赤ちゃんの皮膚に付いた汗やハウスダスト、食物などの汚れは、皮膚を刺激するだけでなく、アレルギー疾患の原因にもなることが分かっています。皮膚の表面を清潔に保つために入浴やシャワーは欠かせません。
「赤ちゃんの皮膚を清潔に保つために、汗や汚れはよく泡立てた石けんで落としてあげましょう。でもガーゼやスポンジ、ナイロンタオル、ボディブラシを使ったり、原液のままの液体石鹸を使うのはNGです。石けんの成分が残ってしまうと、皮膚を傷めてバリア機能を低下させてしまいますよ」(水野先生)
赤ちゃんのからだを洗う時には、しっかり泡立てた石けんでやさしくなでるように洗うのが基本です。首、耳の後ろ、わきの下、腿の付け根の部分など、くびれた部分もていねいに洗いましょう。
「お湯だけで洗っていると、皮膚の細菌が毛穴で炎症をおこして毛嚢炎(もうのうえん)と呼ばれる小さなニキビのような湿疹ができることがあります。そのために石けんが必要なのですが、皮膚のバリア機能を破壊しないように、汗を流したり、おしりを洗ったりと1日に何度も赤ちゃんのからだを洗う時には、石けんを使うのは1日1回でいいでしょう」(水野先生)
「1歳ぐらいまでは顔や頭髪を洗う時も石けんがいいのではないかと思います。ベビーシャンプーを使うなら、成分が残らないように十分洗い流してください」(水野先生)
石けんで洗ったら、シャワーでしっかりとすすぎましょう。すすぐ時もしわやくびれの奥までていねいに。
「湯船に浸かるなら、新生児で38℃、乳幼児なら38~40℃ぐらいの低めのお湯に5分以内で十分です。熱いお湯に長く浸かりすぎると、皮膚の角質層表面の皮脂膜がお湯に溶け出してしまい保湿機能が奪われてしまいます」(水野先生)
入浴後はやわらかい綿のタオルでやさしく包みこむようにして、しっかりと水気を吸い取ります。決してゴシゴシこすらないように気をつけてください。頭髪はドライヤーで乾かすと皮膚も乾燥しすぎてしまうこともあるので注意が必要。タオルでていねいに拭いて自然乾燥させるのが望ましいです。