ユージの子育てパパ座談会(前編)「外で働いているからって大きな顔しちゃダメですからね」

ユージの子育てパパ座談会(前編)
「外で働いているからって
大きな顔しちゃダメですからね」

妊娠・出産インフォ

「イクメン」という言葉が「ユーキャン新語・流行語大賞」に選ばれたのは2010年のこと。翌年には厚生労働省も「イクメンプロジェクト」を始動。「育てる男が、家族を変える。社会が動く。」をキャッチフレーズに、男性の育児参加や育休取得を呼び掛けています。

かつて……というより、ほんの10年前までは、まだまだ子育ては女性がするものという考え方が「普通」でした。しかし、この国の子育てを巡る意識、特にパパの子育てに対する考え方は、この10年で大きく変わりつつあります。

そこで今回、ミキハウス「出産準備サイト」の連載コラムでもおなじみのタレント・ユージさんと子育て中のパパにお集まりいただき、現役のイクメンパパたちによる座談会を開催。前編は、子どもたちとどう向き合い、ママとどんなふうに協力しているのかについて話し合っていただきます。

仕事に、子育てに、家事にと奮闘しながらも、家族の笑顔と温もりに満ちた時間を楽しんでいるパパたちの話に、会場は笑いに包まれ、「わかる!」、「そうだよなぁ」、「へぇー、すごい」などという声が飛び交う和気あいあいの雰囲気となりました。

 

【座談会メンバー】

01_02

ユージさん:タレント/30歳 中学2年生の男の子と3歳と2歳の女の子のパパ。妻は専業主婦。

01_03

中込さん:出版社勤務/38歳 1歳の女の子のパパ。妻は会社員で現在時短勤務中。

01_04

押川さん:建設コンサルタント会社勤務/40歳 2歳の男の子のパパ。妻は専業主婦。

01_05

今井さん:フリーランスカメラマン/43歳 10歳の女の子と2歳の男の子のパパ。妻は専業主婦。

01_06

加藤さん:ミキハウス勤務/40歳 9歳の男の子と6歳と3歳の女の子のパパ。妻は会社員。

 

成長する姿、妻との時間 子育てパパが「幸せ」を感じる時

01_07

ユージさん 本日はよろしくお願いします。まずはパパとして子育ての何が楽しいかについて、僕からお話しますね。ありきたりですけど、まず親としては、子どもたちが日々成長していく姿を見ているのは楽しいしうれしいですよね。例えば、ハイハイしかできなかったのが、いつの間にか歩けるようになったりとか、急に言葉が増えたりとか。そこはママもパパも関係なく、共通の喜びだと思うんです。ただ、子どもとずっと一緒にすごしている妻より、僕の方が子どもの成長に気づいたりすることがあるんですよね。

中込さん それはあるかもしれませんね。子どもが生まれて、僕が見つけた新しい楽しみと言えば、子どもの服を選んだりすること。子どもが生まれてから、自分の服に執着しなくなって、子どもに似合いそうなものばかり探しています。

押川さん 子どもがもう少し大きくなって、自分で判断するようになると、一緒に選んだりできるようになって、また面白くなるかなって想像したりしちゃいますね。ちなみに、私は子どもにおもちゃを買って、それを言い訳に自分のものを買ってますよ(笑)。妻にも「美味しいもの食べに行ってきたら」なんて言うんだけど、それも自分がやりたいからだったりして。

01_08

ユージさん かしこい(笑)。子どもたちが寝た後にできる妻との時間も楽しみになりましたね。子どもが生まれると良くも悪くも行動を制限されるので、その窮屈な感じから解放される時間が1日のうちのどこかにあると、すごく幸せを感じます。一緒にテレビを見るだけでもいいし、一緒にお酒を飲んでもいいし、そういう何気ない時間を楽しめるようになりましたね。

押川さん わかります。僕も毎晩、子どもが寝た後に、妻と甘い物を食べるのが日課になっています。夜10時くらいになっても、「今日は何食べようか」ってふたりでワクワクしながらお菓子を選んだりしています。本当に他愛もないことなんですけど、僕ら夫婦にとってはその時間がとても贅沢で、かけがえのないものかなって思っています。

 

子育てにおける「パパの役割」ってなんだろう?

01_09

今井さん みなさん、子どもを叱ることってあると思うんですけど、パパとママで役割分担とかあったりします?

