子どもの成長を実感できる! ママもパパもうれしい、0歳からのお稽古ごと

子どもの成長を実感できる!
ママもパパもうれしい、0歳からのお稽古ごと

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生まれたばかりの頃は、ほとんど眠っていたのに、知能や感覚、体の機能などの発達とともに、笑ったり、自分の両手を合わせたり、寝返りしたりと、赤ちゃんは教わらなくても、自分から新しいことにチャレンジし、できる事がどんどん増えていきます。

日々成長する赤ちゃんの姿は、パパ・ママにとって大きな喜びですね。そこで、気になり始めるのが「お稽古ごと」でしょう。最近は、いろいろなメディアで、「0歳からのお稽古ごと」が紹介され、赤ちゃんの「知育」や「発達促進」を謳う教室の広告も目につくようになりました。

今回は、「何かやらせてみたいけれど、何をどう選べばいいのかな」、「まだ簡単な言葉も理解できないようだけれど、何か始めた方がいいのだろうか」と悩むパパ・ママのために、出産準備サイトが取材してみました。

 

始めるなら、赤ちゃんの成長は個人差が大きいことを理解して

まずは0歳の子どもへの「学習」がどの程度、その後の人生に影響を及ぼすのかということについて専門家のご意見を聞いてみましょう。

お話を伺うのは玉川大学の「赤ちゃんラボ」の一員でもある、同大教授で工学博士の岡田浩之先生。先生の研究テーマは人工知能(AI)や認知発達など。赤ちゃんの知能の発達に関する研究も取り組んでいます。

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そんな岡田先生ですが、0歳からのお稽古ごとについて開口一番、「能力の開発という点ではあまり意味がない」と指摘します。

「早期教育の専門家ではない僕が言うと、なにかと波風が立ちそうではありますが(苦笑)…多くの赤ちゃんや子どもの知能の研究をしてきた僕から言わせると、0歳児のお稽古ごと、引いてはいわゆる“早期教育”が、その後の子どもの成長に明確によい影響を及ぼすという効果が科学的に実証されたことはありません」

同様の主張をするのは慶應義塾大学医学部小児科教授の高橋孝雄医師。子どもの成長や発達に詳しい高橋医師もこう語ります。

「0歳の子どもに何かしら教育を施せば、人よりも“早く”何かを学ぶという効果はあるでしょう。しかし、それは“早い”というメリットはあるものの、一部の、例えば障害を持たれたお子さんを別にすれば、総じてその子どもの能力そのものを引き上げる効果があるかというと、そのような証拠はないと思いますね」

何かと早期教育がその子の能力そのものを押し上げるとも思われがちですが、奇しくもふたりの専門家がそれを認めていないのは興味深いことです。

前出・岡田先生はこう続けます。

「もちろん、教育熱心な親御さんを否定するわけではありません。それどころか、教育熱心であることは、行きすぎなければ、決して悪いことではないでしょう。でも、やらせたから優秀になるとか、その効果を期待しすぎるのはよくないと思います」

0歳からのお稽古ごとは、いい意味で「ゆるく」やるのがママやパパ、そして子ども本人にとっても幸せなことなのかもしれません。

「そして何より重要なことは、子ども同士を比べないこと。『うちの子はよその子と比べて発達が遅いようだ』と心配する親御さんは実に多いのですが、そもそも子どもって、一人ひとりの発達の差がとても大きいんです。言葉をしゃべり始める時期とか、歩き始める時期とか、早い子と遅い子では1年ぐらい違います。でも、早くしゃべり始めたから優秀で、早く歩き始めたら運動能力が優れているということはありません。子どもの発達のしかたには、ばらつきがあるというだけのこと。だから子どもを比べるのは意味がないってことは、分かっていただきたいですね」(岡田先生)

子ども同士の出来不出来に一喜一憂するのではなく、その子どもが以前より少しでも上達したか。そして、出来るようになったら全身全霊で子どもをほめてあげて、ポジティブな気持ちを育むこと。そういう親としての“基本動作”が何より大切なことのようです。

