子どもの写真をもっと素敵に プロが教えるスマホ撮影のコツ

子どもの写真をもっと素敵に 
プロが教えるスマホ撮影のコツ

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無邪気に笑ったかと思うと、ちょっとすねたり、甘えたり。イヤイヤと泣いている姿さえ、「かわいいな」と思うこともありますよね。そんなわが子の姿を残しておきたいと、スマホで撮影しているママ・パパは多いでしょう。

今回は、自身も2児の父であり、普段から子どもの写真を撮っているというプロカメラマンの今井裕治さんに、スマホのカメラでわが子をかわいく撮るコツを教えていただきます。

<プロフィール>
今井裕治(いまい・ゆうじ)
1974年千葉県生まれ。1999年都内スタジオ勤務を経て安達尊氏に師事。2003年フリーランスのカメラマンとして活動を開始以来、雑誌、web、広告など様々なシーンで活躍。

妻で料理家の今井真実の日々の料理を撮影、それをまとめたレシピ本『毎日のあたらしい料理』(KADOKAWA)も好評発売中。

 

スマホカメラの「キホンのキ」

スマホカメラの「キホンのキ」

目覚ましいスマホの進化。その中でもカメラ機能はバージョンアップするたびに、より高性能なものへと生まれ変わっています。プロのカメラマンとして最新の一眼レフカメラを使う今井さんも「誰でも簡単にきれいな写真が撮れる最近のスマホカメラはすごい。一眼レフには(簡単に)撮れないものでも、スマホで簡単に撮れてしまうこともある」と感じているそう。

ということで、知っていると写真の出来ばえがグンとよくなるスマホカメラの基本と撮影のコツを今井さんに伺いました。

 

■スマホのレンズは基本「広角」です。

スマホカメラの一番の特徴は「広角レンズ」を使っていること。

「普通のカメラの標準レンズに比べて、より広い背景を入れることができるし、ピントが合う範囲が広いので、遠くのものまではっきりと写ります。ただし画面の端になるほどゆがみやすくなります。

最新の機種にはレンズが3つ付いたものがあり、『超広角』と『広角(メイン)』、『望遠』で構成されています。『望遠』が、一般的なカメラの1倍のレンズに相当するので、ゆがみを少なくしたいのであれば望遠で撮影してみてください」(今井さん)

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①の写真は広角(メイン)で撮影したもの。つまり、スマホの「1倍」のレンズですが、こうやって近くで撮ると魚眼レンズで撮影したような効果があります。②の写真は、少し離れて望遠機能を使ったもの。背景の端もゆがみがなく撮影できています。

「少し離れたところから撮影できるズーム機能は、子どもの自然な表情をとらえたい時に便利です。一歩下がってズームを使うと、広角レンズ特有のゆがみが少なくなります。最近の望遠機能付きのスマホカメラはピンチアウト(拡大)すると自動で望遠レンズに切り替わり、きれいな写真が撮れるようになっていますが、拡大しすぎると画質が荒くなりますから気をつけてください」(今井さん)

スマホ画面に指を2本置いたまま広げることを「ピンチアウト(=拡大/ズームイン)」といいます。撮影時にもピンチアウトを上手に使うと、写真の幅も広がりますよ。

スマホ画面に指を2本置いたまま広げることを「ピンチアウト(=拡大/ズームイン)」といいます。撮影時にもピンチアウトを上手に使うと、写真の幅も広がりますよ。

 

■かわいい一瞬を逃さない連写

とびきりの笑顔を撮りたいときは連写機能が便利。iPhone11以降の機種なら、シャッターボタンを左にスライド、アンドロイドやiPhone X以前のスマホならシャッターボタンを長押しで連写ができます。

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「子どもは表情がころころ変わるし、動きまわりますから、いい瞬間を狙ってシャッターを押すのはすごく難しい。連写は子ども写真に欠かせない機能です。連写機能をどんどん使ってたくさん写せば、お気に入りの1枚が撮れますよ。逆に変顔が撮れてもそれはそれで思い出になります。いろいろな瞬間が切り取れるのが連写のいいところかなと思います」(今井さん)

 

■自然な色を再現するHDR

スマホカメラにはHDR(High Dynamic Range)という機能が付いています。HDRは明るさの違う複数の画面を瞬時に合成し、明暗の差を自動的に調整してくれるので、スマホカメラでは逆光や暗い場所でも簡単にきれいな写真を撮ることができるのです。

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下の①の写真は青い空に太陽が写っていて、逆光で暗くなるはずの顔の表情まで写っています。②の写真も同じで、髪の毛から透ける日光に日差しの温かさを感じる1枚になりました。

