<妊娠前期の方へ>やすのり先生のなんでも相談室 妊娠中の体のギモンにお答えします!

<妊娠前期の方へ>
やすのり先生のなんでも相談室 
妊娠中の体のギモンにお答えします!

妊娠・出産インフォ

妊娠をはじめて経験するというママなら、日々の自分の体の変化に戸惑ってしまうことも少なくないでしょう。妊娠前期はそんな新米妊婦さんにとっては、喜びを実感するとともに、驚きと不安が錯綜する毎日だと思います。
今回は、ミキハウスの会員限定コンテンツ「慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典医師にインタビュー」より一部抜粋してお送りします!

*  *  *

妊娠前期の悩み「つわり」はどうして起こるのですか?

Q.まず妊娠前期というのはどのような状態のことですか?

通常の場合は妊娠から3ヶ月としています。この期間は、体が非常に辛い時期です。つわりが起こってきたり、食べ物が食べられなかったり、初めて妊娠という体になっていくお母さんが、まだ自分の体に慣れてない時期なのです。

Q.つわりはいつ頃から起き始めますか?

01

妊娠の5週目くらいで妊娠反応が陽性になってきます。この妊娠反応が陽性になってくると、それくらいの時期からつわりが始まってくるんです。

つわりはおよそ妊娠3ヶ月くらいのタイミングで止まるのが一般的。ただ、4~5ヶ月まで続く人もいますが、これが何らかの病気であったり、後遺症を残すことはほとんどありません。「妊娠悪阻(にんしんつわり)」と言って、10人に1人ほどつわりが非常にひどくなるケースがありますが、この場合は、脂肪が分解され尿にケトンという物質が出ます。この状態が出ますと、点滴をして治療。ひどい場合は入院、絶食、そして点滴といった治療が必要になってきます。

しかし、あまりそういう認識を持たれていないかもしれませんが、赤ちゃんはお母さんにとって半分が異物です。なぜなら、半分はご主人でできているからです。つわりは、これに対する一種の拒絶反応と考えてくださればいいでしょう。ですから、つわりは起こって当然です。それに、1人目のつわりがひどくても、2人目全くつわりがなかったりと、そういうことも十分に起こりえます。

つわりの際、無理をしてでも母体のために食事をとった方がいいとされる意見もありますが、頑張って食べなくても問題ありません。その場合には水分だけをとりましょう。水分をとれない場合は、入院をして点滴をするといった治療で対処します。

 

つわりの重い人は点滴を打ったり、十分な休息を

Q.点滴を打てば、つわりは治るものでしょうか?

一般的には点滴をすると3~4日、時間がかかる人でも1週間から10日間経てば楽になる方が多いです。つわりで気をつけなければならないことは、嘔吐しすぎてしまうと体内に必要なビタミンが足りなくなってしまうという点にあります。昔はビタミンB1が欠乏してしまうことによる「ウェルニッケ脳症」を患う方が多かったのですが、最近は入院時にビタミンを補給しますので、そうした病気もなくなってきているんです。

Q.つわりの時期、仕事などは休んだ方がよいでしょうか?

働いている女性ですと、産前にはお休みがとれるかと思いますが、産前よりもつわりの時期の方が辛いというお母さんは多いと思います。つわりがひどい人にとっては妊娠2~3ヶ月が極めて辛いでしょうから、この時に2~3 週間お休みを取ることはおすすめします。「妊娠悪阻」として診断されればお休みすることもできますから、十分に体を休めることは大切です。

 

ママのアレルギーは赤ちゃんに影響する? しない?

Q.お母さんがアレルギーを持っている場合、妊娠中の赤ちゃんの発育に影響はありますか?

02

最近はアトピーといったアレルギーをお持ちのお母さんは少なくありませんが、妊娠経過中は悪影響を与えませんので心配する必要はありません。ただしアトピーに関しては、妊娠すると夏場は余計に汗かきますから、お母さんは痒みが増して辛いかと思います。しかし、お腹の中にいる赤ちゃんに対して影響を与えるとことはないと認識していただいて問題ないかと思います。

Q.妊娠初期はなぜ流産になりやすいのでしょうか?

流産というのは、皆さんが思っているよりも多いんです。だいたいどれくらいかと言いますと、8 人に1 人流産するんです。正常であっても8 人に1 人くらい。妊娠初期の時には、大体3ヶ月までくらいに流産するという事が多いのですが、流産の理由の7〜8割は染色体異常です。ある意味、神様がこの子は産まれても生きられないから早めに流産させてあげますよと言って流産しているとも言えます。

Q.転倒などの物理的な理由の流産も多いのでしょうか?

物に当たった、交通事故を起こした……外的な理由で流産しする事はすごく少ないですね。決して0とは言いませんけれども、非常に少ない。赤ちゃんというのは非常に守られた状況の中にあるんです。ですから流産した場合、まず殆どが赤ちゃんに原因がある事の方が圧倒的に多いという理解で結構です。

*  *  *

つわりのある妊娠前期は、妊娠前とくらべてママにとっては辛い時期になるかもしれません。生まれてくる赤ちゃんのためにも体を第一に考え、どうしても辛い時には一人で悩まずに医師やパートナーに相談することが大切。みんなで健やかな赤ちゃんの成長を助けていきましょう。

 

03

【プロフィール】
吉村泰典(よしむら・やすのり)
1949年生まれ。産婦人科医、慶應義塾大学医学部教授。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる一方、第2次・第3次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。

妊娠・出産インフォ トップに戻る