【1,017人の先輩ママに調査】
産後のリアル、からだとこころの変化はいつまで続く?
「私だけじゃない」みんなの乗り越え方

ミキハウス編集部

出産という大仕事を終え、愛しいわが子との新しい生活がはじまる、かけがえのない毎日。よろこびで満たされる一方で、慣れない育児に奮闘する中で、ママのからだとこころには、これまで経験したことのないような変化が訪れます。

「この痛み、いつまで続くの?」「こんなに気持ちが落ち込むのは私だけ?」と、1人で不安を抱えてしまうこともあるかもしれません。でも、安心してください。それは、あなただけではありません。産前産後、多くのママが同じようにからだとこころの変化に戸惑い、向き合い、乗り越えようとしています。

今回、ミキハウスクラブでは、出産を経験した1,017人の先輩ママたちに「産前産後のからだとこころの変化」についてアンケート調査を実施しました。この記事では、アンケートから見えてきた先輩ママたちのリアルな声をお届けします。からだの痛みやこころの不調を、みんながどう乗り越えてきたのか。具体的な体験談やアドバイスが、今まさに悩んでいるあなたのこころをそっと軽くする、温かいお守りになりますように。

▼ アンケートのその他の回答についてはこちらをごらんください。
産前産後のこころとからだの変化について(ミキハウスクラブアンケート調査)/2025年10月15日公開

 

 

「授乳の悩み」はほぼ半数 「産後の痛み」は約4割に

「授乳の悩み」はほぼ半数 「産後の痛み」は約4割に

産後のからだには、さまざまな痛みや不調があらわれます。アンケートでは、実に多くのママたちが何らかの悩みを経験していることがわかりました。
特に多かったのは、「授乳(おっぱいが痛い、母乳が出にくいなど)」で実に回答者の49.7%が悩んでいたと回答。

「母乳の出が悪く、すぐ詰まって大変でした」(30代前半ママ/子ども:6歳以上)

「思ったよりも母乳が出なくてショックでしたね」(30代前半ママ/子ども:5歳)

「授乳が痛く、半泣きになりながら授乳していました…」(30代前半ママ/子ども:3歳)

そのほかには、「髪の毛の変化(抜け毛、パサつくなど)」が46.5%、「体重・体型の変化」が46.2%と続きます。また、授乳や夜泣きなどで「眠れない」と答える方も41.4%、「産後の痛み(後陣痛、会陰切開の痛みなど)」は40.1%のママが悩んでいるとしています。37.8%の方が「腰痛や肩こり、腱鞘炎」などに悩まれていると答え、「すぐにイライラしてしまう」も30%を超えています。

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この中で、「経験するまで知らなかった」「聞いたことがなかった」という悩みとして、よく挙げられるのが産後の痛み。痛みは出産までだと思っていたのに、産後も続くなんて……と悩まれる方も少なくないようです。
アンケートでお聞きした会陰切開や帝王切開の傷の痛み、後陣痛は「生理痛より少しひどい痛み」を基準として、それ以上の痛みがあるケースについてお答えいただいています。そのうえで約4割の方が悩んだという「産後の痛み」は、一体いつまで続いたのでしょうか。

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1週間以内で収まった方が11.3%。1~2週間が21.6% 、 2~3週間が16.9% 、3週間~1か月が19.9%、1か月~2か月が20.3%、それ以上が9.6%とばらつきがあります。アンケート結果を見ると、痛みが2週間以上続いた方は約7割、1か月以上続いた方も約5割にのぼります。多くのママが、退院後も続く痛みに耐えながら、赤ちゃんのお世話をしていたことがわかります。
回答者からは、経験したからこそわかるリアルな痛みの声が寄せられました。

「会陰切開した部分がズキズキ痛みました」(20代後半ママ/子ども:4歳)

「骨盤と会陰のダメージが想像以上にひどく、失禁や、脚がゾウのようにむくんで歩けないなど、年齢もあるとは思いますがからだの回復が想像以上に遅かったです」(30代後半ママ ・子ども:2歳)

 

抜け毛、体型の変化 多くのママが直面するリアル

抜け毛、体型の変化 多くのママが直面するリアル

痛みだけでなく、産後のからだにはさまざまな変化があらわれます。特に多くの声が寄せられたのが「髪の毛」と「体型」の変化でした。

【髪の毛の変化】ピークは産後2~3か月、悩みは1年以上続くことも

実に46.5%の先輩ママが「髪の毛の変化」に悩んだと答えていますが、その具体的な内容を見てみると、実に89.6%の方が「抜け毛(アホ毛)」を経験したと回答。
この悩みはいつから始まり、いつまで続いたのでしょうか?

