――ご両親の育児への向き合い方に影響を受けて、子育てへの意識が高まった方も多いようですね。現在、日本で生活しながら子育てされているみなさんは、自国のパパと比べても、子育てに積極的だと思いますか? それぞれの国と日本とでの働き方の違いや、企業が「仕事と子育ての両立」に理解があるかないかなどでも違ってくると思うのですが。
金さん:私は、自国のパパたちと比べて育児に積極的な方だと思います。先ほどもお話したように、韓国でも男性の子育て参加の意識は高まっています。ですが、女性の育児休暇が3ヶ月しかもらえないなど、産前産後の労働環境が整っていないため、出産したら仕事を辞める女性もいまだに多いです。そのため、経済的な負担が増えて仕事が忙しくなった男性が、子育てに関わりたくても関われない状況にあります。
――日本においても同じような側面があるかもしれませんね。ちなみに女性の産休制度を各国で見てみると、日本は産休14週間・産休中の手当は給料の67%ですが、フランスは16週間で、手当は給与の100%となっています。アメリカは12週間と日本よりも少なめで、産休中の手当は州により異なるようです。
ベンさん:フランスでは、子育ては“社会でするもの”です。男性も育児休暇をとることが社会のなかで一般的になりつつありますし、高校卒業まで学費も無料なので、物理的にも経済的にも余裕をもって子育てできる環境があります。日本にいる外国人としては頑張っている方だと思いますが、フランス人の子育てと比べると、私はまだまだだと思います。
クリスさん:子育てに積極的になろうと意識するまでもなく、アメリカでは男性が育児に参加することは当たり前のことです。私の妻の友人の日本人たちは、私が子育てをよくやっていると褒めてくれますが、アメリカのパパたちと比較すると平均的なレベルです。自分ではもっと手伝うことができると考えています。
盛さん:私は積極的な方だと思いますね。中国は共働きの夫婦が多いため、双方の両親が子どもの面倒をみてくれることが多いです。子どもにとっては、祖父母と仲良くなれるのが良い点ですが、甘やかされてしまうという困った問題もあります。外国の地で大変ですが、私は日本で、自分たちの力で子育てすることを選択しました。中国は競争が激しく、ストレスも多いため、子育てはさらに困難のようです。私の日本での子育ての様子を、中国人の友達にうらやましがられるときもあります。