“旅立ち”の春はすぐそこ 準備はOK? 入園前に知っておきたいこと

“旅立ち”の春はすぐそこ 準備はOK? 
入園前に知っておきたいこと

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わが子の誕生に感動したのが、つい昨日のことのように思えるママとパパ。でも赤ちゃんはどんどん成長して、気がつけば保育園に入園する日も近くなってきた……なんてご家庭もあるかもしれません。ありったけの愛情を注いで育てたわが子が、家庭以外のところで、友だちや先生と長い時間をすごすことになることを考えると、「お友だちができるかな」、「さみしい思いをしないかな」と心配になってしまいますね。

そこで今回は、子どもたちがスムーズに園での生活になじむために、ママとパパが準備してあげられること、知っておきたいことについてまとめてみました。“保活”真っ只中で、入園の準備について考えるなんてまだ早い……という方もいらっしゃると思いますが、将来の入園のためにぜひ読んでみてくださいね。

 

親子で楽しみながら通園の道具をそろえましょう

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通う保育園が決まってホッとしたママとパパ、安心するのは早いですよ。保育園に通い始める前にやるべきことは、まだまだあります。必要なものを準備することもその一つ。子どもたちが、保育園で快適にすごせるように、心をこめて選んであげたいものです。

早速、保育園で必要なものをリストアップしてみました(※詳細は各保育園の案内をご確認ください)

 
<通園の時に必要なもの>

  • 通園バッグ
  • 帽子
  • 着替えを入れる袋
  • コップ入れ袋
  • 雨の日用グッズ(雨靴、レインコート、傘)

 
<毎日園で使うために持っていくもの>

  • 着替え(肌着、Tシャツ、ズボン/歩き始めた子は、ロンパースではなく、上下別れた服。よだれの多い時期にはスタイも必要)
  • おむつ
  • 食事用エプロン
  • コップ
  • ひも付きタオル
  • ハンドタオル
  • おむつ用ビニール

 
<園に置いておくもの>

  • 敷き布団カバー
  • 毛布カバー
  • おしり拭き(ケース入り)

なお、園によって必要なものが違ったり、指定されている場合があるので、「入園のしおり」などできちんと確認しましょう。

子どもたちが集団生活を送る保育園では、道具や服にはきちんと記名しておかなくてはなりません。こまごましたものに一つひとつ名前を書くのは、なかなか手間のかかる作業です。そこで活躍するのが、スタンプやシールです。

インターネットやお店で、オリジナルの名前シールをオーダーすると、貼るだけで簡単に記名ができます。コップなど洗うとインクが落ちてしまうものには、耐水性のシールを。布製品にはスタンプも使えますが、アイロンで貼りつけるタイプなら、はがしたいときに簡単に取れるので、おさがりの予定がある場合はこちらがおすすめです。

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(写真提供:シヤチハタ株式会社)

また、おむつにも使える名前のスタンプは、保育園児を持つママたちに大人気。ほとんどの園でおむつに名前を書いて持って行かなくてはならず、慌ただしい生活の中で、これがとっても面倒な作業! でも、おむつ用スタンプを作っておけば、捺すだけで記名できて便利です。

また道具選びは、新たに保育園生活を始める子どもを安心させるという観点も重要です。幼児教育の第一線で活躍する文京区立お茶の水女子大学こども園・園長の宮里暁美先生は、こう語ります。

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「着せていくお洋服にしても、持たせる道具にしても、なにより大事なことは子どもが使うという視点を大切にして選ぶということ。それを家で何度か使ってみて、使い心地や使いやすさを確認しておけば、園で困ることもないでしょう。タオル一つでもいいから、お気に入りを持たせてあげれば、子どもたちは安心しますよ。『これを持って保育園に行って、お友だちとたくさん遊ぶんだよ。楽しみだね』と入園前から話してあげるといいです」

家庭の空気を感じるものに触れることができれば、子どもたちは保育園という新しい環境の中でも、落ち着くことができる…。こういう観点で道具を選んでいくことで、子どもへの更なる愛情が深まっていくのかもしれませんね。

 

入園前は、「いっぱい甘えて、機嫌よくすごす」時間を大切に

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これまでママ・パパに見守られながら、ほとんどの時間を家庭ですごしてきた子どもたちは、入園すると、お友だちとある程度決められたスケジュールの中で生活することになります。

「なかなか保育園に慣れなくて困った」とか「毎朝泣かれて、こっちが泣きたかった」なんていう先輩ママ・パパの話を聞いて、「うちの子は大丈夫だろうか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

「保育園での生活は、子どもたちにとっては初めての集団生活ですから、心が揺れて当たり前なんです」と前出・宮里先生は言います。

「たいていの子が、最初のうちは泣いたりぐずったりするものです。にもかかわらず、入園したてから“いい子”でいられるように、事前に親離れの訓練をしたり、言い聞かせようとするのは、ちょっとかわいそうです。それよりも入園前には、ママやパパにいっぱい甘えさせてあげてください。それで余計に離れられなくなるなんて考えることはありません。子どもは、気持ちよく寝たりおいしく食べたりと、機嫌よくすごす時間を味わいながら、自然と旅立つ準備をしてくれるものです」(宮里先生)

また、毎日のお散歩で保育園の前を通って、園の様子をのぞいたりするのもおすすめだと宮里先生は言います。たしかに親にとっても保育園の様子を知ることができるし、子どもだって、いつも楽しそうなお兄ちゃん、お姉ちゃんがいる場所に入れたとわかったら、うれしくて、不安がなくなりそうです。

入園予定者のための一日入園もやっておいた方がよさそうです。実際、一日入園を経験して、安心できたという先輩ママは多いよう。愛知県在住の30代のママAさんは、子どもを保育園に預けることが心配で仕事を辞めることまで考えたこともありましたが、一日入園を通じてある“決心”がついたと振り返ります。

