行政やNPOが運営する子育て中のお母さんをサポートするシステムには、さまざまなタイプのものがあります。そのなかで「ホームスタート・ジャパン」が提供するのは“家庭訪問型の子育て支援システム”。家庭訪問型と聞くと、家に来て家事を手伝ってくれたり、外出の際に子どもと一緒にお留守番をしてくれたり、といったサポートを思い浮かべるかもしれませんが、ちょっと違います。
「ホームスタート」のサポートは“お母さんの気持ちに寄り添う”をコンセプトにしたボランティア活動。いったい、お母さんの気持ちに寄り添うサポートとは? その活動内容を取材しました。
イギリスで始まり、世界22か国に広がる“家庭訪問型の子育て支援”
ホームスタートは、1973年にイギリスで始まった地域のボランティアによるピアサポート(同じような立場の人によるサポート)で、“友人のように寄り添うフレンドシップ精神”をポリシーとしています。「すべての子どもが良い人生のスタートを切れるように応援する」という意味で、ホームスタートという名前の活動になりました。
日本では、2006年に任意団体としてホームスタート・ジャパンが立ち上がり、2009年に特定非営利法人ホームスタート・ジャパンとなり、現在日本の70以上の地域で子どもと家庭の福祉向上のためのボランティア活動を行っています。
具体的には、地域の子育て経験者が、6歳以下の子どもがいる家庭を週に一度、約2か月間訪問し(1回あたりの訪問時間は2時間程度)、お母さんの話を聞いたり、一緒に外出したり、お母さんがしたいことを一緒にします。核家族が当たり前の現代、お母さんが孤立しないように地域との繋がりを作り、子育てに孤独を感じる“孤育て”に陥らないためのサポートを目的とした支援プログラムです。