「今までのカメラだと、逆光で写真を撮るために手前の子どもに合わせて絞りを調整すると、空が真っ白に写ってしまうものでした。でも上の2枚は子どもの顔だけでなく、空も雲もきれいに写っていますよね。HDRなら誰でも簡単にきれいな写真が撮れるんです」(今井さん)

撮影するときに気をつけるべきこと(基本編)

■子どもと目線が合う位置で構えます

子どものいきいきとした表情をとらえるために、子どもの目の高さにカメラを構えましょう。

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「大人が立ったままで子どもを見下ろして撮ると、広角レンズのスマホのカメラでは写真がゆがんでしまいます。子どもの目の高さでスマホをまっすぐに立ててシャッターを押すと、かわいい表情がそのままに撮れますよ」(今井さん)

 

■ハイハイの赤ちゃんはスマホを逆さにして

うつぶせやハイハイをしている赤ちゃんの顔は床に近すぎて、スマホで写すのは難しいですね。そんな時には「逆さスマホ」を試してみましょう。

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■背景と子どもをバランスよく画面に配置する

高い建物や大きな像の前で写真を撮ってみたら、人物が小さく写ってしまって、残念な思いをしたことはありませんか? これも一点だけ意識すれば、回避できます!

「背景に入れたい建物の前に子どもを立たせて撮影すると、人物が小さくなってしまいます。まず背景が入る場所でカメラの位置を決めてから子どもを近くに呼びましょう。それなら建物と子どもをバランスよく配置することができます」(今井さん)

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①の写真は建物を全部入れようとして子どもが小さくなっています。②は背景が入るようにカメラの位置を決めてから、子どもを呼んで撮ったもの。顔の表情もしっかり入りますね。

 

■安定感のある写真が撮りたい場合

子どもの動きを追いかけて撮影していると、背景が斜めになっていることがあります。安定感のある写真にするには、できるだけ水平や垂直のラインを意識しましょう。

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「塔や木が傾いている下の①の写真は、躍動感があって面白いけれど、ちょっと不安定な感じがします。②は水平と垂直を意識して撮ったもの。安定感のある写真になっていますね。普段のスナップではここまで意識する必要はないかもしれませんが、七五三や入園・入学などの記念写真を撮りたいときは、これを意識するときれいな写真が撮れると思いますよ」(今井さん)

グリッド線と呼ばれる補助線を出して撮影すれば、かなり水平・垂直を意識した写真になります。

「水平・垂直は、仕事では意識しますけど普段子どもを撮影するときに意識することはほとんどないです(笑)。なので、記念撮影のとき『ちゃんとした1枚』がほしい時は意識してください。それよりも、『シャッターチャンス!』と思ったらスマホの角度を少しずつ変えながらたくさん写真を撮っておくといいですよ。いろんな写真が撮れますし、失敗作かなと思っても、子どもたちに見せると『これ、面白い』と喜ぶので親子で撮影を楽しんでいます」(今井さん)

 

■柔らかい印象にしたいなら、光の当たり方を調整して

お天気のいい日に外で写真を撮ると、日の当たっている部分と影の部分のコントラストが強くなりがちです。

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①の写真は陰影により、顔の凹凸がはっきりと出ます。②は子どもの顔に直射日光が当たらないよう撮影者のからだで日差しを遮って撮ったもの。こうすると顔がすっきり見えますね。陰影を押さえて、すっきり見せたいなら、近くに日陰があるなら移動してもいいですし、HDR機能搭載のスマホカメラであれば、逆光で撮ってもOKかもしれません。

「これも好みですね。わざとHDRを解除して、陰のある写真で日差しの強さを表現するという手法もあります。個性的な写真を狙うなら、トライしてみてください」(今井さん)

 

■広角レンズで起こりがちなゆがみを修正

冒頭で紹介したスマホカメラの標準レンズ=広角レンズという特徴は、 “背景を入れて自撮りをする”といった場合に便利な機能ですが、カメラの構え方によってはゆがんだ写真になりがちです。

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「①の写真は、近くで大人の目の高さから撮っています。そうするとスマホのレンズが下を向くので、画面は一層ゆがんでしまうんです。これを解消するために、②では少し離れたところから、できるだけカメラを立ててズームで撮影してみました。もちろん、あえてゆがませる、というアイデアもいいとは思います。広角レンズは使い方次第でいろいろな写真が撮れることを知っていただきたいです」(今井さん)

