子どもをバイリンガルにするには?――日本人のためのオールイングリッシュの保育園を訪ねて

子どもをバイリンガルにするには?
――日本人のためのオールイングリッシュの保育園を訪ねて

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「国際感覚を身に着けさせたい」「英語ぐらい話せる人になってほしい」「大人になってから英語の習得に苦労しないために」など、小さい頃から英語を学ばせようと考えているママ、パパも多いことでしょう。

日本にいても、子どもを英語に触れさせる機会はたくさんあります。テレビ番組、アプリ、リトミック教室に、DVDやCDの教材。さらに、インターナショナルスクールといった本格的な学びの場も。本当にたくさんの選択肢があります。

今回は、日本にいながらバイリンガルを目指す、日本人のためのオールイングリッシュの保育園「サンライズキッズインターナショナルスクール」(横浜市西区)を訪問。ひとつの早期英語教育の現場をレポートします。

2歳の子でも、1週間で英語がわかるようになる?

マンションの一室を利用して作られた園は、ブルーやオレンジの壁紙でとても明るい雰囲気。アルファベットの書かれた教材が貼られ、ネイティブの先生たちがいて、ある種“異国”を感じさせてくれます。

「Does anyone know it?」「Hands up!」「Such a good boy!」

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先生の発する言葉は英語だけ。それに答える子どもたちの返事も、元気よく歌う歌も英語です。少し前までは、映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let it go」を完璧に歌っていたそうです。

発音のよさと聞き取りの力にまず驚きますが、ここにいる2~5歳、約40人の子どもたちはほとんどが日本人。外国出身の親をもつ子は、フランス人と日本人のハーフの男の子とインド人の女の子の2人だけです。先生は、ネイティブの講師と日本人の保育士が半々。幼少期に身につけておきたいマナーやしつけに関しては、日本人の先生が担当しています。

「2歳の子でも1週間くらい通うと、ネイティブの先生の言うことがわかってきます」というのは、園長の桜井あおいさん。

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よく聞いていると、2、3歳児のクラスでは子どもたちの口から日本語が出ることもありますが、たとえそれが日本人保育士への質問であっても、先生が日本語で返事をすることはありません。「母語が日本語の子どもたちにとって、ここはかなり不便な環境だと思います」と桜井さん。

「2、3歳児のクラスでは愛情をもって接することが最優先なので、日本語で話してきた場合にも私たちはちゃんと反応して、『どうしたの?』『痛かったんだね』と英語で答えます。けれど、4、5歳の子どもたちには、わざと『なんて言ったの?』『英語で言えるよね?』と返したりします。ちょっと油断すると子どもたちは日本語で話しかけてきますが、そこは徹底して英語だけにして、英語を使わざるをえない状況にしているのです」(桜井さん)

幼少期のうちに、脳に“英語の部屋”を作ることが大切

こちらの保育園には、「子どもをバイリンガルにしたい」と強く願うパパ、ママ以外にも「家で英語のDVDを何度も繰り返し、楽しそうに見ていたから」「いろんな国の文化に触れてほしいから」「将来どうなるかはわからないが、せめて子どもが英語嫌いにならないように」と考え、通わせはじめる親も多いとのこと。また、仕事をしている母親が多く、「純粋に近いから」という理由でこの園を選んだ人もいるそうです。

桜井さんは、この園で過ごすことで日本人の子どもの脳にも“英語の部屋”を作ることができると話します。

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「7歳くらいまでが“脳の臨界期”といわれていて、とくに語学の習得は、早い時期の方が吸収がよいと言われています。早い時期に頭の中に英語の部屋を作ってあげるかどうかで英語の習得の差がでます。中学生になってからでは、脳が日本語で大半を占められているため、残りのわずかな部屋に英語を詰め込まざるを得ないのです」(桜井さん)

つまり、これは英語で考え、感じる能力が備わっているということ。たとえば、外資系企業に勤めるバイリンガルの場合、仕事のことは英語で、それ以外のことは日本語で考えるという人がいます。このことを可能にしているのは、その人の脳に日本語の部屋と英語の部屋があるため。大人になってから英語を学ぼうとすると、「言語に関しては日本語の部屋が大半を占めているため、小さな部屋に詰めこむ状況になるのです」と桜井さん。

また、この園で習得するのは言葉だけではないようです。桜井さんがこんな話をしてくれました。

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「子どもたちに自分の顔を描いてごらんというと、どの子も、目が大きくてまつ毛が長く、ほおがピンクに染まっている顔を描きます。ぜんぜん似てない自画像なんです(笑)。ほかの絵を見ても、色彩感覚がぜんぜん違っていて驚きます。外国人の先生が描いた絵を見たり、外国人が作者の絵本やビデオを見たりもしているので、それが影響している部分もあると思いますが、それだけではないような気がします」

ある程度成長してから英語を学ぶ人が、自分の顔を欧米人のように描くことはまずないでしょう。言語が表現力とも強く結びついていることを示しているのかもしれません。

園で“英語漬け”だからこそ、家では“日本語”を

この園には、小学生向けの英語検定「児童英検」で、7歳くらいが合格の目安になっている「ブロンズ」に合格した3歳児もいたとのこと。そんな話を聞くと、「日本にいながらバイリンガル」という目標も夢ではないように感じますが、逆に小さいうちから外国語を学ぶことによるデメリットはないのでしょうか。

「一日の大半をここで過ごすと、日本語の習得は普通の保育園に通っているお子さんと比べると遅く、また表現も乏しいことがあるかもしれません」(桜井さん)

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もし、子どもをインターナショナルスクールに通わせたら、家でも英語で話さなくてはいけないのでは?と考える人も多いかもしれませんが、「これから先、日本で教育を受けていくのであれば、ベースは日本語です。日本語のレベルが低いと英語は絶対にそれ以上にはなりません。だから、ご自宅では日本語で本を読んであげたり、日本語を教えてあげてくださいとお願いしています」と桜井さん。また、「子どもたちはここでがんばって英語を使っているので、ご家庭でも英語だとやっぱり疲れちゃうと思うんですよね」とも。

最後に、英語を苦手とする日本人が多いことについて、桜井さんにその理由を聞いてみました。

「英語教育の順番がよくないのではないかと思います。中学からの英語学習の場合、“読み書き”から入り“聞く話す”機会はとても少ないのが現実です。たとえば、英語でコミュニケーションしなければならない場面で、単語をつなげていけば何とかなるときでも、難しく考えてしまいがち。それがストレスになり、苦手意識になり、どんどん話せなくなるという悪循環に陥るのではないでしょうか」

この園の子どもたちには、「英語が話せない」というストレスはまったくなく、単語も歌も何回か聞いて耳から覚え、それを発しているだけ。これが幼少期の言語習得の最大の特徴のようです。

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「バイリンガルになるには継続して学習することが求められますが、幼少期に英語に対してポジティブな経験をしていれば、その後の英語学習をスムーズにすることは間違いありません。外国人に物怖じしない気持ちと、ネイティブ並みの発音は子どものうちに身につければキープすることが可能だからです」(桜井さん)

■サンライズキッズインターナショナルスクール
http://www.sunrise-kids.com/

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