子どもをバイリンガルにするには?
――日本人のためのオールイングリッシュの保育園を訪ねて

2015.07.21

ミキハウス編集部

幼少期のうちに、脳に“英語の部屋”を作ることが大切

こちらの保育園には、「子どもをバイリンガルにしたい」と強く願うパパ、ママ以外にも「家で英語のDVDを何度も繰り返し、楽しそうに見ていたから」「いろんな国の文化に触れてほしいから」「将来どうなるかはわからないが、せめて子どもが英語嫌いにならないように」と考え、通わせはじめる親も多いとのこと。また、仕事をしている母親が多く、「純粋に近いから」という理由でこの園を選んだ人もいるそうです。

桜井さんは、この園で過ごすことで日本人の子どもの脳にも“英語の部屋”を作ることができると話します。

sunrise_04

「7歳くらいまでが“脳の臨界期”といわれていて、とくに語学の習得は、早い時期の方が吸収がよいと言われています。早い時期に頭の中に英語の部屋を作ってあげるかどうかで英語の習得の差がでます。中学生になってからでは、脳が日本語で大半を占められているため、残りのわずかな部屋に英語を詰め込まざるを得ないのです」(桜井さん)

つまり、これは英語で考え、感じる能力が備わっているということ。たとえば、外資系企業に勤めるバイリンガルの場合、仕事のことは英語で、それ以外のことは日本語で考えるという人がいます。このことを可能にしているのは、その人の脳に日本語の部屋と英語の部屋があるため。大人になってから英語を学ぼうとすると、「言語に関しては日本語の部屋が大半を占めているため、小さな部屋に詰めこむ状況になるのです」と桜井さん。

また、この園で習得するのは言葉だけではないようです。桜井さんがこんな話をしてくれました。

sunrise_05

「子どもたちに自分の顔を描いてごらんというと、どの子も、目が大きくてまつ毛が長く、ほおがピンクに染まっている顔を描きます。ぜんぜん似てない自画像なんです(笑)。ほかの絵を見ても、色彩感覚がぜんぜん違っていて驚きます。外国人の先生が描いた絵を見たり、外国人が作者の絵本やビデオを見たりもしているので、それが影響している部分もあると思いますが、それだけではないような気がします」

ある程度成長してから英語を学ぶ人が、自分の顔を欧米人のように描くことはまずないでしょう。言語が表現力とも強く結びついていることを示しているのかもしれません。

次のページ 園で“英語漬け”だからこそ、家では“日本語”を

この記事をシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

おすすめの記事を見る

記事を探す

カテゴリから探す

キーワードから探す

妊娠期/月齢・年齢から探す