悩み始めた時期で最も多かったのは「産後2~3か月ごろ」で44.2%。続いて「産後すぐから」が19.5%でした。一方、悩みが続いた期間は、「1年以上」が27.5%と最も多く、「3~4か月ぐらい」が18.4%、「5~6か月ぐらい」が17.5%と続きます。

産後の抜け毛は「分娩後脱毛症」とも呼ばれ、多くのママが経験するごく自然な生理現象です。妊娠中は、髪の毛の成長を助けてくれる女性ホルモン「エストロゲン」がたくさん分泌されるため、髪が抜けにくく、豊かになったように感じることがあります。ところが出産を終えると、そのホルモンが急激に元の量に戻るため、妊娠中に抜けにくくなっていた髪の毛たちが、一斉に「お休みの期間(休止期)」に入ります。そして、その数か月後に新しい髪に生え変わる準備として、まとめて抜けていくのです。

髪の悩みに対して、先輩ママたちはどのような対策をしたのでしょうか

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最も多かった回答は「特に何もしていない」で30.9%。次いで「ヘアケアアイテムを変える(ノンシリコンシャンプーなど)」が30.0%でした。対策をした方に効果があったかを聞いたところ、「あまり効果は感じられなかった」が44.0%と最も多く、「やや効果があると感じた」(35.8%) を上回る結果となりました。

産後の抜け毛はホルモンバランスの変化が主な原因であるため、ほとんどのケースが一時的なもの。多くの場合、産後半年から1年ほどで自然に落ち着いてくるので、過度に心配しすぎる必要はありません。

回復をサポートするためには、髪の主成分であるタンパク質やビタミン、ミネラルを含むバランスのよい食事を摂り、からだを休めることが大切です(もちろん、そのためにはパートナーやまわりの家族の協力が不可欠ですね)。ただし、1年以上経っても抜け毛が改善しない、一部分だけが極端に抜けるなどの場合は、他の原因も考えられるため、専門医に相談することをおすすめします。

【体型の変化】産後に体型が戻らないのはなんで? 

【体型の変化】産後に体型が戻らないのはなんで? 

「体重・体型の変化」に悩んだママも46.2%と、半数近くにのぼりましたが、そんなママたちからは切実な声が寄せられています。

「体型変化後の見た目が受け入れられません」(20代後半ママ/子ども:4歳)

「おなかのお肉が全然落ちません」(30代前半ママ/子ども:2歳)

「産後に体型が全く戻らず、いまだにいろんなところに脂肪を蓄えています(笑)」(30代後半ママ/子ども:2歳)

赤ちゃんを育んだ証とはいえ、なかなか元に戻らない体型に、もどかしさやショックを感じるママは少なくありません。

産後の体型変化には、いくつかの理由が複合的に関わっています。よく「骨盤がゆるんで内臓が下がることが原因」と言われることもありますが、実はそれだけではありません。産後におなかが戻りにくい一番の理由は、大きくなったおなかで左右に離れてしまったおなかの筋肉(腹直筋離開)や、骨盤の底で内臓を支える筋肉(骨盤底筋群)が、出産という大仕事を経て少しお休みモードになっていること。これらの筋肉がまだ本調子でないこと、妊娠中の運動不足で筋力が落ち、基礎代謝が低下していることも、体重が戻りにくくなる一因です。

産後に体型を戻したい場合、体調を見ながら骨盤ケアや軽い運動を取り入れるのがおすすめです。運動は産後1か月健診で医師の許可が出てから段階的に行いましょう。帝王切開では創部の回復を優先し、6週以降を目安に専門職の指導に従い行ってください。体型を戻したいあまり、無理をするのは禁物ですよ。ご自身の体と向き合い、心地よいと感じる状態を目指すことが一番です。

一方で、近年では若い女性や妊婦さんの「やせ」も問題視されています。妊娠前のやせや、妊娠中の体重増加不足は、早産や赤ちゃんが小さく生まれる「低出生体重児」のリスクを高めることが報告されています 。低出生体重で生まれた赤ちゃんは、将来的に生活習慣病などになりやすいという研究結果もあります。妊娠中は赤ちゃんとママの健康のために、適切に体重を増やすことが大切です。

 

「私だけじゃないよね?」 産後うつと孤独感の乗り越え方

「私だけじゃないよね?」 産後うつと孤独感の乗り越え方

産後の変化は、からだだけではありません。むしろ、こころの変化に戸惑うママは非常に多く、「実際に産後うつを経験しましたか?」との問いに、「明確にあった」と回答したママは13.4%に上りました。日本人の妊産婦の約10~15%が産後うつ病を発症すると言われているので、この数字は実態に近いと考えられます。

