“残念な夫”が招く?
「産後クライシス」を回避するには

ミキハウス編集部

世間の“残念な夫” 妻からパートナーへのイライラの声

実際に、2歳までの子どもをもつ育児期のママたちに取材してみると、次のような声が聞こえてきました。

「共働きで子どもは保育園に通っていますが、夫が毎日やってくれることはその送り迎えだけ。平日の家事は全部私です」(40代)

「夫は趣味のために、休日は朝から夜まで出かけることも。お酒を飲んで帰ってくることもあって、正直長すぎるなと思っています。私だって、子ども抜きでたまには出かけたいです」(40代)

「離乳食の娘に私がご飯を食べさせていると、夫の食事が先に終わるんです。でも『代わろうか?』の一言はなし。上の子も食べているのに、一人ソファでゴロゴロしはじめるのはなぜかしら」(30代)

核家族という形態の中で、役割を分担している家庭が多い日本。実態としては、妻の側にかかる負担が大きいことは否めません。しかし、お互いの努力次第で子育て期間をもっと快適に乗り越えることは可能です。本来、子育てはカップルの絆を深められる、とてもポジティブな営みです。それなのに、クライシスとなってお互いの間に亀裂が入ってしまっては、妻と夫はもちろん、子どもにとっても幸せなことではありません。

菅原先生は、産後クライシスに陥らないためには、お互いのプライベートな時間や活動を尊重すること、そして、毎日やらなくてはいけない家事や子どもの世話などの賃金の発生しない「ワーク」について、きちんと役割分担することが重要だと言います。

「夫も妻も、自分自身のための活動である『ライフ』の時間を持てること。それをお互いに大切に思うこと。子どもが小さいうちは、なかなかひとりの自由な時間を持つのも大変ですが、ほんの短い時間でもそれがあるのとないのとでは大きく違います。また、具体的な役割分担をしていく際には、ぜひ“外部サポート資源”の有効活用を積極的に取り入れるようにしてください。外部サポートというと、おじいちゃんおばあちゃんや、保育所などの施設を思い浮かべると思いますが、それだけではありません。ベビーシッターや、家事の代行サービス、食材や日用品のネットショッピングの活用など、一昔前に比べるとずいぶんと選択肢の幅は広がっています。また、日々夫と妻が情報交換を綿密に行っていれば、自分たちが抱える問題点と解決方法がはっきりと見えてきます。結果、夫婦間の会話も増え、子どもの毎日の様子を妻から聞くことで、父子間の関係性にも大きく影響します」(菅原先生)

夫が父親として子どもと過ごす時間を楽しみ、父子間のリレーションシップがうまくいっていれば、妻は安心して夫に子どもを委ねることができるので、そのぶん自然と負担が減ってきます。これが、家族全体の関係をよくすることにつながるのです。

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