近所にかかりつけ医を見つけましょう 
〜赤ちゃんが生まれたらやるべきこと(9)〜

2023.11.03

ミキハウス編集部

赤ちゃんは病気でなくても、定期健診や予防接種などで病院に行く機会が多いものです。慣れない子育てに不安がいっぱいの新米ママ&パパにとっては、近所に気軽に相談できるお医者さんがいると心強いですね。

そこで本記事では赤ちゃんが頻繁に通うことになる「小児科」を中心に、近所に “かかりつけ医”がいることのメリットなどをまとめます。

 

 

生活圏内に信頼できる小児科医はいますか?

生活圏内に信頼できる小児科医はいますか?

子どもは医学的に見ると“小さな大人”ではありません。成長過程の子どもならではのからだの特徴があり、子どもがなりやすい病気も存在します。大人のように自分で判断して、内科や耳鼻科など専門医を選べるわけではないので、アレルギー、感染症、消化器疾患などあらゆる分野において子どもの症例に詳しい小児科医の存在は絶大です。

小児科医は赤ちゃんの全身を総合的にみて診断を下し、適切な治療や投薬を行います。そして、もっと高度な検査や医療設備が必要な場合は大学病院などの大きい病院を紹介してくれます。

そのため、まずお住まいの近くに信頼できる小児科医を見つけられると、なにかと安心です。

街の病院で「○○小児科」や「△△子どもクリニック」の名称なら、先生は小児科医です。中でも日本小児科学会認定医、日本小児科学会専門医の肩書を持つ医師は、小児科のエキスパートとして認められた小児科医ということになります。

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多くの小児科の病院では予防接種や健診のための時間枠を設けたり、感染症の赤ちゃん専用の待合室を設置したりと赤ちゃんの健康を守るさまざまな配慮がなされています。

「内科」「小児科」など複数の診療科を掲げている街の病院では、子どもだけでなく、ママやパパも同じ先生にかかることができます。「小児科」「内科」のように最初に小児科があれば、小児科医が内科もみていると考えられます。いずれにせよ、「内科」「小児科」両方の診療科のある病院ですと、家族の病歴や健康状態を把握してもらいやすく、コミュニケーションもスムーズで赤ちゃんも安心して通えそうです。

なお日本小児科学会では、小児科が診療する対象年齢を「成人するまで」としています。ただし医療現場では、一般的には15歳以上になると、大人と同じ量の薬を処方できるようになるため、15歳から一般の内科へ移行することが多いようです。

 

大きな総合病院より、近所の小児科を

大きな総合病院より、近所の小児科を

大学病院など大きな総合病院にも「小児科」はあります。「総合病院のほうがいろいろな専門医がいて安心」と思うママもいるかもしれませんが、大きな病院は曜日や時間帯ごとに違う医師が外来診療を行っています。そのため、いつも同じ小児科医に診てもらい、かかりつけ医と呼べるような継続的な関係を築くことは難しいのが現実です。赤ちゃんに何か特別な心配事がある場合などを除いて、遠くの総合病院よりは、近くの小児科医のほうがよいでしょう。

それでは、どうやって信頼できる小児科医を探せばいいのでしょうか。一般的なアプローチを以下にまとめました。

口コミ情報を活用しましょう

まずは同じ地域に暮らすママ友や家族、友人の生の声がなにより参考になります。病院の設備やお医者さんの人柄、看護師などスタッフの雰囲気など、同じ目線で捉えた情報は貴重です。

オンラインリソースも活用を

レビューサイトや医療情報ポータルサイトで、評価や患者の書き込みを確認しましょう。SNSや地域コミュニティのオンライングループにも、参考となる情報が落ちているかもしれません。

また厚生労働省が提供している 「医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について」 も大変便利です。お住まいの都道府県のページ別に、欲しい医療情報が見つけられます。これは小児科に限らず、大人も利用できるのでぜひご活用ください。