加藤さん うちはどっちかっていうと僕が叱り役で、お父さんは絶対的に怖い存在でいたいと思っているんです。でも子どもたちは、時々「お母さんには内緒だよ」なんて言って、僕だけに話してくることもあって。子どもにとって、父親と母親はやっぱり違う存在なんだろうなと思ったりします。

ユージさん うちの場合ちょっと複雑で、一番上の長男にとって僕は“途中から現れた新しいパパ”だったので、今でも息子を叱るのは妻の役目です。で、僕はフォロー役。父親でもあり兄貴的な存在だと思っています。でも娘たちは、僕が叱って、妻がフォローに回ってます。

中込さん それぞれ役割分担があるんですね。うちは子どもがまだ1歳で、あまり叱ることもないのですが、子どもって何歳くらいから叱るようになるもんでしょうか。

ユージさん 自然と叱りたくなることが増えてきますよ(苦笑)。娘ふたりは年子なんですが、次女がやっとつかまり立ちができるようになった時に、机とかにつかまって必死にがんばって立っているのに、長女がその指を一本ずつはがしていくとか……そうするとやっぱり叱らざるを得ないですよね。うん、叱らない方が難しい。まぁ、強く叱りすぎて「ちょっときつく言いすぎたかな」なんて後悔することもしょっちゅうですけど。

01_10

今井さん 僕なんて、息をするのと同じくらい頻繁に叱りますよ。もはや秒単位で叱ってる。下の子は2歳なんですが、いけないことを見逃して「それでいいんだ」と思われても困りますから。ちなみに上の子はもう10年も叱り続けているので、慣れてしまったのかいつも小言を言われてるって感じの顔してますけど(苦笑)。でも、何回かに1回はちゃんと響くように叱っています。響いてるかどうか疑わしいですが…。

ユージさん 大丈夫、ちゃんと伝わってますよ(笑)。役割分担の話で言うと、お母さんにしかできない事、得意なことってありますよね。だから、僕は妻ができること以外で、自分ができそうなことをやっています。例えば、食事を作るのは妻が上手だし、洗濯も妻がやってくれる。じゃあ、僕は食器を洗って、ごみ捨てをやりますとか。すき間を見つけてやる感じかな。

押川さん すき間を見つけてやるって、すごくわかります。お互いに得意なことをやるイメージですよね。そもそも、日々細かいことに追われている専業主婦の妻が見ているところと、週末ぐらいしかゆっくり家にいない私が気付くことは結構違ったりしますし。だから、あんまりお互いに出来るとか出来ないとかではなく、それぞれで穴埋めをしていければいいのかなと思います。

01_11

ユージさん ただ、パパとしては相当意識していないと、自然とママの方が子育てや家事をやることになることもあるから注意は必要です。僕も上の娘が生まれた時は、夜中に娘が泣いても全く目が覚めなかったんです。どんなに泣いても寝られていたというか(苦笑)。それだと妻がどんどん疲れていくだけじゃないですか。だから、「次に泣いたらたたき起こして。バトンタッチするから」って言ったんですよ。もう、正義感というか、責任感にかられて。そしたら、次の日から激しくゆすられて強制的に起こされるようになり……そのうちゆすられるのが恐怖になって、子どもの「うぇーん」という声でバッと起きられるようになりました。

中込さん すごい成長(笑)。そうやって、率先してパパから動かないと、自然とママの負担が大きくなっていくというのはパパとして知っておかないといけないことでしょうね。ただ、やればやるほど妻から課されるハードルは高くなりますよね。例えば、妻が離乳食の仕込みをして、それを僕が最終的な調理をして食べさせたりしているんですが、「じゃあ、今度は仕込みからやってみようか」とか。

ユージさん ハハハ、そういうものです。僕だって最初は仕事が食器洗いだけでしたから。基本、家の事は妻がやって、代わりに僕は外で仕事をしてくる…ってことになっていたのに、食器をうまく洗えるようになると「排水溝もきれいにしてね」「ゴミも臭うから捨ててきてね」と課題がどんどん増えていった(苦笑)。結果的に家事全般、バトンタッチするまでになってきました。ただ、不思議なことに家事に慣れてくると、我ながら苦痛じゃなくなってくるんですよね。

中込さん パパでもなんでもできるようにならないといけないってことですよね。あ、でもパパにどうしてもできないことはありますよ。おっぱいです。もちろんミルクをあげることは出来るけれど、おっぱいは出ないですから。あのフィジカルの近さは、やっぱりお母さんならではのもの。

01_12

中込さん やっぱりお母さんには敵わないと思うことが多いです。夜泣きのときも、僕があやしても泣き止まなくても、妻なら泣き止む。寝てる時、僕と妻の真ん中に寝かせて川の字になっても、必ず妻の方に抱きついていく。僕がどんなに抱っこをがんばっても居心地悪そうで、妻が抱っこした瞬間に泣き止んだりとか。やっぱりお母さんには絶対的な何かがあるんじゃないかな。