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一方、診断を受けたわけではないけれども、「今思うと“あれは産後うつだったかも”と思える時期があった」と回答されたのは53.6%。「明確にあった」とあわせると、実に67%ものママがこころの不調を経験しているということになります。
産後の気分の落ち込みは、多くのママが経験する「マタニティブルー」かもしれません。これは、出産による女性ホルモンの急激な変動に加え、慣れない育児による睡眠不足や疲労、環境の変化といったさまざまな要因が重なって起こると言われています。決してママ1人の責任ではなく、誰にでも起こりうる自然な心身の反応です。マタニティブルーは一時的なものが多いですが、もし2週間以上つらい気持ちが続く場合は「産後うつ」の可能性もあるため、専門家や相談機関に頼ることも考えてみてください。

なお、産後のこころの不調は、パパにもママとほぼ同水準で起こるという調査結果もあります。これは産後のホルモンの変調だけでなく、育児環境がいかに大きな影響を与えるかを示しています。だからこそ、子育ては1人で抱え込まず、パートナーや家族、地域のサポートなど、まわりの助けを借りることが何よりも大切になります。

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こうしたつらい状況を、先輩ママたちはどう乗り越えたでしょうか。最も多かったのは「夫や親族など家族に子育てをサポートしてもらった」(58.3%)でした。次いで、「なにもしなかった」が25.1%、「公民間問わず子育てサポートサービスを利用した」が18.9%、「専門医やカウンセラーなどに相談した」が17.1%と続きます。
家族のサポートが大きな力になる一方で、約4分の1の方が「なにもしなかった」と回答している点は見過ごせません。誰にも頼れず、1人で抱え込んでしまったママも少なくないのかもしれません。

実際にこのような声も寄せられています。

「ワンオペで頼るところがなく、話をできない孤独感が1番辛かったです」(30代前半ママ/子ども:3歳)

「夫の無理解で孤独でした」(30代後半ママ/子ども:2歳)

また、パートナーとの関係に悩む方も多く、「夫との育児の分担がなかなかうまくいかず常にイライラしていました」(20代後半ママ/子ども:1歳)というコメントからは、サポートが得られないことへの焦燥感が伝わってきます。こうした孤立感が、「自分のせいで子どもが泣いていると思って自分を追い詰めてしまっていた」(30代前半ママ/子ども:3歳)というように、自分を責める気持ちにつながってしまうこともあるようです。

 

未来のママたちへ 先輩ママからの心強いメッセージ

未来のママたちへ 先輩ママからの心強いメッセージ

最後に、さまざまな困難を乗り越えてきた先輩ママたちから、これから出産を迎えるプレママや、今まさに子育てに奮闘中のママへ、温かいメッセージが寄せられました。

\まわりを頼って!/

「本当にわが子はかわいいですが、手がかかることが多く、時にはきらいになることもあるかもしれません。それで全然大丈夫。悩みすぎないでまわりを頼りましょうね」 (20代後半ママ/子ども:1歳)

「1人でがんばろうとせず、まわりの人や行政の方を頼るといいですよ」 (20代後半ママ/子ども:6歳以上)

「とにかくパパは育休を取って、家事や夜間の赤ちゃんの対応を一生懸命やってください」 (30代前半ママ/子ども:2歳)

\完璧は追わない&自分を大切に/

「完璧を求めない!手抜きすることも大事ですよ」 (30代前半ママ/子ども:1歳)

「教科書どおり完璧じゃなくても子どもは育つので、時には“親ファースト”で自分のきげんをとり、親子笑顔ですごせる時間を増やすことがおすすめです」 (30代前半ママ/子ども:1歳)

「わが子も大切ですが、がんばりすぎないで妊娠出産を終えた自分を第一に考えてすごしてください」 (20代後半ママ/子ども:2歳)

「ママは自分をいちばんに大事にして、パパはママをいちばんに甘やかしてあげてください。 ママの笑顔が家族の幸せに繋がります」 (30代前半ママ/子ども:2歳)


1,017人の先輩ママたちの声から見えてきたのは、多くのママがからだとこころの変化に悩みながらも、懸命に子育てと向き合っている「産後のリアル」でした。
もし今、あなたが同じような悩みの中にいるのなら、どうか「私だけじゃないんだ」と思い出してください。そして、「がんばりすぎないで」「まわりを頼って」という先輩ママたちの言葉を、お守りのように心に留めておいてください。
完璧なママにならなくても大丈夫。まずは、出産という大仕事を乗り越えたご自身のからだとこころを、誰よりも大切に労ってあげてくださいね。

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