一生残しておきたい写真&動画はありますか? プロ直伝! 子どもの笑顔を上手に撮影する“秘訣”とは

一生残しておきたい写真&動画はありますか?
プロ直伝! 
子どもの笑顔を上手に撮影する“秘訣”とは

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「一生残しておきたい」と思えるお子さんの写真、動画はありますか? カメラを向けると急に子どもの表情が固まったり、泣いてしまったりで、なかなかいい笑顔を残せず困っているというママ、パパも少なくないのではないでしょうか。

まず、こちらの動画をご覧ください。

これは、ミキハウスの新作CMの撮影現場を収めたメイキングムービー。どんな赤ちゃんの日常にもある、たくさんの笑顔を集め、一本の作品にする様子が描かれています。“癒される、何度でも観たくなる、かわいすぎる!”とSNSでも話題になったCMですが、どうやったらこれほどの愛らしい笑顔をカメラに収めることができるものなのでしょうか?

そこで、本作で監督を務めた、映像ディレクターの井上良さんに、自然で愛らしい表情を撮影するコツをお聞きしました。

 

事前の準備を! 赤ちゃんがかわいく撮れるシチュエーションを考える

――CM撮影の現場は、多くの機材があったり、見知らぬスタッフに囲まれたり、赤ちゃんにとっては落ち着かない環境だと思うのですが、井上さんは非常に自然な笑顔をカメラに収めています。何か特別なテクニックはあったのでしょうか?

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井上: いえいえ、実はこんなにたくさんの赤ちゃんを撮影するのははじめてで、特別なテクニックはなかったのですが、今回自分の中で狙っていたのは「表情が変わる瞬間」でした。一口に赤ちゃんといっても、それぞれ性格や特性みたいなものがあって、撮影中もおもちゃに反応する子、音に反応する子、大人の動きに反応する子などいろいろいました。たとえば音や大人の動きに反応する子の場合、カメラの右側にお母さんにいてもらって、その反対側で僕がちょっと動いてみたり、音を鳴らしたりすると、赤ちゃんがパッと振り返って笑ってくれたりするんです。それがまたかわいくて…。

――表情が変わる瞬間をとらえるのは、いいアイディアですね!

井上: はい、顔が明るく生き生きした瞬間を捉えたかったので。今回このお仕事で僕が一番大切だと思っていたことは、とにかく赤ちゃんをかわいく撮ること。まず、どんなことを赤ちゃんがやっていたらかわいいのかということを可能な限り考えました。
そのため、お風呂に入る、ブランコに乗る、キッチンの道具を楽器のように使うなどあらゆるシチュエーションを想定し、準備しました。最初の撮影は、男の子がベッドでつかまり立ちをしているシーンでしたが、ベッドの外へ出たいというポジティブで好奇心旺盛な場面が表現でき、そのうえたくさん声の出る元気な子だったので、幸先のいいスタートでした。

――自分のお子さんを撮るときも、シチュエーションを考えてみるというのは大事なことかもしれませんね。

井上: そうですね。赤ちゃんを撮影するときは、実は“予想”することがとても大事です。
さっきこう動いたから次こっちに来るだろうということをイメージしてカメラを構える。
それがイメージ通りになった時はいい画が撮れた時です。

――赤ちゃんの動きを予想するわけですね。それを考えながら撮るのも楽しいでしょうね。

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井上: そうですね。また、予想通り動かなくても、偶然に「いい画」が撮れることもあります。赤ちゃんの撮影は、ドキュメンタリー作品を撮るようなものだと思っていて、撮れたものがすべてリアルな作品となります。逆に、子どもが言葉を理解するようになると、意識してポーズをとったりするので(それはそれでかわいらしいのですが)、本当の“素”の姿を撮影するには、赤ちゃんの頃に限られるのかもしれません。

――たしかに親の要求どおりに動いてくれないから、撮影に困ることもありますが、逆にそれが醍醐味でもあると。

井上: ええ。彼ら、彼女たちが好きに動く、その姿を撮るとういうことがすごくおもしろいんだと思います。今度はこちらに顔を向けるだろうなと予想して、「あ、向いた」という瞬間を撮る。撮影者としては、そういう喜びがあります。

 

写真撮影の場合は「連写機能」が便利!