撮影するときに気をつけるべきこと(応用編)

■背景と人物の配置とバランスを変えてみる

撮影に慣れてきたら、「こんな写真を撮ってみたい」とイメージが膨らむこともあるでしょう。「背景と子どものバランスと配置を変えるだけで、写真の印象は変わります」と今井さんは言います。

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「背景の広がりが欲しいなら、①のような横位置の写真の方がパノラマ感が表現しやすいんです。左側に余白を作った②では視線が気になりますよね。③のように右上の余白が大きいと端に立っている事が強調されてさみしそうに見えます」(今井さん)

画面の中の子どもの位置や余白の大きさを変えると、雰囲気が違う写真になりますね。どんな写真にしたいかで使い分けたいテクニックです。

 

■隠し撮りも思い出になります

わが子のとびきりの一瞬を残したくてカメラを構えると、とたんによそゆきの顔になってしまう、なんてよくありますね。「隠し撮りなら、いつもの表情が残せます」と今井さん。下の3枚はいずれも子どもに気づかれないよう撮ったものです。

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「スマホで子どもの顔を大きく撮ろうとすると、近づかなければいけません。大人だってカメラを目の前に構えられては自然に振舞ってくれと言われても難しいですよね。そういうときはズーム機能をつかって、ちょっと離れた場所から撮影するといいんです。これならママ・パパの記憶の中にある子どもの姿をそのまま残しておくことができますよ」(今井さん)

食事中の何げないしぐさ、夢中で遊ぶ姿など日常の様子を隠し撮りで写真に残しておけばいい思い出になりそうですね。

子どもが2~3歳になれば、ママ・パパが写真を撮った後に「どんなのが撮れた?」とスマホをのぞきこんでくるかもしれません。

「僕の経験では、ほとんどの子どもは自分の写真を見るのが好きです。ママ・パパが『かわいいな』と思いながら撮った写真にはその気持ちが表れていますからね」(今井さん)

写真を会話のきっかけにして、子どもとのコミュニケーションが広がるといいですね。

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編集、保存・共有機能について

最後に、写真の編集や保存・共有について。

■写真を編集したい時

撮影した後で、構図や色合いが気になる時は、編集機能を使いましょう。背景が広すぎたらトリミングし、写真が傾いていたら、水平、垂直方向を修正して直せます。写真の明るさや濃淡の度合いも変更することができます。

「例えば横から夕陽が当たって横顔が真っ黒になってしまった写真の場合、『露出』を上げると全体的に明るくなります。一方、『シャドー』を上げると黒っぽい部分だけ明るくなるから柔らかい印象になります。『コントラスト』を上げると白いものはより白く、黒いものは黒くなる。役割が違ういろんな調整機能が付いていますから、好みの色調になるよういじってみても楽しいと思いますよ」(今井さん)

強すぎる光の中で撮った写真でも、ちょっと薄暗い場所でも撮った1枚でも、編集機能を使いこなせば、何とかなりそうです。

 

■保存と共有

写真を保存する方法は4つ。
1.スマホ、パソコンに保存する
2.クラウドに保存する
3.外付けHDDやDVDなどに保存する
4.プリントして保存する

今井さんのおすすめは「プリントアウトしてアルバムを作る」というもの。

「スマホやパソコンは容量の問題、外付けHDDは故障する可能性もあります。実際、僕も壊れたことがあります。今のところ1番確実なのはクラウドサービスですけど、そうやって保存しても見なくなりませんか? DVDも同様にいいのですが、写真は結局、見なくなるんですよね。これはもう個人の価値観になっちゃいますけど、僕はプリントする派です。アルバムを作れば子どもも喜びますし、ママもパパも楽しいと思いますよ」(今井さん)

今井さんは、子どもたちの写真を自宅のプリンターで印刷して手製のアルバムを作り、子どもがいつでも見られるように置いているそうです。昔ながらのアルバムは家族で想い出を楽しむいい方法ですね。

また写真共有アプリを使えば、離れて住む祖父母や親せきにも子どもの成長を見てもらうことができます。容量が大きく質を落とさずに保存できるもの、新しい写真を追加すると共有相手にメールで通知が行くもの、健康管理機能が搭載されているものとさまざまなタイプのアプリがありますから、共有する相手や用途によって選べます。

 

※         ※         ※

便利なスマホをカメラとしても使いこなし、子どもの成長の記録を残して、共有したり、見返したりしているうちに、家族の絆は一層強まりそうです。今回紹介したスマホカメラの使い方を参考に、わが子の写真をたくさん撮ってくださいね。

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