子育てしながら「よりよい夫婦」になるための秘訣を “ひろっしゅコーチ”に聞きました!

子育てしながら「よりよい夫婦」になるための秘訣を
“ひろっしゅコーチ”に聞きました!

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11月22日は「いい夫婦の日」。結婚している人なら、パートナーとの関係を見つめなおすよい機会になる日です。

恋人同士だったときと違って、結婚して、さらに子どもができると二人の結びつきは形を変えるもの。家族になったことで関わりが深くなると同時に、小言をいってしまったり、相手の欠点が目についてしまったり……。

そんな全国のカップルに、笑いあり、涙ありの実話を披露しながら、日本全国で講演を行っている人がいます。それが“ひろっしゅコーチ”こと山崎洋実さん。中学生の男の子の現役ママでもありますが、コーチングの理論をベースに、よりよい夫婦関係と楽しい子育てのためのアイデアをユーモラスに語ります。

そこで今回は、ご自身の家族の話も交えながら、子育て世代の夫婦がハッピーに暮らすためのアドバイスをたくさんお聞きしました。

 

パートナーのことはついマイナスに見えてしまう!

「あなたは、どうやってほめられたらうれしいですか?」

この質問にみなさんはどう答えますか。私の講座ではグループワークで意見を出し合ってもらうのですが、とくに理由はなくても、「あなたってすごいね!」といわれるのがうれしい人から、「あなたが頑張ってくれたから助かった」「あなたと仕事ができてよかった」と自分が相手にどんな影響を及ぼしたかを示してくれて初めてうれしく感じる人まで、いろいろいらっしゃいます。

自分のパートナーが、どういう言葉でほめられたらうれしいかを知っていますか? ぜひ、今晩にでも聞いてみてください。意外な答えが聞けるかもしれません。相手のことって、理解しているようでそうでもなかったりするんです。

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たいていの夫婦は、子どもが生まれると関係性が変わりますよね。子どもがいることで家族としての結びつきが強くなり、相手がより身近な存在になります。いつも一緒にいるから距離が近いと感じます。

でも、距離が近くなればなるほど、ついマイナスの意味づけをしてしまう。おつき合いしているときは、自然とプラスの意味づけができましたよね? たとえば、部屋がいつもきちんと整っている彼に対しては、「清潔感があってきれい好きな人だわ」と思っていたけれど、実際に結婚してみると「男なのに細かいことを気にして、神経質だわ」というふうになる(笑)。つき合っているときは、自分にはない資質を見て魅力的に感じます。だって、自分にはないものだから。でも、結婚すると自分とは違うから理解できなくて、それが文句に変わるんです。

夫が迎えに来てくれたのだけれどケンカ 起こりがちな夫婦あるある!

実際にあった話をしますね。夏休みに夫の実家に里帰りしたときのこと、みんなで映画を見に行くことになりました。夫は家でやらなくてはいけないことがあったので、夫の両親と息子、私の4人がショッピングセンターの映画館へ。夫が車で送ってくれて、降りるときに「帰りも迎えにきてあげるね」と言ってくれました。私は「わかった、ありがとう」と答えました。

映画を見終わって「楽しかったね」と息子と話しながら、ちょっとショッピングセンターを回って、じゃあ帰ろうかとなったときに、私は夫を呼ばなくちゃいけないなと思ったんです。そしたら、義母が「タクシーで帰らない? 待っている時間が暑いし、わざわざ呼びつけるのも悪いし」と。じゃあ、そうしましょうかと、タクシーで帰ることにしました。

タクシーに乗りこんで、夫に迎えにこなくていいよと電話しようと思ったら、ちょうど夫から着信が。「もしもし、いまどこ?」というので、「いまタクシーに乗って交差点を曲がったところだから、あと5、6分で着くよ」と答えたんです。すると夫は「待ってるんですけど……」と。私は「もう出ちゃったから、戻ってもお金かかるし、もうすぐ家に着くから、すぐに帰ってきてね、よろしく!」と電話をきりました。

先に家に着いた私たちがのんびりしていると、夫が登場。ものすごい形相で、今までの結婚生活で見たこともないぐらい激昂して「いい加減にしろ!」と一言。「迎えにいくっていったんだから、タクシー乗るならなんで乗る前に電話の1本くらいできなかったんだ? 常識的な大人として!」といわれたのです。

では、問題です。これは誰が悪いと思いますか?

こういうことってどんな夫婦の間でもよくあることだと思うのですが、答えは「誰も悪くない」ですよね。なぜかというと、私たちはふだん自分の世界で生きていて、その中で当たり前で正しいと思う行動しかしていません。私は夫を不機嫌にさせるつもりはまったくありませんでした。いつもパートナーのことを陥れようと思っている人なんていないでしょ?(笑)

迎えにきてもらうことはお互いに認識していたけれど、それぞれの解釈があった。私は、「そろそろ帰るから迎えにきて」と連絡して、来てもらうつもりだった。けれど、夫にとっては、迎えにいくっていったのだから待っているものだという認識だったのです。自分は用事があって一緒に行けないからと彼なりに気をつかって、終了時間をネットで調べて迎えにきてくれていました。これも彼の気づかいだし、優しさ。けっしてケンカをしようと思って、先回りしていたわけではなかったのです。

つい「なんで?」という言葉が口から出ますよね。でも、みんな悪気なく、良かれと思ったことしかしていません。夫婦の間でいらいらすることがあるかもしれないけど、相手はそれなりに気をつかっていて、その人なりの世界があるなっていう視点で見てあげてほしい。「なんで?」という言葉は、過去に向かってできなかった原因を追求するもの。これって、あんまり意味がないのです。自分と未来は変えられるけど、過去と他人は変えられないから。

ただし「なんで?」の例外的な使い方があります。それは、ポジティブな結果に対して。「なんでそんなにうまくいったの?」「なんでいつも、そんなにテキパキできるの?」というときの「なんで?」は効果的で、コミュニケーションが弾みますよ!

