妊娠をはじめて経験するというママなら、日々の自分の体の変化に戸惑ってしまうことも少なくないでしょう。妊娠前期はそんな新米妊婦さんにとっては、喜びを実感するとともに、驚きと不安が錯綜する毎日だと思います。
今回は、ミキハウスの会員限定コンテンツ「慶應義塾大学名誉教授の吉村泰典医師にインタビュー」より一部抜粋してお送りします!
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妊娠前期の悩み「つわり」はどうして起こるのですか?
Q.まず妊娠前期というのはどのような状態のことですか?
通常の場合は妊娠から3ヶ月としています。この期間は、体が非常に辛い時期です。つわりが起こってきたり、食べ物が食べられなかったり、初めて妊娠という体になっていくお母さんが、まだ自分の体に慣れてない時期なのです。
Q.つわりはいつ頃から起き始めますか?
妊娠の5週目くらいで妊娠反応が陽性になってきます。この妊娠反応が陽性になってくると、それくらいの時期からつわりが始まってくるんです。
つわりはおよそ妊娠3ヶ月くらいのタイミングで止まるのが一般的。ただ、4~5ヶ月まで続く人もいますが、これが何らかの病気であったり、後遺症を残すことはほとんどありません。「妊娠悪阻(にんしんつわり)」と言って、10人に1人ほどつわりが非常にひどくなるケースがありますが、この場合は、脂肪が分解され尿にケトンという物質が出ます。この状態が出ますと、点滴をして治療。ひどい場合は入院、絶食、そして点滴といった治療が必要になってきます。
しかし、あまりそういう認識を持たれていないかもしれませんが、赤ちゃんはお母さんにとって半分が異物です。なぜなら、半分はご主人でできているからです。つわりは、これに対する一種の拒絶反応と考えてくださればいいでしょう。ですから、つわりは起こって当然です。それに、1人目のつわりがひどくても、2人目全くつわりがなかったりと、そういうことも十分に起こりえます。
つわりの際、無理をしてでも母体のために食事をとった方がいいとされる意見もありますが、頑張って食べなくても問題ありません。その場合には水分だけをとりましょう。水分をとれない場合は、入院をして点滴をするといった治療で対処します。