【座談会】日本に住む外国人パパに聞きました!
日本の“イクメン事情”どう思う?

ミキハウス編集部

子育ては義務ではなく、むしろ進んでやりたいこと

――今日は4か国のパパたちにお集りいただきました。みなさん30代、お仕事も大変忙しいなか、日本で仕事と子育ての両立を実践されていらっしゃいます。まずは、普段の生活のなかでお子さんとの関わり方についてお聞きしたいと思います。また、奥さんとの役割分担についても教えてください。

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金在光さん(以下、金さん):仕事から早く帰ることができたら、お風呂は必ず私が一緒に入るようにしています。また、韓国語も習得してほしいと思っているので、韓国語で話しかけたりするのも私の担当ですね。幼稚園の送り迎えは、時間的な問題からすべて妻です。その代わり、週末や休日はできるだけ子どもと遊ぶようにしています。つい最近は、代休をとれるタイミングがあったので、会社を休んで家族で七五三の写真を撮りにいきました。

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ベンジャミン・ロシェさん(以下、ベンさん):私の家は、子どもがまだ3ヶ月の赤ちゃんなので、母乳をあげることなど、妻に負担が多くかかってしまっています。少しでも妻が休めるように、赤ちゃんをお風呂に入れたり、オムツを替えたり、家の中を掃除したりなど家事も含めできることは手伝っています。それらはけして嫌々やっているわけではなく、かわいい子どもと触れ合う時間でもあるので、まったく苦じゃありません。また、子どもにとって私は“おもちゃ”みたいで、娘は私の顔を見て喜びますね(笑)。アンパンマンだと思っているのかもしれません。

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クリストファー・マーサーさん(以下、クリスさん):仕事は、だいたい夜の10時に終わって、家に帰るのは11時ぐらいです。そのため、妻と息子は寝ていて、一緒に時間を過ごせないことも多いです。でも時間のある朝は、朝食を作ったり、息子を公園に連れて行ったり、できる限りのことをしています。また、料理が好きなので、「僕が料理を作るから、リラックスしていて」と伝えることも多いですね。とにかく、僕が家にいるときは「妻にリラックスして」とよく声をかけます。僕がなにかできるかとしたら、家にいるときだけなので。

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盛忠堯さん(以下、盛さん):平日は早めに帰って、子どもと一緒に本を読んだり、週末は朝早く起きて娘の自転車の練習に付き添ったりしています。私はエンジニアなので単にテレビを一緒に見たり、ゲームをするだけではなく、子どもと一緒にロボットを作ったり、ものづくりの展示会を見に行ったりもします。そうすることで、職場だけだと狭まりがちな視野が広がり、自分にとっても刺激になります。家事については、役割分担というのは特にはありません。食事の準備については妻に任せていますが、それ以外の家事はふたりのチームワークでやっています。

――みなさん、忙しいなかでも自分の得意分野を活かしながら、奥さんと協力して子育てしているようですね。一方で、「男性は外で働き、女性は家にいて子育てをする」というような性別によって役割を分担するという考え方もありますが、みなさんの国ではいかがですか? 特に、日本も含めたアジアにその傾向が強いのではないかと思うのですが。

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金さん:かつては、韓国でもそういう考えがあったと思います。しかし、私と同世代の30代以降は共働き世帯が多いので、男女で分担して子育てをすることが徐々に浸透してきました。今、韓国の若い夫婦の共働き率は高いですから。

盛さん:中国でも、私の両親ぐらいの世代から共働きが一般的で、子育ても男女協力してやることが普通になってきています。私もその姿を見て育ったので、それに対し違和感はありませんでしたね。

――フランスやアメリカはいかがですか?

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ベンさん:北欧には及びませんが、フランスも男女平等の意識の高い国です。私の家庭では、父は積極的に料理をしていましたし、母は里親になって他の子どもを預かったり、里親を支援したりする仕事をしていたので、家で仕事をしている姿を見せてくれました。ですので「男性が外で仕事をする、女性は家で家事・子育てをする」とかを性別で決めるのではなく、個人の特性によって役割を与えればいいのではないでしょうか? 男の人でも家事や育児が得意な人もいますから。

クリスさん:アメリカも男女平等の意識は高く、子育てをシェアすることは当たり前です。私もよく父が家で料理をしているところを見てきました。私が料理するのが好きなのもそのせいかもしれません。

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