【座談会】日本在住のグローバルママに聞きました!
日本は子育てするのに、良い国? 厳しい国? part 2

2014.10.08

ミキハウス編集部

少子化が進む日本。その理由の一つに、「子どもを育てる環境が整っていない」ことを挙げる人も多いでしょう。しかし、日本人だけの視点では状況を客観的に評価できない部分があるかもしれません。そこで、今回は日本在住のニュージーランド、スウェーデン、ロシア、中国出身のママたちに、母国の子育て支援の状況や、実際に日本で子どもを産み、育てるなかで感じたことをうかがいました。
「出産するなら絶対日本がいい!」と盛り上がったpart1に続き、part2のテーマは「産後の子育て」について。まずは「なぜ日本人は里帰り出産するの?ありえない!」という話で盛り上がります。そこには、日本と海外で何の違いがあるのでしょうか。

里帰り出産はありえない!? 夫婦で産んで、ふたりで子育て

――それでは、出産し、いよいよ日本で子育てを始めていくなかで、母国と違うと感じた点、驚いた点についてうかがいたいと思います。また、母国の子育て支援の制度についてもあわせて教えていただけますか?

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ウルリカさん:日本では、産後はとにかく安静にしておくようにと言われますが、スウェーデンでは、出産した当日、もしくは翌日に退院します。そして出産直後からすぐに手厚いサービスが始まります。まず、助産師が自宅を訪問してくれますし、夫も2週間の産後休暇を取得することができます。それらのサポートを利用して、産後は夫と自分と子どもとの新しい生活を開始します。男性も育児休暇を必ず取りますから、家族だけの新生活をとても大切にします。なので、里帰り出産なんてありえない!夫婦ふたりの子どもなんだから、ふたりで産んで、ふたりで子育てに慣れていかなきゃ。

ジェシカさん:ニュージーランドもスウェーデンと同じで、出産当日か翌日に退院します。もし1泊することになっても、多くの場合、ニュージーランドの旦那さんたちは2~3週間の休みをとってくれますから、必ず一緒に病院に泊まってくれます。また、「プランケット」という民間の総合子育てサービスがあって、赤ちゃんが生後1か月になるぐらいまで、助産師さんが自宅に来て、赤ちゃんのチェックはもちろん、ママの心のケアまで幅広く手助けしてくれます。「産後鬱」などの心の病は、深刻な事態になる前にカウンセリングなどで予防できるものなので、早い段階でのケアを大切にしていますね。

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エレナさん:ロシアでは産後の退院時には、家族や友達がたくさん来て、みんなでお祝いしてくれます。それに、パパからママへ「頑張ったね」と指輪のプレゼントもあったり。ただ、「生後しばらくは赤ちゃんの顔を家族以外の人に見せてはいけない」と古くから信じられているので、退院時のお披露目以降は1か月くらいまで家には誰も招きません。これは、感染症から赤ちゃんを守るという意味もあるのかもしれません。その代わりに、お医者さんが週2回来て赤ちゃんを診てくれます。

蘭華さん:中国では、あまり国をあげてのフォローはありませんね。おじいちゃんやおばあちゃん、兄弟などの親戚一同で子どもの面倒を見るという意識が強いからかもしれません。 
              
――アジア以外の国では、出産直後から子育ての支援体制が比較的整っているんですね。

ジェシカさん:ただ、私が暮らしている埼玉県のさいたま市では、助産師さんが生後28日以内の赤ちゃんがいるママで、希望する人の家を訪問してくれるサービスがあります。先日利用したのですが、赤ちゃんのことをじっくり診察して、私自身の健康や心の状態についても詳しく確認してくれました。母子ともにケアするという配慮を感じましたね。住んでいる地域によって利用できるサービスは異なりますが、使い方によっては日本もニュージーランドも実はそう変わらないのではないかと思いました。日本も変わってきている部分があるんじゃないかな。

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