《絵本特集 第2弾》
「赤ちゃん絵本からはじめよう」“読み聞かせのプロ”が語る絵本の親しみ方

2017.09.28

ミキハウス編集部

「繰り返し」ながら子どもの個性に合うテーマを選んで

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今回、けいたろうさんがオススメしてくださった絵本の数々

続いて伺ったのは「赤ちゃん絵本」の次のステップ。徐々に言葉を覚え始めた子どもには、どういった本を読み聞かせしたらよいのでしょうか?

「リズムや語感の良さは引き続き大事にしつつ、次第にその子どもの個性に沿った絵本を読み聞かせてあげるといいかもしれません。例えば、散歩好きのうちの娘は『いちにのさんぽ』(アリス館)という絵本に夢中です。女の子が散歩しながら色んな動物に出会うことを繰り返すお話なのですが、読んだ後は電柱に向かって『こんにちは』と挨拶したりしてします」

つまり動物に興味のある子どもには動物に関する絵本を、乗り物に興味のある子どもには乗り物が出てくる絵本を、といったように子どもの趣味趣向にあわせた本を選び、読み聞かせるときもリズムや語感の良さを意識してあげることがポイントのようです。

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けいたろうさんが保育士として保育園の1歳児クラスを担当していたときのこと。クラスにはすでに電車に強い興味を示す男の子がおり『しゅっしゅぽっぽ』(教育画劇)という汽車の絵本をよく読んであげたそうです。



「あの本は電車好きの子には“鉄板”でしたね。『読んで、読んで』と泣き崩れる子もいるぐらい(笑)。ちなみに、『しゅっしゅぽっぽ』はアメリカ公演をしたときも、外国人の子どもたちにウケがよかったんですよ。日本語なんてわからないのに、描かれている絵のトーンや音の響きが楽しかったんだと思います。僕は思うんですけど、本当にいい絵本って、性別や言葉を超えて届いていくものなんですよね」

この章で挙げた、『いちにのさんぽ』と『しゅっしゅぽっぽ』にはある共通項があるとけいたろうさんは言います。それはいずれも、物語が基本的に「繰り返し」の構造だという点。同じ言葉や内容が繰り返されて展開するこれらの絵本。音や響きがより重視される「赤ちゃん絵本」の次は、同じ展開が繰り返される絵本がオススメなんだそうですよ。

「名作『おおきなかぶ』が分かりやすいですが、繰り返しの絵本というのは、その時その時で“楽しみ”が来るようになっています。展開が毎回同じなので、子どもにもとても分かりやすい。僕が文章を担当して2014年に出版した『どうぶつしんちょうそくてい』『どうぶつたいじゅうそくてい』(いずれも、アリス館)も繰り返しのモチーフを大切にしていますよ」

絵本選びに迷われるパパ、ママがいらっしゃったら、「繰り返し」の構造を守りながら、かつ子どもの興味や関心に合ったテーマの絵本を選んであげるといいかもしれませんね。

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