主役は赤ちゃん。でも新米パパ・ママにも新しい体験が待っています。

専門家の意見は、「0歳児教育でその子どもの本来持つ能力が上がることは考えられない」というもの。そう考えた時、それでは0歳児教育は無意味なのかと思ってしまいがちですが、そういうことでもないようです。

東京・勝どきにある子育て支援施設「グロースリンクかちどき」では0歳児教室も開いており、地域のママに大好評なんだとか。同施設を協働運営するPIAZZA株式会社コミュニティ事業責任者・吉澤晶子さんはこう言います。

「お歌を歌ったり、踊ったり、体を動かしたり…いろいろな体験を通じて赤ちゃんはいろいろなことを学んで行きます。そして何より赤ちゃんもママも笑顔になれる、それが0歳児教室の最大の利点かもしれません」

同施設がある東京の臨海エリアは、近年30~40代の子育て世代の流入が急増しています。そういう地域で暮らす子育て中のママは得てして孤独になりがち。0歳児のお稽古ごとに通うことは、そういう孤立しそうなママを助ける効果があるのではないかと吉澤さんは指摘します。

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「私自身、地元は北海道で、結婚して、このあたりに引っ越してきたんですが、(当初は)このあたりには知り合いがいなくて、街の様子も分からない。その上、ご近所づきあいも生まれにくい。毎日、家の中で小さな子どもとだけ向き合って生活していると、孤独を感じてしまうんです。そんな時、お稽古の教室に来て、同じような親子と一緒にすごして、ママ同士で話をすると、精神的にすごく救われる。私の周りにはそんなママがすごく多い。こうした教室で同じような境遇のママと出会うことで、悩みも共有できたり、場合によっては助け合いもできる。そうなると、赤ちゃんへの接し方にも余裕が生まれて、親子関係も良くなるんです。これは、赤ちゃんにとってもすごく大切なことだと思うんですよね」(吉澤さん)

“ママは横のつながりを求めている”と吉澤さん。お稽古ごとで、それを見つけることは、ママにとっても子どもにとってもポジティブな効果を生むのかもしれません。

もちろん「ママの都合」だけでお稽古ごとを選ぶのが良いということではありません。色々な選択肢がある中で、子どもが興味を示しそうなものを選び、体験させて見て楽しんでいたら続けてみる。あまり楽しそうではなかったら、別のことにチャレンジさせてみるなど、柔軟なスタンスが重要となってきます。

さらに同施設長・砂金由香さんは、その他に注意すべきこととして、このようなことを語ります。

「子どもは月齢や成長の度合いによって、できる事に差があります。こちらの教室でも対象年齢があまり広がらないように、クラスを設定していますが、無理して大きい子と一緒にレッスンするより、自分の子のレベルを見極めてあげて欲しいです。赤ちゃんが機嫌よくすごせて、親も楽しんで通えることが一番大事なことですから。子どもに合ったクラスで成功体験を積み重ねることが、結局子どもの能力を伸ばすことにつながるんじゃないかと思います」

気になる教室がある時は、まずは見学や体験に行ってみてください。まずはママの興味で選んでもいいし、音楽が好きな赤ちゃんなら、音楽を使ったものを試してもいいのではないでしょうか。そこから続けるか、続けないかは子どもの様子を見て判断してくださいね。

「お稽古ごと」で、親子一緒にいい時間

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それでは最後に、「0歳からのお稽古ごと」をさせている先輩パパ・ママの経験談をご紹介しましょう。みなさん、それぞれに赤ちゃんとのお稽古を楽しんでいるようです。

まずは30代のパパ・Kさん(会社員)。10か月の頃から通わせているスポーツ教室。Kさんは現在、1歳半となった娘さんとのお稽古ごとの時間が、「今もっとも楽しいひととき」と語ります。

「うちの娘が通っているのはスイミングと体操の教室です。とにかく体を動かすことをさせたいと思って始めました。平日は妻が連れて行っていますが、週末は僕が連れて行って、一緒に体操したり、プールに入ったり。僕にとっては、子どもの成長を実感できる貴重な時間だし、妻にはその間、好きなことをしてもらいます。家族みんなで、子どものお稽古ごとを楽しんでいる感じかな。また、教室には10数人〜20数人の子どもが一斉に集まるので順番に並ぶこと、ぶつかったら謝ること等、“ルール”も学べる。我が家のように保育園にも通っていない子どもにとって、初めての(家の外での)学びの場にもなっています。月1万円ちょっとの会費で、休館日以外は毎日行けるので、体調を見ながら、都合のいい時に行けるところも気に入っています」(Kさん)

