妊娠、出産にまつわるデータ集:第12回  婦人科検診の受診率

妊娠、出産にまつわるデータ集:第12回 
婦人科検診の受診率

妊娠・出産インフォ

<今回の掲載データ>
■ 婦人科検診の受診率
■ ブライダルチェックの受診率
■ 婦人科検診を受診しない理由

今回は、女性特有の病気を調べることができる「婦人科検診」。妊娠する力があるかどうかを測る「ブライダルチェック」についてです。

そもそも婦人科検診で調べる内容にはどんなものがあるのでしょうか? そして、どれくらいの人が受診しているのでしょうか? これから見ていきましょう。

「婦人科検診」「ブライダルチェック」とは?

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図はクリックで大きく表示されます

婦人科検診に含まれる主な検査内容は、上の図のとおりです。「乳がん」や子宮の入り口のがんである「子宮頸(けい)がん」の検査のほか、「内診」で子宮や卵巣の病気がないかどうかも調べます。内診とは、医師が指を腟内に入れて子宮や卵巣の状態を調べるもの。「内診台」と呼ばれる台に乗り、脚を広げた状態で検査が行われます。また、お腹に器具を当てたり、腟内に器具を入れたりして、モニターで子宮や卵巣の様子を確認する「超音波検査」も行われます。これは「エコー検査」とも呼ばれます。

将来の妊娠・出産に備えて行う女性の「ブライダルチェック」も、婦人科検診の一種。性感染症の有無や、排卵障害が起こっていないかなどを見ていきます。「おりもの検査」では腟内からおりものを採取。ここからクラミジアやカンジダなどの、性感染症にかかっているかどうかを調べます。「血液検査」では女性ホルモンの分泌状態がわかるほか、「AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査」も。これは、卵巣に残された卵子の数を推定できるものです。「尿検査」では、妊娠しづらく、妊娠してもリスクの高い出産になってしまう糖尿病にかかっているかどうかを調べることができます。

これらの検査はとくに、不正出血がある人、月経痛がひどい人などは受診することが望ましいもの。なぜなら、“月のもの”と考え我慢していた、体の不調を和らげることにつながるからです。また、それが妊娠・出産にかかわってくるケースも多いので、「子どもをもつことはまだまだ先」と考えている人にとっても、早めに検査をすることで、病気を発見し、治療を早く始めることにもつながります。

 

婦人科検診を毎年受けている女性は約4割

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2014年、オレンジページが大塚製薬と共同で、女性1,040名(20代以下63人、30代261人、40代474人、50代197人、60歳以上45人)を対象に「女性の健康意識調査」を実施。婦人科検診の受診頻度を調査したところ、毎年受診しているのは全体の約4割。年代別にみると、20代以下36.5%、30代36.4%、40代42.8%、50代45.2%。最も受診率が高い50代でも半数を切る結果になりました。(図2:クリックで大きく表示されます)

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婦人家系のがん検診の国際比較をみても、日本の子宮頸がん、乳がん検診の受診率は、OECD(経済協力開発機構)加盟国30カ国のなかで最低レベル。欧米の検診受診率が6割以上であるのに対し、日本はわずか4 割足らずとなっています。(図3:クリックで大きく表示されます)

ブライダルチェックに関しては、2010年9月の調査で妊娠前に受診した人の率は12%という結果が。そのうち、病気が見つかったり、「注意すべき所見がある」と言われた人は18%でした(出産・育児に関するコミュニティサイト「ベビカム」調べ、全回答者413人中)。

検診受けない理由は「面倒」「費用が高いから」…

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高いとは言えない、日本女性の検診への意識ですが、先述の調査では、婦人科検診を受診していない理由も聞いています。それによると、「面倒だから」と「費用が高いから」の2つの回答がほぼ同数でトップに。(図4:クリックで大きく表示されます)

受診のわずらわしさや、検査に時間がかかることをマイナス要因だと思っている人が少なくないようです。ただ、婦人科検診よりも検査項目の多いブライダルチェックでさえ、検査自体の時間は30分ほどとのこと。じつは、重要性がわかっている人なら、それほど長い時間ではないんです。

費用については、地方自治体による助成がある場合も。その場合の自己負担額は1,000円程度、保険適用外の検査でも1~3万円程度。保険適用外の検査は負担も大きいですが、将来のためを考えると、受診することをおすすめします。

早期発見で妊娠・出産できなくなるリスクを回避

現代の女性は、初潮の低年齢化や出産回数の減少などにより、生涯を通じて女性ホルモンにさらされる時間が増加している傾向にあります。このことは、同時に婦人科の病気を発症するリスクが高まることも意味しています。

たとえば、近年20~30代の女性で発症が増えている「子宮内膜症」は、子宮内膜の一部が卵管を通り、お腹の中に入ることで発症する病気です。進行すると、日常生活に影響するほどの痛みが出るのとともに、不妊症になるリスクが高まり、決して軽い病気ではありません。また、子宮頸がんも若い女性での発症が増加していることが指摘されています。

けれど、これらの病気も早期発見で治療できれば、妊娠・出産をあきらめなくていいものなのです。「病気が発見されたらこわいから」という理由で婦人科検診を受けない人が1割強いることが調査結果で明らかになっていますが、発見が遅れることのほうが大きなリスクと言えるでしょう。

女性特有の病気に意識を向けることは、女性としての自分を大切にすること。理想の未来のために、自分の体をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

【引用元】
・平成25年 国民生活基礎調査の概況―厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/04.pdf
・ベビカム リサーチ「VOL.134 ママの健康診断」―ベビカム
http://www.babycome.ne.jp/online/research/detail.php?vol=134

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