パートナーを大切に思う気持ちで…
男性とともに考える「妊活」
吉村泰典さんインタビュー(後編)

「ミキハウスBCP」会員を対象に行った「妊活アンケート」では、2011年以降の出産経験者の中で「妊活」後に子どもに恵まれた人は、約7割。この中には、ライフスタイルや食生活を見直すといったものから、専門の病院で不妊治療を行った人まで様々です。日本の不妊治療を現場で見てきた、慶應義塾大学医学部教授の吉村泰典医師に、周産期医療の現実と妊娠、出産に男女がともに向き合うことの意味をお聞きしました。

吉村先生は長く産婦人科医師として第一線で活躍されていますが、日本の産科医療は世界的に見て、どんな水準にあるのでしょうか?

ここ十数年、高齢出産が増えてきて、医療技術もアップしています。高齢出産は合併症が多いので、医療者は大変気をつかいますし、技術も必要ですが、世界でも1、2位を争うくらい、子どもと妊婦の死亡率は低いです。
また、日本人の妊婦さんはまじめなので、出産前の検診にもきちんと通うし、行政の補助も充実しているところが多いので、危険を未然に防ぐことができています。

 

日本の不妊治療の特徴とは?

- 不妊治療に関しては、どんな特徴がありますか?

今、日本で年間に行われている体外受精は28万回と言われています。これは世界で1位の回数です。そして、32人に1人が体外受精で生まれた子とされていて、確率でいうと、約10%が妊娠に成功したとすることになります。

この値は、実は低いと言えます。技術は進歩していますが、不妊治療を受ける人が高齢であること、卵巣を強く刺激しないで採卵を行う「低刺激療法」が主流であることで成功率が下がっているんです。

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