【2か月ごろから】
■にぎにぎ
手を開いたり閉じたりするだけのあやし遊びです。赤ちゃんと目をあわせ、ぐーぱーの動作をしながら「にーぎー、にーぎー」とゆっくり声をかけます。パパの手と声だけでできます。「そんなことで喜ぶの?」と思うかもしれませんが、赤ちゃんにやってあげるとうれしそうな顔をします。
赤ちゃんと目をあわせて、ゆっくり繰り返したら、少し待って赤ちゃんの様子をみましょう。赤ちゃんは動作をじっと見つめた後、口や手足でうれしさを表し、月齢が進むと自分で手足を動かすようになります。赤ちゃんが興味を持っている間は、繰り返し遊んであげましょう。
【6か月ごろから】
■あわわわわ
■ぱっぱっぱ
■れぇろれぇろれぇろ
これらは口を使う遊びです。“あわわわわ”は、「あー」と声を出しながら、手のひらでパパの口をたたきます。インディアンの真似をするような感じです。“ぱっぱっぱ”は、「ぱっ」というときに出る破裂音を聞かせてあげましょう。“れぇろれぇろれぇろ”は、舌で上くちびるをなでながら「れぇろれぇろれぇろ」と言ったり、舌をべーっと出して左右に動かしながら「れぇろれぇろれぇろ」と言うと、おもしろい音が出ます。7、8か月ぐらいになると動くものに関心を示すので、そのうちパパの真似をしようとします。口を動かす遊びは、言葉の発達につながります。ミルクを飲むときと異なる口の動かし方は、かむ動作にもつながり、かむ力や舌の力が鍛えられ、離乳食への準備ができ、言葉を発するためにもいい影響を与えます。
【首が座ったころから】
■ばんざい
まだ言葉をもたない赤ちゃんに、ジェスチャーで「ばんざい」「ばいばい」をすると、だんだんとそれがコミュニケーションに近い形になります。「ばんざい」は、両手を挙げてみせてあげましょう。赤ちゃんが真似してできたら、そのまま「できたー!」「やったー!」の意味になりますので「できたー!」と褒めてあげます。パパが赤ちゃんの手足を持って無理に動かすのではなく、動かしたいときに赤ちゃんが自分で動かすのが基本。この積み重ねで意欲が育ちます。
■いちりにりさんり
これはわらべうたのひとつ。わらべうたといってもメロディがあるわけではありませんが、「いちり~(一里)」で足首、「にり~(二里)」でふくらはぎ、「さんり~(三里)」で太ももを握ってあげて、「しりしりしりしり~(四里:お尻とかけている)」で腰の辺りを持ってゆする遊びです。赤ちゃんは、「しりしりしりしり~」でくすぐられことがわかってくるので、その期待通りにこたえてあげることが親子の信頼関係をつくります。ゆするタイミングをちょっと変えてあげると楽しんでくれます。声は高めにしたほうが赤ちゃんの反応がいいです。歌もまたかむ力、舌の力、発音のために効果があるといわれています。
■いない、いない、いたー(ハンカチ遊び)
赤ちゃんとのかくれんぼ遊びは、感情や認知力を育てることにつながります。見えなくなる不安、また出会えることへの期待、再度出会えたときの喜びを体験させてあげましょう。最初は、パパがハンカチを赤ちゃんの顔にかぶせたり、とったりします。そのうちに、赤ちゃんが自分でハンカチをとるようになります。
「いない、いない、ばぁー」の方が一般的かもしれませんが、注意したいのは最後の「ばぁー」の部分。ついついここを強い調子で言ってしまいがちなので「いない、いない、いたー」をおすすめしています。
また、一生懸命おもしろい顔をしようとしてしまいますが、0歳児の頃はおもしろい顔をしてみせるより、いつも見ている優しいパパの顔が出てくるのを待っているものです。「いない、いない、ばぁー」とやって、出てくるたびに違う顔が現れたら、赤ちゃんにとってそんな恐怖なことはありません(笑)。おもしろい顔をしてあげるのは、2、3歳になってからにしましょう。これは要するに、「パパの顔が見えなくなってさびしい」という状態から、「出てきてうれしい」という感情を育てる遊びです。
喜ぶということでいえば、子どもは電池で動くおもちゃでも喜びます。けれど、あやし遊びは「あなたを楽しませているのはパパなんだよ」ということを赤ちゃんに伝え、関係性をつくることができます。また、実は喜ぶのは赤ちゃんよりパパかも。子どもが反応していることがわかると、パパはうれしくなって、もっとやりたくなります。そして絆が強くなるんです。
寝返りやハイハイをはじめると動くほうが楽しくなるので、寝返りするまでの赤ちゃんのほうが、あやし遊びに対する反応はいいですね。