<妊娠前期の方へ>
やすのり先生のなんでも相談室 
妊娠中の体のギモンにお答えします!

ママのアレルギーは赤ちゃんに影響する? しない?

Q.お母さんがアレルギーを持っている場合、妊娠中の赤ちゃんの発育に影響はありますか?

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最近はアトピーといったアレルギーをお持ちのお母さんは少なくありませんが、妊娠経過中は悪影響を与えませんので心配する必要はありません。ただしアトピーに関しては、妊娠すると夏場は余計に汗かきますから、お母さんは痒みが増して辛いかと思います。しかし、お腹の中にいる赤ちゃんに対して影響を与えるとことはないと認識していただいて問題ないかと思います。

Q.妊娠初期はなぜ流産になりやすいのでしょうか?

流産というのは、皆さんが思っているよりも多いんです。だいたいどれくらいかと言いますと、8 人に1 人流産するんです。正常であっても8 人に1 人くらい。妊娠初期の時には、大体3ヶ月までくらいに流産するという事が多いのですが、流産の理由の7〜8割は染色体異常です。ある意味、神様がこの子は産まれても生きられないから早めに流産させてあげますよと言って流産しているとも言えます。

Q.転倒などの物理的な理由の流産も多いのでしょうか?

物に当たった、交通事故を起こした……外的な理由で流産しする事はすごく少ないですね。決して0とは言いませんけれども、非常に少ない。赤ちゃんというのは非常に守られた状況の中にあるんです。ですから流産した場合、まず殆どが赤ちゃんに原因がある事の方が圧倒的に多いという理解で結構です。

*  *  *

つわりのある妊娠前期は、妊娠前とくらべてママにとっては辛い時期になるかもしれません。生まれてくる赤ちゃんのためにも体を第一に考え、どうしても辛い時には一人で悩まずに医師やパートナーに相談することが大切。みんなで健やかな赤ちゃんの成長を助けていきましょう。

 

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【プロフィール】
吉村泰典(よしむら・やすのり)
1949年生まれ。産婦人科医、慶應義塾大学医学部教授。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる一方、第2次・第3次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。

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