外の空気を吸ってリフレッシュ! 赤ちゃんとの“はじめてのお出かけ”  

外の空気を吸ってリフレッシュ! 
赤ちゃんとの“はじめてのお出かけ”  

妊娠・出産インフォ

赤ちゃんとの生活に慣れたら、そろそろ赤ちゃんとお出かけしてみませんか? 楽しみでもあり、不安もいっぱい……というママのために、子育ての先輩で、専門的知識もお持ちのプロにお話をうかがいました。NPO法人・日本子育てアドバイザー協会に在籍し、助産師として新生児のいる家庭を訪ねる「訪問指導員」をされている、田中淑恵さんです。

“都市伝説”を聞いてお出かけが怖くなったママも

世田谷区の訪問指導員になって15年。訪問した先のお母さんから、はじめてのお出かけに関する悩みや疑問を聞くことも多いです。

たとえば、「自分は外に出たいのだけれど、子どものためには出ないほうがいいんじゃないか」「はじめてのお出かけのことを考えると、夜も眠れない」と漠然と不安に思っている人や、「一度子どもと外出をしたら、知らない女性に『こんなに小さな赤ちゃんを連れだして。赤ちゃんの首が座るまでは外に出てはいけないのよ』としかられてしまった」「予防接種前に子どもを外に出すと感染症になるから」など、怖くなってしまった人、最初からお出かけがNGだと思っている人もいます。

「首が座るまで外出はダメ」「予防接種前だと感染症」というのは、エビデンス(根拠)のあることではなく、単なる“都市伝説”。今のおばあちゃん世代には、若い時に「首が座る前の小さな赤ちゃんは、ちゃんと寝かしておかなくてはいけない」といわれていた人もいて、それを信じて今のお母さんたちにも声をかけるのでしょうが、もし外出先でそんなふうにいわれたら、「『生後5か月です』といっていいです」と私はアドバイスしています(笑)。

 

まずは外気浴 それから近くへ散歩に出かけてみる

odekake_01

本格的な「はじめてのお出かけ」の前に、「外気浴」をしましょう。まずは外気に触れさせるということです。お部屋の中にいて窓を開けて空気の入れ替えをしているときに、赤ちゃんを抱っこしてちょっとベランダやお庭に出てみるとか、新聞やお手紙を取りに郵便受けを見に行くとか。部屋にいるときと同じように、手で抱っこする形でいいので、ちょっと外に出ることがおすすめです。「1か月健診」が、“本当にはじめて外に出たとき”にならないようにしましょう。

はじめてのお出かけは、生後1か月くらいがいいと思います。いきなり遠出をするのではなく、家のまわりをグルっと1周してもいいし、近くの公園やコンビニに行くところから始めればいいと思います。

生まれて1か月になるまでの赤ちゃんは、体温調節の機能が未熟で、とても暑いときだと体温が上がりすぎるし、逆に寒いときだと下がってしまうので、こまめに気をつかう必要があるからです。1か月までは絶対に外出はダメということではないのですが、1か月健診の頃を目安にしましょう。

予定通りにはいかないのが赤ちゃんとのお出かけ

現在では外気浴は○ですが、日光浴は×です。昔は、日光浴でビタミンDを活性化させて骨を丈夫にすることが推奨されていましたが、今は紫外線の悪影響を考えて、外に出るときはUV対策をすることが求められています。

今年は猛暑で暑い日が続いていますが、こんな日の日中にわざわざ外出するのは避けたほうが無難です。とくに午前10時から午後2時まではいちばん紫外線が強い時間帯といわれています。また、光化学スモッグやPM2.5の注意報が出ているときも避けましょう。雨や雪が降っているときもはじめの頃の外出には適しませんし、風が強いときは危険です。

人通りの多い時間帯や場所は避けて、車の通りの少ないところを歩きましょう。騒音の大きいところは赤ちゃんがびっくりしてしまうので。

odekake_02

赤ちゃんとの外出は予定通りにはいかないので、時間には余裕をもっていたいですね。そして、疲れが出てきたら休憩したり、予定を変更したり、柔軟に対応することも大事。また、外出中でも帰宅後でもいいですが、赤ちゃんが喉の渇きを覚える前に水分補給をさせましょう。母乳が出る人ならおっぱい、人工栄養の人はミルクですね。

おむつから母子手帳まで 荷物はまとめてコンパクトに「お出かけバッグ」へ 

お出かけ用のバッグも用意しましょう。常にパッとすぐに出かけられるように、大きなバッグに必要なものを入れておきます。入れるものは、タオルガーゼおむつウエットティッシュ(おしりふき)、ビニール袋着替え母子手帳保険証診察券など。母乳の人なら授乳時に使うケープ、ミルクの人なら哺乳瓶お湯ですね。

「スーパーに行くだけでこんなに持っていかなくちゃいけないの?」と思うかもしれませんが、おむつが汚れてるわと思ってスーパーのトイレで、おむつを替えていたら、うんちが飛び散ってびちゃびちゃになるとか、そういう可能性が常にあります。一通り持って行ってないと、ないときに困っちゃうということが結構あるので、不測の事態に備えましょう。

必要なものをコンパクトに全部入れて、いつでも外に行けるようにしておくと安心。肩かけにするか、リュックにするかはお好みですが、全部まとめて入れておくのが便利です。

 

赤ちゃんは五感を使ってキョロキョロ 母子ともにリフレッシュする時間に

今は、インターネットで買い物ができることもあって、本当にずっと家に引きこもった状態で、日中は赤ちゃんと二人きりで過ごすというお母さんが少なくありません。でも、子育ては一人ぼっちじゃできないんです。

赤ちゃんと一緒に外に出ると、赤ちゃんは外の世界で刺激を受けてうれしいし、お母さんも家の中で煮詰まっていた気持ちが解放されて楽しい。家で赤ちゃんと1対1でいると、赤ちゃんは夕方頃には飽きるのでグズグズ泣きますよね。泣き止まないとだんだん「近所の人に泣かせている」って思われる……となって、どんどんお母さんが暗くなってしまう。でも、そういうときに、ちょっと外気に触れるだけで赤ちゃんって泣き止むんです。気温や光の具合が変わって、風の音や車の音が聞こえる。皮膚刺激、聴覚刺激、視覚刺激など五感を全部使って外の世界を感じて、赤ちゃんはキョロキョロとまわりを見ます。刺激を受けることは心身の発達を促すことにもつながります。また、生活リズムを作るのにも外出は役に立ちますよ。

各自治体で、同じ月齢の子をもつお母さんたちが集まれる交流会やサロンを開いています。「外で赤ちゃんに泣かれたら肩身が狭い」というお母さんでも、そういうところなら気兼ねせずにすみますよね。訪問指導でも、気分の落ち込むことがあるのはみんな同じだし、みんなが集まるところにいってちょっとお話しをして、共有するだけで気持ちがすっきりするよとアドバイスしています。

まじめなお母さんほど、いろんなことを考えすぎて、外に出られないという状況になりがちです。地域で活動をする助産師や保健師など、お母さんの力になれる人間はたくさんいるので、ぜひ不安や悩みがあったら遠慮せずに相談してください。

お出かけが楽になる「抱っこひも&ベビーカー」の選び方は、こちらの記事でチェック!

 

odekake_pro

【プロフィール】
田中淑恵(たなか・としえ)
助産師のほか、保健師、看護師、鍼灸師の資格をもつ。病院勤務を経て、現在は世田谷区にて「赤ちゃん訪問」事業に従事。NPO法人・日本子育てアドバイザー協会所属。3児の母。

妊娠・出産インフォ トップに戻る