忙しいからこそ大事にしたい… 子どもの“大切な記憶” の伝え方

忙しいからこそ大事にしたい…
子どもの“大切な記憶” の伝え方

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子どもが生まれてからは、毎日が「特別な日」の連続。出産当日はもちろん、初めて寝返りした日、ハイハイした日、つかまり立ちした日、歩いた日、お話した日……等々、後から振り返ると大切な思い出ばかり。

しかし、日々目の前の子育てに追われているうちに、そうした“大切な記憶”を何かしらの形で残すことを忘れてしまいがちです。そこで今回は、子どもの大切な記憶の残し方、伝え方についてタイプ別にまとめてみました。

 

お話して気持ちを伝える【ストーリーテラー型】

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みなさんは、子どもが生まれた日のことを覚えているでしょうか? 空の色、風の匂い、そしてどのような気持ちで、我が子の誕生を心待ちにしていたのか。父親や母親であれば忘れられないであろう特別な日。

出産のリアルを描く人気漫画『コウノドリ』の作者・鈴ノ木ユウ先生は出産準備サイトの対談インタビューでこのように語っています。

「僕、子どもの誕生日に毎年、彼が生まれた日の話をするんですよ。出産当日は雨が降っていて、お母さんは病院に行ったけど1日目には産むことができなくて、結局、丸々2日かかってお前を産んだんだよ、と。いい加減、毎年同じ話をしているから、息子がだんだんうんざりして『また?』って顔はするけど、どこかうれしそうにしているんです。だから、僕にとって“その日”がいかに大切な日だったかっていうことを毎年息子に話しています」

8歳となる長男にとっても、パパである鈴ノ木先生ご本人、そしてママである奥様にとっても大切な生まれた日の記憶。“その日”がいかに大切な日だったかっていうこと伝えるために毎年、誕生日に同じ話をするという鈴ノ木先生。“語る”ことで大切な記憶を紡いでいっているそうですが、仮にその真意が息子に伝わらなくても、「僕と妻がどういう思いで君を迎えたのか、毎年誕生日に言いたい」(鈴ノ木先生)といいます。

うんざりしながらも、どこかうれしそうにしている息子さんの様子が目に浮かびますね。こうして大切な記憶を残していけるなら、とてもステキなことです。

 

写真にして思いを形にする【フォトブック型】

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写真 繁延あづさ

一方、同企画での対談相手である写真家・繁延あづささんは、3人の子どもそれぞれに「フォトブック」を作成しているといいます。デジタルカメラやスマートフォンで、誰でも手軽に写真が撮れるようになった昨今、データで残して管理する人も多いと思いますが、繁延さんがあえて「フォトブック」という形あるものにしようと思ったのは、どんな理由があったのでしょうか?

「私はフォトブックの〝本〟というカタチが気に入っています。我が家では、『あおいのじかん1』『あおいのじかん2』というように〝つづき〟を展開するように作っています。ですから、フォトブックはその子自身が主人公のものがたり。それを絵本棚に置いておくと、子どもは絵本を持ってくるのと同じように、自分のフォトブックを持ってくるようになりました。私自身も、膝の上で子どもがめくるように合わせて、『落ち葉がいっぱい落ちていたね』など思い出を添えるようになりました。写真って、大事にしまっておくだけではなくて、日常の中に置いて発揮する効果もあると思うのです」(繁延さん)

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写真 繁延あづさ

そう感じるようになったのは、写真家である繁延さんが自身の出産時に、自分が“被写体”となって撮影してもらった経験もきっかけになっているといいます。

「1枚の写真を見た瞬間に、忘れていた思い出がフッと蘇ってくるようことがあるでしょう? 私自身も、自分の出産時に撮ってもらった写真を1か月後に見返して『赤ちゃん抱いたときの私、こんないい表情していたの!?』とびっくりしたのです。まるで人生を2回味わうような感覚でした。写真には、そういう過ぎ去った時というか『時の記憶』を呼び覚ます“ヒント”になる力があると思います。このフォトブックには、いわゆる“いい写真”ばかりでなく、親子喧嘩してふてくされた表情や、親族の葬儀の写真など、私が子どもに『覚えていてほしいこと』をあえて入れています。だから覚えていなくても、成長後に見返したときに『こんなことがあったんだ』とか『こんな風に自分を見ていたんだ』と気付く日が来るはず。それは“隠しメッセージ”のようなもの。つまり、このフォトブックは、その子の物語であると同時に、実は母親である私の物語でもあるのです」(繁延さん)

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写真 繁延あづさ

繁延さん自身も、思春期にさしかかった“上の子”の反抗的な態度や、“下の子”のイヤイヤ期に手を焼くこともあるそうです。そんなときにこのフォトブックを開くと、生まれた日に感じた「無事に生まれてきてくれたら、それだけでいい」という当時の心境が蘇り、穏やかな心境で子どもに接することができるといいます。

 

