スマホを使う前に…
「子どもの発達に何がいちばんいいのか」に立ち返って

2015.10.02

ミキハウス編集部

スマホに時間が奪われ心身の発達が遅れるケースも

最後は、心の発達運動発達について。

スマホに限らず、テレビを見たり、ゲームをしたりなど、電子メディアと接する時間のことを「スクリーンタイム」といいますが、これによって、大きく分けて二つの影響があるといわれています。

ひとつは、「ディスプレスメント」。言葉の意味は“置き換え”ということですが、電子メディアが他の時間を奪ってしまうということです。一日は24時間と限られていますから、スクリーンタイムが長くなると寝る時間は短く、運動する時間は短く、勉強する時間は短くなります。つまり、メディア漬けは、睡眠、体力、学力に悪影響を及ぼすということです。

小さい子の場合について考えてみると、スクリーンタイムによって取られる時間は、遊ぶ時間ですよね。お母さんやお父さんと遊ぶ時間が減ります。親子の触れ合いという大事な時間が奪われるのです。スマホに限らず、テレビ、ゲーム、DVDも同じです。

もうひとつは「コンテンツセオリー」。触れるコンテンツの内容に影響を受けるということです。これは少し大きくなってからの話になりますが、たとえば、暴力的なもの、怪奇的なものを見ているとごく一部の人はそれに引っぱられるかもしれません。性的な内容に興奮したり、たばこのCMを見てかっこいいと思い喫煙したりすることも、コンテンツセオリーの問題です。

お母さんたちがスマホ利用に関して、漠然と不安をもつというのは、それを感覚的にわかっているからじゃないかなと私は思います。スマホは便利だけれど、それによって子どものハイハイを一生懸命追いかけたり、“いないいないばあ”をしたりと、昔からやってきたいろいろな遊びをしていないことに気づいているからではないかと。

言葉の発達に関しても当てはまりますよね。子どもは、親としゃべりながら言葉を覚えるものです。ごはんを食べながら、お母さんに「マンマね」と声をかけてもらったり、犬を見たときにお母さんが「ワンワンね」といったりするから、言葉を覚えるんです。何回も何回も自分の耳で聞いて、そのものを見て、統計をとってそれがマンマであり、ワンワンであることがわかるのです。そういうやりとりの時間もメディアが奪ってしまう可能性があります。

次のページ 2歳までスマホの利用はやめましょう そして親子での触れ合いを

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