イクジイたちの孫育て経験  我が家に生まれた新しい家族の絆

2017.09.14

ミキハウス編集部

積極的に孫育てに参加するイクジイ、イクバア。前回の記事では、民間による孫育てセミナーや行政による3世代育児に関する取り組みを紹介いたしました。
https://baby.mikihouse.co.jp/information/post-8053.html

もっとも、共稼ぎ夫婦のために孫の面倒を見るイクバアは以前からいました。一方でおじいちゃんも孫育てに“参画”し、祖父母揃って孫の面倒を見るようになったのは最近の傾向と言えるかもしれません。

そこで今回、出産準備サイトは都内に住むおじいちゃん・Mさん(60代)とHさん(60代)とそのご家族に取材。お二人のイクジイぶりにフォーカスを当て、孫育てがもたらしたそれぞれの「家族の絆」について伺いました。

 

孫とすごすことで、人生に新しい楽しみを見出した

1年前に奥さまから「近くに住む娘夫婦の1歳になる孫を半年間預かることになった」と告げられたMさん。娘さんは職場復帰しなければいけないのに、受け入れてくれる保育園がない状況。定年退職後、ジム通いを楽しんでいたMさんの平穏で気ままな生活は激変したと言います。

「毎朝8時半には、孫が家に来ているんです。まだ言葉はしゃべれませんでしたが、よく動く子で目が離せなかったので、妻はつきっきりです。その上、棚や引き出しを開けて何もかも引っ張り出してしまうので、孫の手が届くところにはおもちゃと割れない調理器具ぐらいしか置けなくなり、家の中の様子も変わりました」(Mさん)

Mさんは自分の子どもの子育ては、奥さまにまかせっきりだったそう。そう、Mさんは60代にして“人生初の子育て”をすることになったのです。

「初めのうちはえらく戸惑いました。でも妻が世話するのを見ていたら、少しずつ慣れていったのかな。孫の方も僕に慣れて、自分から膝に乗ってくるようになり、お腹がすいたらお菓子のある場所を指さすとか、意思表示が始まると、一緒にすごすのが楽しくなってきました。初めて二人だけで半日留守番ができた時は、結構うれしかったですよ。子育ての大変さを思い知りましたが、孫の笑顔にはいやされました。公園や地区センターで遊ばせたりしているうちに、家の近くに顔見知りができたのは、予想外のおまけでしたね」(Mさん)

Mさんは、孫を預かったことをきっかけに娘さんへの見方もちょっぴり変わってきたといいます。

「正直なところ、娘とはきちんと話をしたこともなかったんです。でも孫を預かって、娘が妻をすごく頼りにしていて、感謝もしているんだと二人の絆に今更気が付きました。今では僕もちょっとはその仲間に入れてもらえたような(笑)。4月から保育園に行くようになり、僕らの役目は終わりましたが、遊びにくると、以前のように僕にまとわりついてニコニコ。本当にかわいいです。娘の夫も含めて、孫を中心にした“家族の輪”ができつつあるのを感じています」(Mさん)

そんなMさんについて、娘さんは「意外な一面に驚いた」と話します。

「父のことを面倒見がよくて、子どもに好かれるなんて思ったことはありませんでした。この半年間のことは、本当に感謝しています。ただ、両親の子育ての常識と、私が学んだ知識はかなり違っていて、『虫歯菌をうつさないように』なんて言うと、『あなたは高校生まで虫歯はなかったでしょ。誰が育てたの?』なんて言い返されて、むっとしたこともあります。まだまだ手伝ってもらうこともあると思うので、両親にも最近の子育て情報を勉強してもらいたいかな」

孫とすごすことで、人生に新しい楽しみを見出したMさんと、子育てを手伝ってもらって両親のありがたみを改めて感じた娘さん夫婦。孫の存在は、Mさん一家のきずなを確実に深めているようです。

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