■子どもと目線が合う位置で構えます
子どものいきいきとした表情をとらえるために、子どもの目の高さにカメラを構えましょう。
「大人が立ったままで子どもを見下ろして撮ると、広角レンズのスマホのカメラでは写真がゆがんでしまいます。子どもの目の高さでスマホをまっすぐに立ててシャッターを押すと、かわいい表情がそのままに撮れますよ」(今井さん)
■ハイハイの赤ちゃんはスマホを逆さにして
うつぶせやハイハイをしている赤ちゃんの顔は床に近すぎて、スマホで写すのは難しいですね。そんな時には「逆さスマホ」を試してみましょう。
■背景と子どもをバランスよく画面に配置する
高い建物や大きな像の前で写真を撮ってみたら、人物が小さく写ってしまって、残念な思いをしたことはありませんか? これも一点だけ意識すれば、回避できます!
「背景に入れたい建物の前に子どもを立たせて撮影すると、人物が小さくなってしまいます。まず背景が入る場所でカメラの位置を決めてから子どもを近くに呼びましょう。それなら建物と子どもをバランスよく配置することができます」(今井さん)
①の写真は建物を全部入れようとして子どもが小さくなっています。②は背景が入るようにカメラの位置を決めてから、子どもを呼んで撮ったもの。顔の表情もしっかり入りますね。
■安定感のある写真が撮りたい場合
子どもの動きを追いかけて撮影していると、背景が斜めになっていることがあります。安定感のある写真にするには、できるだけ水平や垂直のラインを意識しましょう。
「塔や木が傾いている下の①の写真は、躍動感があって面白いけれど、ちょっと不安定な感じがします。②は水平と垂直を意識して撮ったもの。安定感のある写真になっていますね。普段のスナップではここまで意識する必要はないかもしれませんが、七五三や入園・入学などの記念写真を撮りたいときは、これを意識するときれいな写真が撮れると思いますよ」(今井さん)
グリッド線と呼ばれる補助線を出して撮影すれば、かなり水平・垂直を意識した写真になります。
「水平・垂直は、仕事では意識しますけど普段子どもを撮影するときに意識することはほとんどないです(笑)。なので、記念撮影のとき『ちゃんとした1枚』がほしい時は意識してください。それよりも、『シャッターチャンス!』と思ったらスマホの角度を少しずつ変えながらたくさん写真を撮っておくといいですよ。いろんな写真が撮れますし、失敗作かなと思っても、子どもたちに見せると『これ、面白い』と喜ぶので親子で撮影を楽しんでいます」(今井さん)
■柔らかい印象にしたいなら、光の当たり方を調整して
お天気のいい日に外で写真を撮ると、日の当たっている部分と影の部分のコントラストが強くなりがちです。
①の写真は陰影により、顔の凹凸がはっきりと出ます。②は子どもの顔に直射日光が当たらないよう撮影者のからだで日差しを遮って撮ったもの。こうすると顔がすっきり見えますね。陰影を押さえて、すっきり見せたいなら、近くに日陰があるなら移動してもいいですし、HDR機能搭載のスマホカメラであれば、逆光で撮ってもOKかもしれません。
「これも好みですね。わざとHDRを解除して、陰のある写真で日差しの強さを表現するという手法もあります。個性的な写真を狙うなら、トライしてみてください」(今井さん)
■広角レンズで起こりがちなゆがみを修正
冒頭で紹介したスマホカメラの標準レンズ=広角レンズという特徴は、 “背景を入れて自撮りをする”といった場合に便利な機能ですが、カメラの構え方によってはゆがんだ写真になりがちです。
「①の写真は、近くで大人の目の高さから撮っています。そうするとスマホのレンズが下を向くので、画面は一層ゆがんでしまうんです。これを解消するために、②では少し離れたところから、できるだけカメラを立ててズームで撮影してみました。もちろん、あえてゆがませる、というアイデアもいいとは思います。広角レンズは使い方次第でいろいろな写真が撮れることを知っていただきたいです」(今井さん)