ミキハウスが3月に行ったベビークラブ会員さまを対象としたアンケートによると、多くのママ・パパが1歳のお誕生日の前に赤ちゃんとのはじめての旅行を楽しんでいることがわかりました。
「赤ちゃんと行くはじめての旅」(前編)では旅行ジャーナリストの村田和子さんに旅行の計画の立て方や宿泊先選びを教えていただきました。続く後編では、交通手段や旅行に便利なグッズなども取り上げていきます。
車と公共交通機関、それぞれの使い方
おむつに着替え、授乳のための道具など赤ちゃん連れの旅は荷物が多くなりがちです。車は便利ですが、週末や連休などで道路が渋滞すると、授乳やおむつ替えなどをしたくても駐車もままならないこともありますね。
一方、公共交通機関を使えば予定通りに目的地に着くことはできるものの、赤ちゃんと荷物を抱えて慣れない場所を移動するのは大変です。
車、鉄道、飛行機……それぞれの交通手段について、気をつけるべきことについて旅行ジャーナリストの村田さんにお聞きしました。
【車と鉄道、移動中に気をつけたいことは?】
「個室で周りに気兼ねがいらず、いろいろなトラブルに対応しやすいという点では、車移動はおすすめです。高速道路については、首都圏ならすべてのSA・PAの女性化粧室におむつ替え台が設置されているなど、整備も進んでいます。授乳室の有無、観光や休憩ができる施設もあるので確認しておくといいですね。一般道を走る際には、道の駅やショッピングセンター等、同じようにお世話ができる場所に目星をつけておきましょう。
鉄道利用でちょっと遠出をする場合、特急や新幹線では、座席の位置はデッキに近い席や通路側の席などは、赤ちゃんが泣いてもサッと立ってデッキであやすことができておすすめです。進行方向に向かって一番後ろの席は、座席の後ろの壁との隙間にベビーカーなど荷物を置けるので重宝しますが、訪日旅行者も増えて既にいっぱいということも。昨今、車内で荷物の置き場所に困ることも増えていますから、事前に送る、現地で借りるなど工夫をして、できるだけ荷物は少なくした方がいいでしょう。期間限定でファミリー専用の車両などを用意する新幹線もありますので、条件があえば利用してみるのも手です。また、ミルクの湯冷ましなどは、車内では提供がないので、準備をしっかりと。旅行が決まったらすぐに指定席を手配してください」
新幹線移動については、ベビークラブ会員の先輩ママもこんなアドバイスを教えてくれました。
※()内は旅行に行った時の月齢
「新幹線で夫婦2人赤ちゃん1人なら、早めに2人並びの席を予約すること。3人席の場合は通路側を取ること。オムツ交換できる多目的トイレの近くを取ること。授乳のために多目的室を使いたくても乗務員さんに声をかけないと開けてもらえないので、授乳の時間が近いなら乗る前にすませておくこと」(2か月)
【空の旅の心得は?】
続いては飛行機で移動する場合に気をつけたいこと。村田さんからこんなアドバイスをいただきました。
「やはり赤ちゃんの生理現象にどう対応するかですよね。おむつ替えは搭乗前に済ませ、機内ではおむつ替えができる化粧室を確認しておきましょう。そして耳。気圧の変化で離着陸時には耳がキーンと痛くなり、耳抜きができない赤ちゃんは不快感で泣いてしまうことが多いです。授乳したり、なにか飲み物を飲ませるなどして、赤ちゃんが不快に感じないようにすることが大事です。あとは機内の暑さ、寒さにも対応できるよう、着脱がしやすい重ね着スタイルで、気圧の関係で体も膨張するので締め付けのある服は避けましょう。ただ、どんなに準備をしても、泣く時は泣くのが赤ちゃんというもの。そんな場合、飛行機は “行き場”がないため、ママ・パパはあたふたしがちですよね。飛行機のCA(キャビンアテンダント)さんは、赤ちゃん連れの方には特に気を遣ってくれますから、手助けが欲しい時は遠慮しないで声をかけましょう。ただしLCCについては、サービスを最小限にして価格を安くしています。CAさんの役割も異なり、座席も狭いので抱っこしての移動はちょっと大変な点は心得てください。飛行機は、赤ちゃんが泣かないかと心配される親御さんも多いですが、私のように子育て経験者や親御さんに理解のある方も多く乗っています。言葉がわからない赤ちゃん連れには寛容な方も多いので、あまり気負わず旅を楽しんで欲しいと思います」(村田さん)
鉄道同様、空の旅も事前の席予約が快適な旅のポイントになると村田さんは言います。航空会社にもよりますが、大手の場合はファミリー向けのサポート窓口があるので、予約時に赤ちゃん連れであることを伝えて、希望の席が確保できるよう相談してみてください。
また公共交通機関での移動の場合、重い荷物は宅配サービスで宿泊先に送るのもオススメですよ。