ミキハウスは「いま妊活をしている」「将来妊活をしたい」など、妊娠に向けて前向きに取り組んでいる人、取り組みたいと思っている人に向けて、1日限りの講座を開きました。題して「今日からはじめる妊活」。10月10日の昼下がり、会場となったのは、東京・下北沢の本屋B&B。店内イベントスペースは、限定50席のチケットをゲットした参加者で埋まりました。

講師の細川モモ先生と吉村泰典先生
講師は、長く周産期医療の現場で新しい命の誕生に関わってきた、慶應義塾大学医学部教授の吉村泰典さんと、ミス・ユニバース・ジャパンのオフィシャルトレーナーで栄養コンサルタントの細川モモさん。それぞれの専門分野から「正しい妊活」についてのレクチャー、アドバイスを送り、お二人が意気投合する場面もありました。
1時限目「数字で見る妊活」

妊活経験者の割合に会場からどよめきが。
まず、1時限目は「数字で見る妊活」。8月にミキハウスが行ったアンケート結果をもとに今の妊活の実態が発表されました。妊活を行い妊娠に至った人が69.4%、妊活をスタートした年齢は平均35.7歳、妊活期間は平均15ヶ月。吉村先生は、どれも高い数字だと感想を。女性のからだと妊娠、出産に関する教育を若いうちから人々が受ける重要性を説いていました。
2時限目は「今日からはじめる妊活」
何から始めたらいいかわからないととまどう人も多い妊活ですが、栄養学的観点から細川先生が講義。最初に「妊活は、妊娠することだけでなく、元気な赤ちゃんを産むことがゴール」と話しました。近年、若い女性はダイエットに走る傾向があり、第二次世界大戦後の日本人より摂取カロリーが300Kcalも落ちているとのこと。飽食の時代と言われながらも実際には栄養不足に陥っている人も多く、これが一因となって「少子化」だけでなく、子どもが小さく生まれる「小子化」の問題が起きていることも指摘しました。また、将来妊娠したいと考える女性には適正な体脂肪量、筋肉量が必要とも。妊娠する前から、栄養バランスのとれた食事と、日常生活の中でよく歩いたり、階段を上り下りするなどのちょっとした運動を心がけることが大切なんですね。

日本の不妊治療の第一人者 吉村泰典先生
日本の不妊治療の第一人者として吉村先生は、実際に不妊に悩み病院を訪れるカップルについて話をしました。排卵日や排卵日近くで性生活をもつことをすすめる「タイミング療法」で妊娠する人たちも多いとのこと。ただ、男性の中には「子どもは欲しいと思っていても、排卵日だといわれると家に帰りづらくなる人もいる」(吉村先生)という話も。カップルでよく話し合って、どんな人生設計、どんなファミリープランを立てるかも大切なよう。吉村先生は、「病院へは必ず二人そろって行くこと」とアドバイスしました。
参加者は意外な現実に驚いたり、先生方の言うことに深くうなずいたり、大半の人がメモを取りながら真剣に講義を聞いているのが印象的でした。3時限目の質疑応答の時間も、ピルについて、食生活の乱れに関する質問などが出て、お二方がていねいに説明し、さらなる学びの機会となっていました。
イベント後参加者にお話を聞くと、「初めて知ることが多かった」「食生活の改善など今日から始めてみようと思う」(どちらも20代女性)という人や、「妊娠は男性も関わっているという話が印象に残った」(50代女性)、「今日の話を若い世代の女性、男性に伝えていきたい」(40代女性)という感想も。
妊活を大きな枠でとらえると、若い人たちだけでなく、すべての年代の男女に関わる問題であり、希望に満ちた未来は私たち一人一人が担っていると言えそうです。今後もミキハウスでは、いろいろな学びの時間を設けていきたいと考えていますので、どうぞお楽しみに!
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