やすのり先生の子育て回顧録(1)
コウノトリが幸せと試練を連れてきた……

やすのり先生こと、慶應義塾大学医学部名誉教授の吉村泰典医師は、産婦人科医として、今まで約40年活躍してきました。自分の仕事を全うしながら、奥さま以上に子育てに奔走。まさに“元祖イクメン”の名にふさわしく、父親として、子育てと仕事を両立してこられました。そんな“やすのり先生の子育て回顧録”第1回をお届けします。

大学を変えるとまで……親の反対を押し切って学生結婚

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女房とは慶應義塾大学の医学生同士で、1年生のときから付き合っていました。ところが4か月くらいたった頃、電話もできない状況に。彼女の親が交際に反対して、「吉村君みたいな人と付き合ってはいけない」と。同級生だと大学で会ってしまうからと、彼女が北海道の医大に移るという話も出た。それくらい反対されたんです。

僕のこと、よほど嫌いだったのでしょうね(笑)。けれど、二人とも別れる気がなかったので、「そんなに言うなら、早く結婚しなさい」という流れに変わって、結局、学生結婚しました。だから、女房は「大恋愛だった」と今でも言いますよ。

医師の国家試験の前、女房のオヤジに胃がんが見つかって、女房は心配して、ちっとも勉強ができなかった。僕が励まして一緒に勉強したという思い出もあります。

試験に通ったからといって一人前の医者になるまでには、時間がかかります。最初の数年はフレッシュマンとして研修する立場にあるので、しばらくは子どもをつくらないでおこうとファミリープランニングをしました。そして、僕が28歳で、彼女が26歳のときに妊娠、出産。結婚してから5年目のことでした。

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