今は、インターネットで買い物ができることもあって、本当にずっと家に引きこもった状態で、日中は赤ちゃんと二人きりで過ごすというお母さんが少なくありません。でも、子育ては一人ぼっちじゃできないんです。
赤ちゃんと一緒に外に出ると、赤ちゃんは外の世界で刺激を受けてうれしいし、お母さんも家の中で煮詰まっていた気持ちが解放されて楽しい。家で赤ちゃんと1対1でいると、赤ちゃんは夕方頃には飽きるのでグズグズ泣きますよね。泣き止まないとだんだん「近所の人に泣かせている」って思われる……となって、どんどんお母さんが暗くなってしまう。でも、そういうときに、ちょっと外気に触れるだけで赤ちゃんって泣き止むんです。気温や光の具合が変わって、風の音や車の音が聞こえる。皮膚刺激、聴覚刺激、視覚刺激など五感を全部使って外の世界を感じて、赤ちゃんはキョロキョロとまわりを見ます。刺激を受けることは心身の発達を促すことにもつながります。また、生活リズムを作るのにも外出は役に立ちますよ。
各自治体で、同じ月齢の子をもつお母さんたちが集まれる交流会やサロンを開いています。「外で赤ちゃんに泣かれたら肩身が狭い」というお母さんでも、そういうところなら気兼ねせずにすみますよね。訪問指導でも、気分の落ち込むことがあるのはみんな同じだし、みんなが集まるところにいってちょっとお話しをして、共有するだけで気持ちがすっきりするよとアドバイスしています。
まじめなお母さんほど、いろんなことを考えすぎて、外に出られないという状況になりがちです。地域で活動をする助産師や保健師など、お母さんの力になれる人間はたくさんいるので、ぜひ不安や悩みがあったら遠慮せずに相談してください。
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【プロフィール】
田中淑恵(たなか・としえ)
助産師のほか、保健師、看護師、鍼灸師の資格をもつ。病院勤務を経て、現在は世田谷区にて「赤ちゃん訪問」事業に従事。NPO法人・日本子育てアドバイザー協会所属。3児の母。