思う方法を選択するのが大切でしょう。

 

【引用元】
母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査——厚生科学研究補助金 政策科学総合研究事業
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/pregnancy/G0000595/03_RQ2.pdf

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