その他の陣痛についても説明しておきましょう。
妊娠陣痛は、妊娠の経過中に起こってくるもの。軽くて不規則な子宮収縮で、通常痛みは感じられません。
前駆陣痛は、分娩が起こる前に起こるので分娩陣痛と間違える方もいらっしゃいますが、不規則なのが特徴。あるときは5分、あるときは20分、30分と間隔がまちまち。痛みも弱いです。
後産陣痛は、分娩が終わり、胎盤を外に出させようとするときに、子宮の収縮が起こって表われるもの。長さにすると2~3分です。
後陣痛は、後産陣痛と似た名前ですが、胎盤が出たあとに起こるもの。痛みの強さや周期は不規則な場合が多いのですが、一般的に経産婦のほうが痛みの自覚が強いといわれています。
僕は30年以上産科医をやっていますが、分娩後の女性がいちばん美しいと思います。陣痛のときは顔がくしゃくしゃになっていますが、分娩が終わったあと自分の産んだ赤ちゃんを見たときの顔は、それはそれはすばらしい。
立会い出産で男性が付き添うのはいいことですよね。出産の苦しみをパートナーと分かち合うと同時に、美しい女性の表情を見られるのは幸せな体験だと思います。
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陣痛は赤ちゃんがこの世に誕生する直前の“合図”なのですね。苦しいけれど、その痛みを忘れてしまえるのが母親の強さなのかも。きちんと理解して、できるだけ不安を取り除き、出産の日を迎えましょう。