保活ってどうやってやればいいの? そう悩まれているママ・パパも多いのではないでしょうか。2017年のピーク時から比べると、待機児童は5分の1にまで減ってきているといわれていますが、それでも保活をしなければ希望の保育園に入れられない地域も少なくないのが実態です。そこで本記事では、実際に保活をする際の進め方、点数の出し方などについてまとめました。
保活の進め方
基本的な保活の進め方を解説します。細かい部分については地域差もあるので、実際に進める際はお住まいの自治体HPで情報が確認できますので、そちらをチェックしてくださいね。
ステップ1 :〈情報の収集と整理〉
地元自治体の役所で、最新の入園ガイドと申請書類一式を入手しましょう。申請書類等はホームページからダウンロードはできますが、実際に役所を訪れることで、サイトには掲載されていない役立つ情報を聞き出すこともできるかもしれません。
自宅から通える範囲の保育園もリストアップしてみましょう。行きたい順を決めるのではなく、この段階では候補を多く持つこと、できるだけ選択肢を多めに出しておくことが大事です。なお認可外の保育園は自治体の公式情報に掲載されていないこともあるため、ウェブを利用するなどして情報収集しましょう。
情報収集の手段として忘れてはならないのは、先輩ママ(やパパ)の意見。ミキハウスでも「ミキハウス・カフェ」という小さな子どもを持つママがリモートで集まるコミュニティを運営しています。こうしたコミュニティに参加してみるのもいいでしょうし、SNSなどでも、先輩ママの体験談などが語られている投稿などあるので、参考になるかもしれません。
あとは同じ地域にお住まいのママ・パパが知り合いでいる場合は、直接相談してみるとよりリアルな実態が把握できるでしょう。近所に知り合いがいない方もいらっしゃると思いますが、休日にお近くの公園や遊び場に行けば子連れの先輩ママやパパに出会えるはず。
勇気を持って「実は保育園選びで悩んでいて…もしいろいろ事情をご存知でしたら教えてください」と相談してみたら、ウェブやSNSでは聞けなかったような、リアルな意見や園の雰囲気など貴重な情報を得られるかもしれませんよ。
あとは最初の段階で「点数」を自己採点しておくとよいでしょう。自治体のウェブサイトなどを参考に、自分の家庭が認可保育園へ入園するのに必要な点数を計算できます。点数についての詳細は、後半の章でまとめます。
ステップ2:〈候補の保育園を見学してみる〉
通園可能な保育園の中から、見学してみたい園に見学の申し込みをしてください。認可外の場合、先着順で申込を受け付けていることも多いため、早めに見学しましょう。
見学では、園の雰囲気や子どもの様子、保育士の子どもに対する接し方、子どもの安全が守られている体制となっているのかをしっかり把握・確認しましょう。最終的には「ここに自分の子を預けたいと思えるか」が重要になってきます。
ステップ3:〈役所で点数の確認をする〉
役所で、申込みに必要な“条件”を確認しましょう。自分で計算した点数が正しいかどうか、希望する保育園に必要な点数に足りているか、または新設の保育園があるかについて尋ねてみてください。 必要な申込書類を事前に準備しておきましょう。急な書類の要求にも対応できるよう、早めの準備が重要です。
ステップ4:〈申し込み先を選定して手続きをする〉
申込書の入園希望欄には子どもを入れてもいいと思った園、ならびに実際に通うことができる園を記入するようにしてください。また、希望する園の過去の最低点数と自分の点数を比較することも大切です。
なお点数の計算方法は自治体により異なります。事前に、自治体のガイドラインを確認しておいてください。
ステップ5:〈審査結果→入園準備or代替案の検討〉
内定通知が届いたら、入園準備を進めます。希望の保育園に入れない場合は、以下の選択肢が考えられます。
①他の園の二次募集に申し込む
②認可外保育園に入園を申し込む
③ベビーシッターなどのサービスを検討する
④育児休業の延長などの可否について、会社に相談する
点数はどうやって出すもの?
選考基準となる「点数(指数)」は「基準指数」と「調整指数」の合計で計算されます。同じ点数だった希望者同士は、優先順位によって順位付けされ、優先度の高い希望者から入園できることになります。
順位付けの基準は、公表している自治体と非公表の自治体があります。一般的には、自治体の居住歴の長さ、世帯年収の少なさ、子どもの多さ、などで優先順位が決められることが多いようです。
■基準指数(点数)
フルタイム勤務かどうかなどの就労状況や健康状態、介護が必要な家族の有無など、保護者の基本情報をもとに入園の必要性を数値化したもの。
■調整指数(点数)
基本指数(点数)に対し、家庭の状況にあわせて加点・減点して調整する点数。たとえば「希望する保育園に兄弟姉妹が在園中」、「既に無認可保育園やベビーシッターを利用している」などは加点で、「同居の祖父母がいる」などは減点となる自治体もあります。
基本指数(点数)と調整指数(点数)の総合点が「点数」となることは全国共通ですが、各自治体によって点数の配点などは異なります。
自分の住んでいる自治体が、どのような配点ルールなのか、自分の持ち点は何点なのかをしっかり把握しておくとよいでしょう。
「保活の進め方 ステップ3」でも紹介しましたが、自分で算出した点数は必ず役所の窓口で確認しておくこと。点数は入園希望者の自己申告ではなく、入園申し込み書類を元に自治体側で算出され、それに基づいて選考が行われます。自己採点した数字が間違っていたために、希望通りの園に入れなかった…なんてことになったら大変です。
大事なことなので繰り返します。資料を元に自分で点数を算出したら、居住地域の役所に出向いて、担当者に必ず点数を確認してもらうようにしましょう。
保育園は長いときは、1日10時間以上もすごす“もうひとつの家”。わが子が幼児期の多くの時間を、そこで生活することになると考えたら、保育園選びにも力が入りますよね。希望通りの園に入れるかどうかは地域差もありますが、お子さまが、本当に楽しく、健やかにすごせる保育園に入れることを、心から願っています。