心を育む最高の“相棒”…だけど心配も?
赤ちゃんとペットの「いい距離感」とは

2017.07.05

ミキハウス編集部

赤ちゃんを愛おしそうに見守る犬、寄り添って眠る赤ちゃんと猫。ネットにもテレビにも、赤ちゃんと動物たちのほほえましい写真や動画が溢れています。

ペットを飼っているご夫婦が赤ちゃんを授かったら、「うちのペットも赤ちゃんとあんなふうになるのかな?」と楽しみな気持ちの一方、「感染症やアレルギーの心配はないだろうか」と心配になる方もいるかもしれません。

もっとも、いろいろなメディアで、小さなうちからペットと触れ合うことの効用も取り上げられています。そういった心配よりも、「思いやりのある優しい子になってほしいし、命の大切さを感じるきっかけになればいいな」と前向きに考えているママ、パパも少なくないでしょう。

そこで今回は、ペットと暮らすリスクの「本当のところ」、または「望ましい距離感」について取材しました。

今回の記事のポイント
①ペットからの感染症を防ぐには?
②ペットが赤ちゃんを傷つけてしまう「事故」を防ぐには?
③ペットがいることのよい影響とは?

 

まずはペットの健康管理をしっかりと。その上での行動管理が大切

ペットは家族の一員 ――― こうした言葉もいまでは当たり前。事実、国内でペットとして飼われている犬と猫の合計数は、平成27年度時点の推計で、約2000万匹弱と言われています。快適な室内で、食べ物にも気をつかって飼育されている最近のペットの寿命は、30年前と比べるとおよそ2倍。結果、人とペットとの付き合いは長くなり、それに伴い関係性もより密接になっているようです。

日本獣医生命科学大学獣医学部の水越美奈先生によると、ペットを清潔な状態にして健康管理をきちんと行い、かつ口を舐めさせたりするなどの濃厚な接触をさけていれば、赤ちゃんに感染症などの心配はほとんどないそうです。

「予防接種とフィラリアの予防、内部寄生虫(お腹の虫)と外部寄生虫(ノミ、ダニ)の予防などをしっかりして、定期的な被毛の手入れで皮膚疾患を防ぎ、健康診断を受けていれば、ほとんど問題はないでしょう。また喘息などの原因にならないようお部屋に落ちたペットの毛などもお掃除しましょう。いずれにせよペットが健康であれば、赤ちゃんや小さい子に病気がうつる心配はかなり少ないといえます。しかし口の周りを舐めさせるなどの濃厚接触があったり、引っ掻かれたり咬まれたりすることで、犬や猫の口の中にいる常在菌が体内に入ると、免疫力の低い赤ちゃんはお腹をこわしてしまうこともあります。稀ですが、重い病気になってしまう赤ちゃんもいます。ほんのちょっと目を離したすきにこのようなことがおこらないようにベビーベッドを利用することは良い方法だと思います」(水越先生) 

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犬や猫に関わらず、小鳥やフェレットなどその他のペットについても、同様に健康管理と濃厚な接触をしないように管理してあげさえすれば、それほど感染症を気にすることはないようです。また、ペットを飼う上で感染症と同じくらい注意しなければならないことが他にもあると、先生は言います。

それは、ペットが赤ちゃんや子どもを傷つけてしまう事故。日本でもアメリカでもこうした事故の被害者の8割は、10歳以下の子どもだそうです。

事故はなぜ起きるのでしょうか。次の章で、どうしたら事故をなくすことができるかについて、先生に解説いただきます。

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