――どの国の人も、子育てをできることなら頑張りたいという思いは共通しているみたいですね。日本でも「イクメン」という言葉が使われるようになり、子育てにもっと関わりたいという男性の声が少しずつ大きくなってきています。みなさんからみて、日本人男性の子育てへの関わり方はどのように映りますか?
盛さん:同僚の日本人を見ていると、子どもと一緒にサッカーをしたり、子どもを連れて公園に行ったり、積極的な人も結構多いという印象です。ただ、あくまで仕事が一番で、二番目に子どもという感じではないでしょうか? たしかに、生活のために仕事をしてお給料はもらうことは大事ですが、子どもと過ごす時間はお金で買えない、かけがえのないものだと思います。私は「仕事と子ども、どちらが大事?」と聞かれたら、自信をもって「子ども」と答えます。
ベンさん:子育てをやりたいと思っても、その環境が整っていないと、それはきれいごとで終わってしまいますよね。フランスでは、社会が子育てを応援しようという空気が強いですが、まだまだ日本ではそれが弱いかもしれません。だから、日本人の男の人は、ちょっとかわいそう。
クリスさん:日本人の男性だって子どもが好きだし、もっと子どもと一緒に時間を過ごしたいと考えていると思います。ただ、実際に日本でそれを実現するのは難しいのではないでしょうか? みんな、キャリアや出世に集中しすぎているから。上司に誘われて飲みに行ったり、残業ばかりしたりしていたら、会社でエネルギーを使い果たしてしまって、子どもと十分に触れ合うことはできませんよね。
――なるほど、たしかに日本人の男性は、ときには家庭も顧みずに仕事に全力投球してしまっているかもしれません。家庭に持ちかえるエネルギーを残して仕事をする――そんな働き方ができる社会に変わっていかなければ「仕事と子育て」の両立はきれいごとになってしまいますね。