子宮内膜症の主な症状は、月経時の強い痛みと不妊です。
「痛みの強さは内膜症ができた位置に関係しています。痛みが強くて学校や仕事を休まなければならなかったり、家事ができなくなったりするのはつらいですよね。子宮内膜症の痛みは毎日を幸せな気持ちで快適に送るための尺度であるQOL(Quality Of Life/生活の質)が著しく低下する原因になってしまいます。また排卵障害、受精障害、着床障害など不妊にもつながります。子宮内膜症患者の30~50%が不妊症であり、不妊症患者の25~50%に子宮内膜症が見られます」(吉村先生)
それでは子宮内膜症を予防する方法はあるのでしょうか。日本子宮内膜症啓発会議がまとめた「子宮内膜症Fact Note」(※2)によると、子宮内膜症の前兆となる月経困難症を器質性月経困難症と呼ぶそうです。
この月経困難症が進行して子宮内膜症になり、卵巣の子宮内膜症は将来卵巣がんになる恐れもあると言います。
(出典:子宮内膜症Fact Note/日本子宮内膜症啓発会議)
「女性には月経の痛みぐらい我慢するものという意識があるために、受診せずに市販の鎮痛剤でやりすごす人も多いのですが、治療しないと病気は進行してしまうかも知れません。器質性月経困難症や子宮内膜症であれば根本的な治療が必要です」(吉村先生)
子宮内内膜症には“痛み”という自覚症状があるわけですから、病気のサインを見逃さず早期発見と早期治療を心がけたいですね。