【専門医監修】妊婦の冬のすごし方 2021年度版

変異株「オミクロン株」が出現し、国内でも新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されています。そこで本記事では、2020年1月以降に新型コロナに感染したプレママについてのデータを紹介しつつ、この冬をおなかの赤ちゃんと元気にすごすために気をつけたいことをまとめました。

記事の監修は、慶應義塾大学名誉教授で産婦人科医の吉村泰典先生です。

吉村泰典(よしむら・やすのり)先生のプロフィール
慶應義塾大学名誉教授 産婦人科医

1949年生まれ。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる一方、第2次~第4次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。「一般社団法人 吉村やすのり 生命の環境研究所」を主宰。

国内でコロナに感染した妊婦さんの実態とワクチンの効果

国内でコロナに感染した妊婦さんの実態とワクチンの効果

まずは妊婦が新型コロナウイルスに感染するとどうなるのかについて、現時点で公表されているデータをもとにまとめます。

日本産科婦人科学会では、2020年1月1日以降に妊娠中に新型コロナウイルスに感染したと診断されたプレママのうち、症例の登録に同意した180人のデータを解析して、2021年9月に中間報告(※1)として公表。

それによると、180人のうち、軽症だったのは133人(74%/軽症のうち無症状は17人、咳などの軽い症状があった人は116人)で、肺炎や呼吸困難で中等症Ⅰとされたのは19人(11%)、酸素投与が必要な中等症Ⅱは25人(14%)、重症になったプレママも3人(1.7%)いました。

COVID-19妊婦登録180人の重症度割合

報告書によると、プレママの感染は全患者数に比例して発生。年齢に関係なく、初期~中期~後期などを問わず全期間通じて見られますが、重症化リスクが高いのは、31歳以上で妊娠25週以降、診断時のBMIが26.3以上の肥満傾向のあるプレママとなっています。またぜんそくなど呼吸器疾患やアレルギー歴もリスクとなる可能性が指摘されています。

ただし今回の症例の中では、国内で、新型コロナ感染症で亡くなったプレママや赤ちゃんはひとりもおらず、新生児感染も起きていないということです。

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