「私たちのバースレビュー・カフェは今回で6回目になります。一回の参加者を5人までに限定し、お一人おひとりが少しでも多くモヤモヤした気持ちを吐き出して帰っていただけるよう心がけています」
続いて話しはじめたNAOKOさんは、穏やかで優しい語り口が印象的なママ。「バースレビュー・カフェ」の目的は、つらい記憶に向き合い、その状況を客観的に見つめることで、肯定的な思い出に変えていくことと語ります。

「私の場合は人から見れば、出産自体は安産と言われるものだったと思いますが、長いつわりに苦しんだり、ちょっぴりずれた思いやりで私を困惑させる夫への不満がつのったりと、私なりにつらい思いをしました。でも、そんな自分の妊娠、出産の経験を『助産師さん呼びましょうか?』という漫画にして出版したら、それを読んだ人たちから“わかる、わかる”と共感してもらえたり “がんばったんだね!”とほめてもらえたんです。そうしたら、それまでのつらかった思いがスッとなくなっていきました」
NAOKOさんは素直な気持ちを吐き出し、それを人に共感してもらうことで、つらい記憶も自分の中で消化できるということを実感し、KUNIEさんと悩みを持つママたちの気持ちに寄り添うワークショップを開くことにしました。
「妊娠、出産、子育てというはじめて起きる出来事の中で、ママたちはちょっとしたことでつまずいて、自信を失ってしまいがち。私たちは医療関係者でも、カウンセラーでもないので、みなさんの悩みの答えや対処法を見つけられるわけではありませんが、お話を聞いて気持ちをわかちあうことはできます。誰かにわかってもらえたら、がんばった自分を認めることができ、笑顔で子どもに接することができるようになると考えました。もちろん、話したくないことは話さなくてかまいません。話したいことだけ話せばいいんです。ただし、今日聞いた話は、ここだけのことにする。それがバースレビュー・カフェのルールです」(NAOKOさん)

そしてKUNIEさんが参加者に話しかけます。
「みなさん、はじめて会った私たちを前に緊張しておられますよね。まずは、ここでちょっと体を動かしましょう。座ったままでいいので、腕をあげて背筋を伸ばしまーす。次は肩を回しましょう」
緊張をほぐすように体を動かすママたち。KUNIEさんは次に2人1組になっての肩もみを提案。
「ママっていつも子どもに何かをしてあげてばかりでしょう。たまには誰かに肩をもんでもらったりすると、とっても気持ちがいいですし、うれしいですよね!」
会場の雰囲気もなごんできたところで、参加者が簡単な自己紹介をします。