 

夫婦はみんな戦っちゃう! 
最近パートナーに「ありがとう」と伝えたのはいつ?

子どもが生まれる前なら、パートナーと密接なコミュニケーションをとっていた夫婦も、毎日の生活に追われて、今はおざなりなんて場合も多いでしょう。

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妻からすると、結婚する前は夫が“センター”にいました。視野の真ん中に。でも、子どもができると、夫は研究生になっちゃう(笑)。夫から話しかけられても、おむつ替えのときだったら、彼のほうなんて見ていない。会話が「あれやって、これやって」と指示や命令ばかりになったり、「なんでそんなことしたの?」という行動のダメだしばかりになったりします。

そして、感謝を伝えなくなるのです。家族になると、いわなくても許されると思ってしまう。お母さんだったら、子どもである自分のことは許してくれますもんね。だから、夫だったら、妻だったら、わかってくれると思ってしまいます。家族だから甘えがあるのです。

わかってくれるかもしれないけど、「それはあなたに支えられているからなのよ」という根底の部分を伝えなくてはダメ。「私はあなたのことを頼りにしているんだよ」「あなただから甘えているんだよ」という気持ちを伝えなくちゃ。日本には「以心伝心」という言葉があるように“言わぬが花”を重んじる文化があって「いわなくてもわかってほしい」と思ってしまいがちです。

感謝の気持ちは伝えること。先ほどお話した、パートナーの“好きなほめ方”を織りまぜて、ぜひ伝えてみてください。パートナーが「あなたと仕事ができてよかった」といわれたいタイプの人なら、よい影響が自分にあったことを示して感謝の言葉をいうといい。たとえば、「朝ゴミ出してくれたよね。本当に助かった。ありがとう」という感じです。

私の講座には、ママ、パパの両方で参加することができるものがありますが、それにママ一人で参加する人もいます。そういうママが家に帰ったときに、「今日、けっこうパパが来ていたよ」と嫌味っぽくいってしまったりする人もいるかもしれません。でも、そうではなくて、「今日は子どもと留守番してくれてありがとね。今度はあなたと一緒に行きたいな」といえばいいのです。「よそのパパは来てたな、うちも夫婦で参加できたらよかったな」っていうのが、本音なんですから。

夫婦はみんな、戦っちゃうんです。負けたくないという気持ちが働いてしまって、自分ばかりが甘えたり、素直な心でいるのが嫌みたい。ウソでもいいから(笑)、お互いに「あなたのおかげ」と言ってください。いわれて悪い気がする人はいませんよね。

パパになかなか「好き」といえない… 
愛は必ず戻ってくるから気持ちを伝えて 

最近は、FacebookなどのSNSでほかの家庭のようすがわかりますよね。「今日は、うちのパパが子どもの面倒をみてくれました!」とか、今まで見えなかった、他人の夫婦関係が見えるようになりました。でも、これは良いことしか上げていません。だから、他者と比べる必要はないのです。

最後に、みなさんに宿題を出しましょう。

それは、「パートナーに“好き”と伝える」です。

講座でも宿題にするのですが、だいたい3分の2の人がいえません。タダだし、減るものでもないし、相手も嫌がらないですよね。適当にいえばいいのですが、いえない。私なんて乱用して芸みたいになっていますけど、夫はまんざらでもないみたいです。

愛はブーメランなので、必ず戻ってきます。いま投げたから、いま戻ってくるというわけではありませんが、いつかは戻ってきます。先に投げてもらったほうがうれしいから、相手が投げてくれるのを待ってしまうかもしれませんが、来る前に自分が投げる。相手は変えられないから、自分が変わるほうが早いし、相手が変わらないのを待ってストレスになるなんて嫌でしょ? 

今回、いい夫婦の日にちなみいろいろなことをお話しました。

  1. 1夫婦だからといって「マイナス」の意味づけばかりしない
  2. 2パートナーの“世界”を理解する
  3. 3「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える
  4. 4感情のシェアをしよう
  5. 5パートナーに「好き」といおう

大きくまとめてみると、こんな感じですが、全部やろうと思わなくていいです。5つのうちのひとつだけでもいいから、ぜひ、実践してみてください。

 

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【プロフィール】
山崎洋実(やまさき・ひろみ)
通称ひろっしゅコーチ。ライフコミュニケーションコーチ。「Fine-Coaching」主宰。

1971年静岡県生まれ。大手英会話学校勤務を経て、2000年にコーチングを体系的に学び、仕事で培ってきたスキルがコーチングだったことを知る。出産後、コーチングを基本にした独自のママ向けプログラムを開発。2004年「ママのイキイキ応援プログラム」(ママイキ)を身近なママ友に伝えはじめ、今では全国で講座を開く。夫、中学2年の長男と3人暮らし。

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