“休む力”のある企業に学ぶ!(前編) 
安心して働ける環境が社内を活性化

ミキハウス編集部

子どもを生んで育てたい。そして、今やっている仕事も続けたい…。こう考える女性は多いでしょう。それを実現するためには、きちんと休むことができ、スムーズに復帰できる職場環境があることが何より大事です。家族の幸せは、ママの笑顔に支えられてこそ。先駆者的に仕事と子育ての両立を積極的にサポートする会社に、ママの笑顔のもとを教えてもらいます。

 

企業理念に基づいて…25年連続「有給休暇」取得率100%

有休取得100%を長年続けている「六花亭製菓株式会社」(北海道帯広市)。「マルセイバターサンド」やフリーズドライイチゴをチョコレートでコーティングした「ストロベリーチョコホワイト」などの人気北海道スイーツをつくる菓子メーカーです。

文化広報部の成田純子さんにお話を聞きました。1933年創業の同社で有休取得の取り組みが始まったのは、1989年のこと。当時は会社の規模が現在のおよそ半分程度だったそうです。

「当社のモットーは、『社員が心身ともに健康でなくては、おいしいお菓子はつくれない』です。けれど、以前は長時間残業も多く、体調を崩す社員もいました。会社が成長していくなかで、これではいけないと、社員全員の有休取得100%(※)を目標に。人員配置の見直し、それに伴う人員の補充、製造ラインの整備を進めていきました」

  • 社員全員が、1日以上有休を取得したという意味です。

 

「休み」の楽しさを共有することで得られるもの

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最初は取得率の悪い部署もあったそうですが、経営トップが直接責任者に話すことで、取り組みの趣旨をわかってもらい、初年度から取得率100%に。そして、今では有休4日分と休日を合わせ計7日間以上の休みを年に1回必ず取得する「長期休暇制度」のほか、「社内旅行制度」も設けています。

社内旅行制度とは、従業員6人以上が集まって行く旅行には、会社が旅費の8割を負担するというもの。「オンとオフの切り替えがはっきりして、仕事にもっと積極的に取り組める」「仕事以外の時間が充実することで、仕事への探求心がより強くなる」といった声が聞かれるそうです。たとえば、「一流ホテルに宿泊し、そこで感激したサービスを自分の働いている店舗で実践したり、海外で見つけたお菓子が新商品の開発の手がかりになったケースもあります」(成田さん)とのこと。

また、工場、店舗、同社運営の文化施設でも、それぞれ繁忙期が異なります。そのため、部署間の人事異動が頻繁に行われ、そのことによって個人個人の技術の幅が広がるチャンスを得ているそう。成田さんは「もともと家内工業から始まった会社なので、隣の人が困っていて自分の手が空いていれば手伝う、ということが当たり前の社内風土があります。このことと異動の発令が多い状況が重なって、社員がフレキシブルにスポット応援に行ける環境が整っているのだと思います。結果として、これも休暇取得や残業時間削減に大いに効果をもたらしています」と話してくれました。

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