赤ちゃんをお腹の中から外の世界に出すためには、陣痛だけではダメです。「いきむ」ということが必要になります。少し難しい言葉でいうと「娩出(べんしゅつ)力」。腹圧をかけなくてはならないのです。
腹圧は、腹筋があるかどうかはあまり関係がありません。いきんで、顔だけ真っ赤になる人がいますが、お腹の下のほうにいきまなくては、赤ちゃんは生まれてこないんですね。英語ではいきむことを“プッシュ”といいますが、赤ちゃんを下へ押し出すという感じです。
赤ちゃんは産道を通って生まれてきます。産道には骨産道と軟産道というものがあって、骨産道は骨盤の内側の骨の部分のことで、軟産道は子宮下部・子宮頸部・腟・外陰部の一部のことを指します。骨盤の形は生まれつきのものですが、お産が軽いかどうかに影響を及ぼします。また、軟産道は赤ちゃんが通りやすいように、うまく伸展させられることが理想ですが、産婦が高齢になると筋肉が硬くなり、伸展しづらくなります。これによって難産が増えることもあるのです。