大切な思いを大切な人と共有して思いを伝える【SNSシェア型】

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鈴ノ木ユウ先生のように言葉に出して伝えるのは少し照れくさい、また繁延さんのように写真をまとめるのもちょっと大変……という方にはSNSを上手に利用してみてはいかがでしょうか。

たとえばFacebookや、インスタグラムなどで子どもの写真や動画をなにかテーマを持って投稿し、それをアーカイブしていけば大切な記憶となっていきます。

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(Kさんが1年間毎月撮影したお子さんの成長写真)

「ちょうど“寝相アート”が流行ってきた頃だったので、同じように床に敷物をして、毎月、子どもの誕生日と同じ日が来るたびに写真を撮って、それをFacebookにアップするのを1年間続けたんです。赤ちゃんの成長具合がわかるように構図を考え、そこにお気に入りのおもちゃを並べたり、オムツを並べて数字の形にしたり、1枚の画用紙にその月の出来事––––初めての抱っこ、風邪ひいた––––とか、そのときのママの気持ちを書くなどして、自分も楽しみながら撮っていましたね。1年経って12枚の写真をスライドショーで並べると、1本の成長ストーリーができあがったのにはちょっと感動しました。子育てが始まったばかりの時期は親も忙しく、写真を撮りそびれることもありますし、父親の僕は、昼間は仕事ですから、子どもが“初めて○○した瞬間”って見逃しがち。だから、こういう形で家族の1ページを残せたのは、本当にいい記念になりました」(Kさん)

もともと、誰かに見せるためではなく、子どもの成長を残したくて始めたそうですが、Facebookに投稿したことにより、友人から「いいね!」がたくさん寄せられたのはもちろん、子どもがいる人の中には、Kさんの真似をして始めた人も続出したなど、予想外に反響があったのだとか。

 

言葉をしたためて記憶を紡ぐ【日記・ブログ型】

日記やブログで、子育ての記録を記し、自分の言葉で大切な記憶を紡いでいく。それはとてもかけがえのない成長の轍となります。子育ての記録や記憶を文章として残すなんて、大変そう…そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ミキハウスベビカムプラス(BCP)が毎月実施しているアンケートで、「育児日記や育児ブログを書いていますか(書く予定ですか)」と質問したところ、62.3%ものママがYESと回答。実に6割超の方が子どものために文章をしたためているんですね。

それではママたちはどのような思いで、日記やブログを書いているのでしょうか? アンケートにお答えいただいた声の中から、以下、一部抜粋してご紹介します。

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「妊娠中から書いてます!生まれる前からたくさんの人に助けてもらい、愛されていていた記録を残しておきたいから」(うどんぴ)

「生まれた日から記入してます。赤ちゃんの体調を毎日記録し、日々の変化をいち早く察知するためです」(いけまい)

「あんまり病院に行くことはありませんが、病院や検診で様子を報告するのに書き留めておいたほうが良いと思って記録をつける癖をつけています。ミキハウスでもらった育児日記につけています。できるようになったことや保健センターで指導されたことなども書くようにしています」(ひよちゃん126)

「1人目の時に書いていて、振り返るのにとても役だった!特に最初の3か月は同じことの繰り返しのような感覚で子どもの成長をあまり感じられなかったが、振り返ることで実感できた」(あみたくまま)

育児日記のメリットとしては、思い出を残すことはもちろんですが、先輩ママからは、子どもの健康管理のため“カルテ”代わりに使っているという声も。子どもがそのときかかった病気や、受けた予防接種を記録しておけば、いざというときに慌てずに済むのかもしれません。

また、ほとんどの方が出産後に育児日記を書き始めるようですが、エコー写真や胎動の記録も残すなど、妊娠中からスタートする人もおり、始めるタイミングは人それぞれ。中には「出産後から書き始めましたが、忙しくて途中で挫折しました」(はるいちばん)や、「ログとして書いています♪ でもなかなか更新できません」(ボディ&ハート)など、忙しくて毎日書くのはやっぱり難しいというママの声も。

どうしても「育児日記」「成長記録」というと「きちんと毎日書かなければ!」と、プレッシャーに感じてしまうこともありますが、たとえ箇条書きでメモする程度でも、立派な記憶の断片です。数年後、何十年後に振り返ったときに、記憶をたぐり寄せる“ヒント”として、ほんの1行でもいいので残してみてはいかがでしょうか。

大切な記録の残し方には、言葉や写真、あるいはSNSや動画など、アイディア次第で多様な選択肢があります。とかく日々の子育てや家事、仕事に忙しいママとパパですが、こうして“大切な記憶”を記録として残すことで、子どもをいかに大切に思っているか、その思いを再確認し、「あの時はこんなことがあったね」と振り返ることもできます。そしていつの日か、大きく成長した子どもの、その“足跡”を子どと一緒に辿ってみてください。大切な記憶が蘇るとともに、親子の深いつながりを改めて実感することができるでしょう。

 

【参考】
ミキハウスベビカムプラス
http://www.babycome.ne.jp/babygoods/mikihouse/

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