赤ちゃんとの生活に慣れたら、そろそろ赤ちゃんとお出かけしてみませんか? 楽しみでもあり、不安もいっぱい……というママのために、子育ての先輩で、専門的知識もお持ちのプロにお話をうかがいました。NPO法人・日本子育てアドバイザー協会に在籍し、助産師として新生児のいる家庭を訪ねる「訪問指導員」をされている、田中淑恵さんです。
“都市伝説”を聞いてお出かけが怖くなったママも
世田谷区の訪問指導員になって15年。訪問した先のお母さんから、はじめてのお出かけに関する悩みや疑問を聞くことも多いです。
たとえば、「自分は外に出たいのだけれど、子どものためには出ないほうがいいんじゃないか」「はじめてのお出かけのことを考えると、夜も眠れない」と漠然と不安に思っている人や、「一度子どもと外出をしたら、知らない女性に『こんなに小さな赤ちゃんを連れだして。赤ちゃんの首が座るまでは外に出てはいけないのよ』としかられてしまった」「予防接種前に子どもを外に出すと感染症になるから」など、怖くなってしまった人、最初からお出かけがNGだと思っている人もいます。
「首が座るまで外出はダメ」「予防接種前だと感染症」というのは、エビデンス(根拠)のあることではなく、単なる“都市伝説”。今のおばあちゃん世代には、若い時に「首が座る前の小さな赤ちゃんは、ちゃんと寝かしておかなくてはいけない」といわれていた人もいて、それを信じて今のお母さんたちにも声をかけるのでしょうが、もし外出先でそんなふうにいわれたら、「『生後5か月です』といっていいです」と私はアドバイスしています(笑)。