何から始めたらいいかわからないととまどう人も多い妊活ですが、栄養学的観点から細川先生が講義。最初に「妊活は、妊娠することだけでなく、元気な赤ちゃんを産むことがゴール」と話しました。近年、若い女性はダイエットに走る傾向があり、第二次世界大戦後の日本人より摂取カロリーが300Kcalも落ちているとのこと。飽食の時代と言われながらも実際には栄養不足に陥っている人も多く、これが一因となって「少子化」だけでなく、子どもが小さく生まれる「小子化」の問題が起きていることも指摘しました。また、将来妊娠したいと考える女性には適正な体脂肪量、筋肉量が必要とも。妊娠する前から、栄養バランスのとれた食事と、日常生活の中でよく歩いたり、階段を上り下りするなどのちょっとした運動を心がけることが大切なんですね。
日本の不妊治療の第一人者 吉村泰典先生
日本の不妊治療の第一人者として吉村先生は、実際に不妊に悩み病院を訪れるカップルについて話をしました。排卵日や排卵日近くで性生活をもつことをすすめる「タイミング療法」で妊娠する人たちも多いとのこと。ただ、男性の中には「子どもは欲しいと思っていても、排卵日だといわれると家に帰りづらくなる人もいる」(吉村先生)という話も。カップルでよく話し合って、どんな人生設計、どんなファミリープランを立てるかも大切なよう。吉村先生は、「病院へは必ず二人そろって行くこと」とアドバイスしました。
参加者は意外な現実に驚いたり、先生方の言うことに深くうなずいたり、大半の人がメモを取りながら真剣に講義を聞いているのが印象的でした。3時限目の質疑応答の時間も、ピルについて、食生活の乱れに関する質問などが出て、お二方がていねいに説明し、さらなる学びの機会となっていました。
イベント後参加者にお話を聞くと、「初めて知ることが多かった」「食生活の改善など今日から始めてみようと思う」(どちらも20代女性)という人や、「妊娠は男性も関わっているという話が印象に残った」(50代女性)、「今日の話を若い世代の女性、男性に伝えていきたい」(40代女性)という感想も。
妊活を大きな枠でとらえると、若い人たちだけでなく、すべての年代の男女に関わる問題であり、希望に満ちた未来は私たち一人一人が担っていると言えそうです。今後もミキハウスでは、いろいろな学びの時間を設けていきたいと考えていますので、どうぞお楽しみに!
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