イクジイ・イクバアは当たり前? 子育ての現在形“3世代育児”のススメ

2017.09.07

ミキハウス編集部

「祖父母手帳」で3世代育児を応援するさいたま市の例

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3世代育児を促進する活動は行政側でも積極的に行われています。中でも、埼玉県さいたま市が平成27年12月に発行した「さいたま市祖父母手帳」は、同市が実施している「孫育て講座」とともに、話題を呼んでいます。

そこで、さいたま市こども未来局こども育成部子育て支援政策課の小池祐司課長補佐に、お話を伺いました。まずは祖父母手帳の狙いについて、小池さんはこう言います。

「第一には、最近の子育て情報を祖父母世代に理解してもらうことです。『抱きぐせは気にしなくていい』『母乳の場合は、赤ちゃんが欲しがったら授乳する』など、子育てに関する常識は変わっていますからね」

さいたま市祖父母手帳には、「親世代との上手な付き合い方」、「子育ての常識の昔と今の違い」、「孫とお出かけスポット」、「孫育てを支えるサービス」など、現代の子育てに必要な情報が分かりやすくまとめられています。

「この冊子はシンプルに情報として大変役に立つと思います。ただそれだけでなく、この冊子をきかっけに、子育てや孫育てについて話し合うきっかけにしてもらえたらうれしいです」(小池さん)

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初版の祖父母手帳1万部は、配布を始めるとすぐになくなり、3世代育児への関心の高さに担当部署の方たちは驚いたそう。3世代育児への関心はさいたま市に限ったことではありません。

実際、祖父母世代に子育ての手伝いを期待する親世代の声は、地域を問わず多く、内閣府が平成25年に行った「家族と地域における子育てに関する意識調査報告書」(※参照)で、「理想の家族の住まい方」(報告書19ページ参照)をたずねたところ、20.6%が祖父母と同居、31.8%が祖父母と近居と回答しています。また、子育てについても「子供が小学校に入学するまでの間、祖父母が育児や家事の手助けをすることが望ましいか」(同50ページ参照)の問いに「そう思う」と答えた人はなんと8割近くに上ります。今、子育て世代が、イクジイ・イクバアを強く望んでいる、とも言えます。
(太字、下線は編集部によるもの)

 

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