加藤さん それはありますよね。うちは自然に乳離れさせよう考えていて、3歳の娘はまだおっぱいを飲んでいます。食べ物もたくさん食べるんですけど、機嫌が悪かったり、眠たい時はやっぱり「お母さん、おっぱい」って。それを言われてしまうと、お父さんとしてはもうどうしようもないですからね。

 

仕事もやってるのになんでここまで…と思っていた話

01_13

ユージさん うちの場合、すぐに哺乳瓶でミルクを飲ませるようにしていたので、夜から翌日の朝、仕事に出るまで夜泣きを含めてミルクをあげるのは全部僕がやっていました。また帰宅後の家事全般もすべて僕がやることになったんですね。そうなると外でも仕事をして、家に帰っても家事に子育てに、たくさん仕事があるわけです。まったく休む暇がなくて正直、そのことについてアンフェアに感じていたこともあったんですよね。

今井さん アンフェアですか。ユージさん、そこの話はママ読者的には地雷が多いですよ(苦笑)。

ユージさん ですよね(小さな声で)。だから、言葉を選びながらお話しますね。うちの場合は、妻は専業主婦で、僕が仕事に行っている間ずっと子どもたちを見てくれているわけです。それは本当にありがたいんですけれど、一方で外に行って仕事をしてお金を稼いで、家賃や子どもたちの食事代も僕ひとりの肩にかかっている。そんな中で、仕事から帰った後は完全にバトンタッチで、家のことはすべて僕がやることになっています。妻はその間フリータイムなんですよ。そうなると僕にはフリータイムがどこにもない。常に仕事か育児か、どっちかやってるんです。

今井さん 実際、外で働くパパが子育てや家事を本格的にやろうとすると、そのパターンに陥ることはありますよね。

ユージさん まさにそういうときに“不満”を持つようになったんです。でも二人目の娘の出産のために妻が入院した時、たった1週間だったのに、僕ひとりで子どもを見ることになったのですが、それが本当に大変で、正直すごいきつかった。いつも僕が家に帰ってきてバトンタッチしていること以外に実はやることがいっぱいあって、お風呂も入れるだけじゃなくて、髪の毛をとかしてあげたりとか、クリーム塗ったりとか、日焼け止め塗ったりとか、着替えさせたりとか。もうやることいっぱいあって、次から次へと子どもも要求してくる。その時、悟ったんです。それまで僕は子育てがなんたるかを、わかっていなかったと。

今井さん 僕らが外で仕事をしている間も、妻は家で子どもの面倒を見ているわけで、それって僕らが思っている以上に大変なことなんですよね。外で仕事しているって、実は気分転換になりますし。

ユージさん そこです。もちろん外の仕事も大変だけど、やっぱり家族以外の人と会ったり、いろんな場所に行くことで、僕らって“空気の入れ替え”がいっぱいできてるんですよね。1日中家にいるってすごく辛いもん。その辺からもうアンフェアだなんて一切思わなくなりましたね。全国の働くパパのみなさん! 外で仕事しているからって、そんなの全然大きな顔しちゃダメですからね!

01_14

ユージさん だからこそ、妻を尊敬しないといけない。尊敬して仲良くいること。夫婦が仲良くいられれば、子どもたちも絶対ハッピーです。あまりに子どもばっかり見ていて、夫婦がお互いのことを見ていないのは良くない。それって子どもにとっても不幸なことだと思うんです。

中込さん たしかにうちの娘も、妻とのスキンシップを見せると、ニコニコして近づいてくるんですよね。1歳だけど、仲良くしているとうれしいのかもしれない。うちの夫婦は、もともとスキンシップは多いほうだと思いますけど、最近は子どものかわいい反応を見るのが目的になってます。

ユージさん いいですね、それ。例えばハグでもいいし、手をつなぐでも、キスでもいいんですけど、そういう“仲の良さ”を見せていると、その子どもが将来人への愛情の与え方を覚えると思うんですよね。そういうことを教えるのも、親としての役割のひとつだし、教育だと僕は考えています。

 

※       ※       ※

「ママとパパはいつもハッピーでいて欲しい。それが子どもを幸せにするから」というユージさんのメッセージは、心に沁みます。仕事も子育ても家事も、となるとパパはたしかに大変です。ただ、だからこそ、他では得られない幸せをパパに運んでくれるのではないでしょうか。

続く後編では、パパたちが子育てをしながら自分の時間をどう作っているのか、子育てと社会のかかわりの中で思うことなどについて伺っていきます。

妊娠・出産インフォ トップに戻る