都市部では、選択肢が多く、比較検討するための情報が豊富にありますが、その分、人気のあるクリニックは混雑しており、予約が取りにくい場合があります。地方では、クリニックの数が限られているため、選択肢は少なくなりますが、パーソナルなケアを受けやすい傾向にあります。

 

病院を選ぶ「選定基準」について

病院を選ぶ「選定基準」について

かかりつけにしたい小児科医の条件について考えてみましょう。

医師や看護師について

・診察がていねいで、説明がわかりやすい
・ママ、パパの話を親身になって聞いてくれて、質問に的確に答えてくれる
・赤ちゃんに優しく接してくれる
・処方する薬について効き目や注意点なども説明してくれる
・家庭内での看護の仕方についてきちんと教えてくれる

施設やアクセスについて

・玄関や待合室などがいつも片付き、清潔に保たれていている
・受付のスタッフが親身に対応してくれる
・感染症の赤ちゃん専用の待合室があるなど患者への配慮が見られる
・雨の日など出かけにくい天候でも、家から一人で連れていける場所にある

ネットなどで手軽に診療や予防接種、健診などの予約ができることも結構重要なポイントです。予約システムが整っていると、院内での待ち時間をできるだけ短くすることができ、院内感染リスクを下げられる効果も期待できます。

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これらすべての条件を満たす病院はなかなか見つからないかもしれません。また人によって考え方や感じ方は違います。どの小児科医をかかりつけに決めるかは、ママ、パパが自分たちの生活の中で大切にしたいことを考えながら選んでいくのがいいでしょう。

また軽い風邪や予防接種のときなど2、3回通ってみて、治療方針や病院の雰囲気を確かめてみるのもよいでしょう。いくつかの病院に行って、それぞれを比べてみると、「コミュニケーションがとりやすい」「診察がていねい」「赤ちゃんがリラックスしていた」など、病院の違いもわかるようになり、自分たちにとってよりよい、かかりつけ医を見つけることができそうです。

 

耳鼻科や皮膚科も、かかりつけ医を見つけられると安心です

耳鼻科や皮膚科も、かかりつけ医を見つけられると安心です

小児科以外でも、かかりつけ医があるとなにかと安心なのは「耳鼻咽喉科」。特に小さな赤ちゃんの場合、鼻や耳のトラブルは日常茶飯事です。小児科でも診てもらえますが、耳鼻咽喉科にもかかりつけのお医者さんが見つかると、より安心できるのではないでしょうか。

たとえば鼻詰まり。大量の鼻水で息苦しそうだったり、それが原因で寝付きが悪かったりすると、赤ちゃんもかわいそうですし、ママもパパも心配で仕方ありませんよね。そんなときは、自宅で鼻吸引をする方もいらっしゃると思うのですが、過度な吸引は、風邪で炎症を起こしている粘膜を刺激し、炎症を悪化させることにもつながります。
ある程度は自宅で対応しつつも、つらそうな状態が続くようであれば耳鼻咽喉科など鼻吸引をしてもらいつつ、同時に症状を診てもらってください。

また小さな子どもは中耳炎にかかりやすく、特に生後6か月から2歳ごろまではよりかかりやすいといわれています。乳幼児期には正確に自分の症状を伝えられないことも多いので、気づいたら悪化していたということもよくあるそう。当然、小児科でも診断、治療はできます。しかし、症状が重い、繰り返しかかるような場合には、耳鼻科での治療が必要となります。

最後に皮膚科です。やはり赤ちゃんや小さな子どもにとって肌トラブルはつきものなので、専門的な知見のある皮膚科医さんを見つけられるといいかもしれません。もちろん、まずは小児科で診てもらうことが大前提ですが、数日しても状態がよくならない場合は、皮膚科で改めて受診していただくのがいいでしょう。

 


 

小児科医をはじめとして、耳鼻科医、皮膚科医といった専門家に気軽に相談できる環境を整えること、信頼関係を築くことで、何かあったときに迅速かつ正確な対応を受けることができます。わが子の健やかな成長を支えるための第一歩として。また家族にとっての安心のために。ぜひ信頼できるかかりつけ医を見つけてみてください。

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