【専門医監修】これって妊娠? 妊娠超初期の“授かりサイン”

産婦人科医 / 吉村泰典先生

一般的に、プレママがお腹の赤ちゃんの存在に気づくのは、妊娠4週か、5週目ぐらいが多いと言われています。そこで今回は妊娠5週頃までの“妊娠超初期”にスポットを当て、ほとんど自覚症状がない中で起こっている体内の劇的な変化や、妊娠の兆候についてまとめてみました。

記事の監修は、慶應義塾大学名誉教授で産婦人科医の吉村泰典先生です。

【監修】吉村泰典(よしむら・やすのり)
慶應義塾大学名誉教授 産婦人科医

1949年生まれ。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる一方、第2次~第4次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。「一般社団法人 吉村やすのり 生命の環境研究所」を主宰。

受精卵が子宮内膜に着床したら、妊娠の成立です

まず理解しておきたいのは、妊娠の日数の数え方です。妊娠の始まりは受精の日ではなく、最後の月経が始まった日を0週0日としてカウントしていきます。その2週間後が排卵期ですから、精子と卵子が結合して受精卵となった時点で、すでに妊娠2週なのです。子宮の奥の卵管と呼ばれる場所でできた受精卵は、その後細胞分裂をしながら卵管から子宮へと移動していきます。

受精卵を待っているのは、ホルモンの影響で厚くふかふかになっている子宮内膜。受精卵が子宮内膜にもぐりこんで育ち始めることを着床といい、受精から着床までは約1週間かかります。受精卵が着床してはじめて妊娠が成立しますから、実は妊娠は3週目からスタートすることになります。この頃の子宮はまだ妊娠前と変わらず鶏卵ぐらいの大きさですが、赤ちゃんに栄養を与え、育てる空間としての機能を整えていきます。

受精卵が子宮内膜に着床したら、妊娠の成立です

妊娠4週になると、子宮内の胎児を覆っている直径2mmぐらい「胎のう」が超音波検査で確認できるようになります。妊娠5週には、数mmから1cmほどの大きさになり、その中で赤ちゃんは急激な発達を遂げています。妊娠5週~11週頃は器官形成期と呼ばれ、心臓、血管などの循環器や胃、腸の消化器、脳や脊髄の中枢神経の器官の原型が形成され始める時期なのです。

市販の検査薬で妊娠を確認できるようになるのは、着床して10日ほど経ってからです。妊娠していたとしたら、4週をちょっとすぎた頃。ただ、あくまで目安なので、もし検査薬で陰性だっだとしても、1週間待って月経が始まらないなら、もう一度検査をしてみることをおすすめします。陽性になったら、産科で妊娠を確認してもらいましょう。

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