赤ちゃんもママ・パパも幸せにしてくれる
お歌の「歌い方」、「聴かせ方」とは

2017.12.14

ミキハウス編集部

お歌を歌うママ・パパをじっと見つめたり、リズムに合わせて体をゆすったりと、赤ちゃんはお歌や音楽が大好き。生まれたばかりの赤ちゃんも、お歌や音楽が聞こえてくると、泣き止むことだってあります。

お歌とは、赤ちゃんにとってどんな意味を持つものなのでしょう。音楽を聴かせることで赤ちゃんの成長によい影響があるのでしょうか。そして、赤ちゃんはどんなお歌や音楽を喜ぶのでしょう。

ミキハウス「出産準備サイト」では、そんなママやパパの疑問にお答えすべく、赤ちゃんと音楽に関する研究をしている玉川大学リベラルアーツ学部教授の梶川祥世先生にお話を伺いました。

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聞きなれたママやパパの声は赤ちゃんに安心感を与えます

赤ちゃんが泣きやなまない、なかなか眠ってくれないという悩みは、ほとんどのママ・パパが経験しているはず。ネット上にある「赤ちゃんが泣き止むお歌」や「赤ちゃんがすぐに寝つく音楽」といった音源(や動画)を試してみたという方も少なくないのではないでしょうか。

そもそも、赤ちゃんにとってリラックスできる“心地よい音”とはどんなものなのでしょうか。玉川大学の梶川先生は、こう述べられます。

「赤ちゃんが落ち着く音についての研究によると、38週目の胎児でも、ママの声が聞こえたときは心拍数が増加し、知らない女性の声では減少するという結果(※)が報告されています。つまり胎児でも“聞きなれたママの声”をちゃんと記憶し、そしてなんらかの興味を持っていることが伺えます。また、妊娠中のママが好きで繰り返し聞いている音楽を、(誕生後の)赤ちゃんは記憶していてじっと聞いたり心地よさを感じたりします。また好きな音楽を楽しんでいる時のママは、リラックスや爽快感を感じ、それが血流量や心拍数の変化にも表れます。その変化はお腹の赤ちゃんの状態に影響するので、好きな音楽を聴いて楽しむことは赤ちゃんにとっても良いことと言えます」(梶川先生)

胎教として聴く音楽はクラシック音楽がいいのでは、と思われがちですが、決してそういうことではないそうです。また生理学的、脳科学的に胎児や赤ちゃんにいい音というのがあるわけではなく、赤ちゃんがどんな音を好むとか、どのジャンルの音楽で赤ちゃんが落ち着くかということは、それぞれの赤ちゃんの環境で違うとのことです。

そしてなにより、ママ自身が心地よいと思う音楽を聴くことの方が、胎児にとってもよいとのこと。また、ママ(やパパ)がおなかの赤ちゃんに繰り返し歌いかけたり、話しかけたりすることで、赤ちゃんはその「音」を徐々に記憶し、心地よさを感じていくようになっていくのだそうです。

ママの歌声の効用は、赤ちゃんをリラックスさせるだけではありません。

「赤ちゃんは、ママの声で気持ちが落ち着くだけではなくて、ぼんやりした意識が活性化して、ワクワクするということもあるようです。ママの歌声と赤ちゃんのストレスとの関係を調べた研究で、コルチゾールというストレスと関係するホルモンの分泌量を測定してみたら、もともとストレス状態にあった赤ちゃんは、ママの歌声でコルチゾールのレベルが下がって、ストレスが軽減することがわかっています。一方、もともと分泌量が少なかった赤ちゃんは逆にちょっと上がるという結果が…。そこから推測して、ママの歌声には、コルチゾールをちょうどいいレベルにコントロールする効用があるんじゃないかということも言われています」(梶川先生)

お歌や話しかけは、場面によって声の響きを変えることで、赤ちゃんにいっそう好まれるものになるようです。例えば、子守歌はちょっと低めの声で、ふんわりと柔らかく歌うと赤ちゃんは落ち着き、遊び歌なら、高い声でにぎやかに歌うと楽しさが伝わり、赤ちゃんは喜ぶという研究もあるそう。

自分の子守唄で赤ちゃんが寝てくれたとか、声を出して笑ったとか、そんな成功体験を積み重ねると、ママ・パパは親としての自信がつき、子育てがますます楽しくなるでしょう。さっそく実践してみたいですね。

次のページ 言語や音楽を少しずつ学習しながら、赤ちゃんの社会性も育っていきます

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