「保育園選びのために見学に行った時は、施設や設備ばかり見ていたような気がします。娘を入れることにしたものの、やっと歩き始めたばかりで、しゃべることもできないわが子に集団生活ができるのかと心配でたまりませんでした。でも一日入園で、0歳児から通っている同じ年の子たちが兄弟のように関わり合いながら保育士さんと遊んだり、給食を食べたりしている姿を見て、幼い子なりに社会性が育つことを実感。年上の子たちが小さい子たちに優しく接していたのも、預けてみようと思えた大きな理由でした。保育園って小さな社会です。今、明るくたくましく育っているわが子を見ると、あの時思い切って保育園にやってよかったと思います」(Aさん)

入園までに、子どもが急に熱を出したり、インフルエンザやみずぼうそうなどの伝染性の病気になったりしたときの対応も考えておかなくてはいけません。近くの病児保育の施設だけでなく、ベビーシッターサービスなどにも登録しておくといいでしょう。さらに登園にはどの道を使うのか、登園の際、地震など緊急事態が起きたらどうすればいいのかについても、パパとママで一緒に確認しておきましょう。

 

子どものペースを大切に、大らかに見守ってあげましょう

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準備が必要なのは“新生活”を始めるわが子を見守る親も一緒。ママやパパが不安でいっぱいだと、子どもも安心して保育園に行くことはできません。どのように子どもや保育園、そして保育士さんと接するべきかについても考えておく必要がありそうです。

そこで、前出・宮里先生からこんなアドバイスをいただきました。

「入園式が終わったら、みんなそろって一斉にスタートできるわけではなく、一人ひとりにその子なりのスタートラインがあります。初めてのことへのアプローチの仕方やお友だちとのかかわり合い方は個人個人違うもの。物怖じしない子もいれば、見ているだけでなかなか輪に入れない子もいる。それが個性なんです。みんなと同じようにできないからと、子どもの背中を押すことはありません。気長にじっくりと見守ってあげれば、子どもは自分なりのやり方を身につけます。そうやって自分なりのやり方を、自分で身につける経験は大人になってから役に立つんです」

続けて、お茶の水女子大学こども園施設長の私市(きさいち)和子先生にもお話を伺いました。私市先生は、長年にわたって、たくさんの子どもや親御さんと接してきた経験から、ママやパパに対して「保育園を信じて、密なコミュニケーションを心がけて欲しい」と訴えます。

「私自身もかつて子育てをしたので、保護者の方の不安はよく分かります。でも心配ばかりしていると、子どもに伝わります。朝、お母さんと別れる時に子どもが泣いてたからって、一緒になって不安にならないで。保育士はプロです。まずは保育士や保育園を信用してください。そして、心配なことがあったら、何かを疑う前に保育士に相談してみてください。しっかりとコミュニケーションを取っていれば、大抵の問題は解決されるはずです。また、ママやパパが保育士さんと仲良く話している姿を見るだけでも、子どもたちは安心できるものですよ」(私市先生)

東京都に住む40代のママBさんも、保育士さんを信頼して、密にコミュニケーションを取ることの大切さを実感しているひとり。子どもの入園と同時に仕事に復帰し、育休中の毎日とは生活リズムが激変。怒涛のような毎日を保育士さんに支えられて乗り越えられたと言います。

「予想していたことでしたが、復帰当初は仕事が大変で……毎日、疲れ切ってお迎えに行っていました。ただ、先輩ママでもあった保育士さんは、いつも笑顔で待っていてくれて、『がんばりすぎないでくださいね』と声をかけてくれたんです。子どもを預ける以上は信頼しようと思ってはいましたが、本当にステキな方で助かりました。そうそう、彼女は息子の成長を連絡ノートにていねいに書いてくれて、それ読むとどんなに疲れていても、『がんばろう!』と思えたものです。連絡ノートは今でも私の宝物。いい保育士さんに巡り合えて、幸せでした」(Bさん)

1日の大半を保育園ですごすようになっても、子どもの笑顔が一番輝くのは、大好きなママやパパとすごす時間。だからこそ保育園以外の時間を大切にすることが大事だと宮里先生と私市先生は口をそろえて言います。

「朝の登園時に必ず回り道をして連れてくるお父さんがいました。子どもが工事現場でショベルカーを見てから保育園に行きたいというので、つき合っていたんですね。時間にして5分ぐらいですが、それがとても大切なことなんです。子どもの知りたい気持ちや興味につき合うこと。そのひと時は、子どもの可能性を育てるし、それがあることで園内での生活もスムーズにいくものです。つまり保育園での生活以外の時間を充実させることも大切なんですよね」(宮里先生)

「毎朝子どもを急かしながら、慌ただしく連れてきて、さっといなくなってしまうお母さんもいるけれど、ちょっとだけゆったりした気持ちを心がけて、『お母さんはお仕事に行ってくるね。○○ちゃんも保育園でいっぱい遊んでね』と笑顔で話しかけてあげてください。その一言だけで、まだ言葉をしゃべれない小さな子どもたちでも、園での一日を穏やかな気持ちで始められるものです。そのような子どもの気持ちに寄り添う小さな時間の積み重ねが、いい親子関係を作っていくのだと思いますよ」(私市先生)

 

いかがでしたでしょうか。この春、小さな足で新しい生活の一歩を踏み出す子どもたちを、準備万端整えて、精一杯応援してあげたいですね。また、保活が終わっていないご家庭の方もぜひ、入園が決まる前に、役割分担や通園方法など、ご夫婦でいろいろ相談しあってください。保活が終わってホッとしているうちに準備が進んでいない……なんてことになりませんように。備えあれば憂いなし、ですね。

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