続いては30代ママのAさん。日頃は自営でお仕事をしながら子育てもしているAさんですが、娘の英会話教室は、最優先のスケジュールになっているそうです。

「私も夫も学生時代は英語が苦手で、高校、大学と入試のたびに大変な思いをしました。娘には外国人の中でも気後れしない語学力を身に付けてほしいと考え、生後6か月でベビー英会話の教室に入会させました。週に1回、ネイティブの先生が人形やおもちゃを使って話しかけたり、英語の歌を歌ったりするクラスです。それ以来、少しでも慣れるようにと、家で見せるのは、英語の歌のCDやDVDばかり。1歳半の頃、日本語もほとんどしゃべらなかったのに、青いブロックを指さして『ブルー』と聞こえる声を出したんです(笑)。今3歳で、日本語も上手になりましたが、ネイティブのような発音の英語が時々、娘の口から飛び出すことがあります。先生にもよくなついているので、これからも続けていきたいと思っています」(Aさん)

育休を楽しみたかった30代ママ・Sさん。でも、赤ちゃん連れのお出かけは、周りに気をつかうことが多くて、なかなかできなかったと言います。そんな時、渋谷のカフェで、ベビー向けの教室が開かれていることを知りました。

「ママ雑誌で見つけたベビーサインのお教室。育休中で時間があったし、一回払いというので、生後6か月の息子ととりあえず試してみようと行ってみました。一生懸命世話をしているのに、コミュニケーションができない子どもと2人だけの時間が、ちょっと退屈だったこともあります。3か月間で10回ぐらい通い、少しは反応があるようにも見えましたが、そのうち職場復帰して、息子は保育園に通い始めたので、ベビーサインを覚えたかどうかはよく分かりません。でも、私にとっては、息子を連れて、おしゃれをして出かける場所があることがとっても新鮮で、楽しい経験でした」(Aさん)

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また、自治体も子育て支援策として、赤ちゃんとママのためのお教室を開いています。地域の施設で、赤ちゃんとの遊び方を教えてもらったというのは、東京都にお住いの30代ママ・Mさんです。

「近所の児童館でベビーリトミックのお教室をやっていると知り、『参加費無料』につられてのぞきました。初めていった時、息子は4か月だったのですが、歌に合わせて、体をさすったり、指でトントンしたりすると、楽しそうに声をあげて笑うんです。初めての子育てで、『いないいないばあ』くらいしか知らなかった私にとって、『赤ちゃんと遊ぶってこうするんだ!』と目からウロコのような感覚だったのを覚えています。それからというもの、1歳になって、私が復職するまで通い続けました。もうすぐ2歳なる息子は、今でもダンスが大好き。早めに晩御飯を食べた日は、二人で踊って、笑い合って。一番幸せな時間です。区民センターとかでも、赤ちゃん向けのいろいろなプログラムがあるみたいです。ほとんど無料で受講できるので、気軽に行けておすすめですよ」(Mさん)

お稽古ごとを始めることで、赤ちゃんは家から出て、それまでとは違う新しい世界を経験することになります。また、ママやパパにとっても、赤ちゃんの成長を実感し、子育ての喜びを感じる時間になるようです。さらにママ友との子どもたちを交えた新しい付き合いも始まり、赤ちゃんとだけ向き合っていた新米ママのなんとなく孤独な毎日に、活気を与えてくれるという効果もあるようです。

小さな成功体験をいっぱい積み重ねて、「知識欲」や「やる気」のある子に育ってほしいもの。赤ちゃんの成長を実感したら、「できたね」、「いいね」とたくさんほめてあげましょう。パパ・ママの笑顔が増え、家族のきずなが深まるなら、「0歳からのお稽古ごと」は赤ちゃんをきっと幸せにしてくれますよ。

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