産後のママの1割以上が悩んでいる「産後うつ」 予防法と対処法

ミキハウス編集部

「産後うつ」は産後のママなら誰もがかかりうる身近な病気です

「産後うつ」は産後のママなら誰もがかかりうる身近な病気です

産後うつの多くは出産後数ヶ月以内に発症します。脳が何らかの原因で機能障害を起こす「うつ病」のひとつで、朝から晩まで一日中憂鬱な気分が続いたり、楽しいはずのことが楽しいと思えなくなったりして、物ごとに対する興味を失うなどの症状が特徴です。

 

症状が進むとどうなる?

思考力や集中力が低下することが多く、段取りを決めて物事を行うことも難しくなります。赤ちゃんが生まれて、家事と育児を要領よくこなしたいママにとっては生活に支障が出てしまうことがあり、そんな自分を責めると症状はますます悪化してしまうこともあります。

産後うつの発症割合は?

日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があります。女性の方が男性よりも1.6倍くらい多いことが知られていますがある疫学調査によると、産後うつは出産した女性の10数%が発症すると言われています。
もちろん程度の差はあり、軽い産後うつなら、周囲の理解や協力が得られれば数週間で治ることも少なくありません。ただ、本人も周囲もなかなか気づかずに治療が遅れたり、こじらせてしまったりすると長引くこともあります。日常生活に支障をきたすくらい、こころの調子が悪い状態が続くようであれば、医療機関に相談してください。

マタニティブルー=産後うつ?

マタニティブルーと産後うつは同じように聞こえますが、違うものです。マタニティブルーは出産後すぐに不眠を訴えたり、わけもなく悲しくなったりする症状で、急激に減少する女性ホルモンが精神状態に何らかの影響を与えることが原因と言われています。非常に多くのママが経験するのですが、産後3日から10日のうちに症状がなくなっていくのが一般的です。

産後うつの原因は?

社会的背景、生活環境、人間関係などいろいろな要因がベースにあって、産後のホルモンバランスの乱れや大きなからだの変化が引き金となって発症すると考えられています。

いわゆる“孤育て”に陥り、家事や育児の負担がママだけにかかってしまったりすると、ママのメンタルヘルス不調の原因になります。妊娠・出産で仕事を辞めたことがストレスになっている場合もありますし、妊娠中から家庭内で家族の絆をあまり感じられていないと産後うつになりやすいとも言われています。また睡眠不足もトリガーとなります。いずれにせよ多くの場合、複数の要因が重なっておきています。

以前にうつになったことのある方は注意が必要?

以前うつになったことのある人はかなりハイリスクです。とはいえ、産後うつは特別な人がかかる病気ではなくて、健康で精神力に自信がある人でも発症する可能性があります。同じママが1人目の時は大丈夫でも、2人目、3人目で経験するケースもあります。いつ誰がかかるか分からない、というのが産後うつの特徴です。

次のページ 回復のカギを握るのは「環境調整」です

この記事をシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

あなたへのおすすめ

おすすめの記事を見る

記事を探す

カテゴリから探す

キーワードから探す

妊娠期/月齢・年齢から探す