――ちなみに動画ではなく、写真を撮影するときに注意したいことは何かありますか?

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井上: とにかく連写してください(笑)。いい表情が撮れそうだなというときに待ち構えていて、来た!と思ったら、タタタタタと連写。一発で撮るというのは、非常に難しいですね、目が半開きになっちゃってたり……。

――たしかに、そういうことはありますね(笑)。

井上: そうならないためにも、動画を撮影する感覚で、ここからここまでの動きを全部撮るという気持ちで連写してください。連続で撮ったものを後で見ると、こんな表情をしていたのかと驚くこともあると思います。たとえば、下を向いておもちゃで遊んでいた子が、上を向いてパッと目を開けた瞬間とか、パパ、ママが意識していなかった表情を捉えられる時があります。

――まだ小さい子を撮るときは、撮影場所が自宅ということも多いと思いますが、どんなことに気をつけたら素敵な写真になるでしょうか。あまり広い場所がないということも多いと思うのですが。

井上: ご自宅で、自然光がきれいだと思う場所はどの家庭にもきっとあると思います。明るすぎない、やさしい光が入る場所、そして時間帯を探してみてください。直射日光だとまぶしすぎて、濃い影が出てしまうので、レースのカーテンを1枚引いたりして調整すると、やさしい光が赤ちゃんに当たってかわいく見えると思います。
屋外なら、木の下などの木漏れ日が射すようなところもいいですね。光を柔らかくしてあげたほうが肌の質感もよく見えます。基本的に赤ちゃんが快適に過ごせる場所は、撮りやすい環境だといえると思いますね。

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――快適な環境だと赤ちゃんの表情も柔らかくなりそうです。

井上: そうですね。そんな場所で興味のあるもの(おもちゃとか)を持たせて、夢中になっている瞬間を撮ってあげるといいですね。たとえばパパがカメラを構えて、ママが声をかけてあげると、今回のCMのようなドキュメンタリー風に、子どもが自然に楽しんでいる姿を撮りやすいでしょうね。

――ママとパパのコンビプレーが必要になってくると。

井上: そうですね。あと、おすすめのシチュエーションとしては食事の風景。赤ちゃんが食べ物をぐちゃぐちゃにしながら食べているのって、小さいときだけなので僕はすごくかわいいと思うんです。食べることって赤ちゃんにとって重要な仕事で、一生懸命な姿はそれだけで画になると思います。是非、ご自宅でベビーチェアに座らせて、実際に食べているところを撮影してみてください。

――最後に、たくさんの赤ちゃんを撮影し終わって、どんな感想を持たれたか教えてください。

井上: 僕にはまだ子どもがいないのですが、ずっと笑っていて、生まれつきハッピーというか、こっちまで思わず笑顔になっちゃう子って本当にいるんだなと思いました。かと思うと、気難しそうな子もいましたが、そんな子が少し笑っただけでも僕たちをハッピーな気分にさせてくれて……。今回のCMには「笑って泣いて愛されて、ただそれだけでキミはすばらしい」というコピーを入れたのですが、本当に赤ちゃんっているだけですばらしい存在。そんな存在そのものがすばらしい赤ちゃんの“二度とない瞬間”をぜひカメラに撮って、一生の宝物にしてください。

 

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【プロフィール】
井上良(いのうえ・りょう)
映像ディレクター。1975年生まれ。イギリスの「THE LONDON FILM SCHOOL」で学ぶ。テレビCM、ウェブCMなどの制作に携わり、東京インタラクティブアワード、広告電通賞など受賞歴多数。

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